19-295「スペシャルアクターズ」（日本）

ボス、警察が来てます
　売れない役者の和人は、数年ぶりに再会した弟から俳優事務所“スペシャルアクターズ”に誘われる。そこでは映画やドラマの仕事の他に、役者が日常の中で演じることで様々な問題を解決するお悩み相談にも対応していた。
　そんなある日、“カルト集団から旅館を守って欲しい”という依頼が舞い込む。さっそく綿密な計画と入念な演技練習に取り組むスペアクの役者たち。
　しかし和人には誰にも明かしていないある秘密があった。彼は極度に緊張すると気絶してしまうという致命的な弱点を抱えていたのだった。
　にもかかわらず、この危険なミッションの中心メンバーに抜擢されてしまう和人だったが。（「allcinema」より）


　緊張してしまうと気絶してしまう売れない俳優の和人が、久しぶりに会った弟、宏樹から俳優事務所の〝スペシャルアクターズ〟に誘われる。

　そこではＴＶや映画の他に、演じることによって日常の悩みを解決するという仕事も請け負っていた。

　そのスペシャルアクターズに、カルト集団から旅館を守ってほしいという依頼が舞い込み、和人もその仕事のメンバーに加えられることになる。

　果たして、問題を抱えている和人は無事に仕事をやり遂げることが出来るのか、そして旅館をカルト集団から守ることが出来るのか。


　「カメラを止めるな！」の上田慎一郎監督の長編第２弾作品。

　ハードルはかなり上がってしまっているだろうが、前作までとは行かずとも、面白い作品ではあったな。

　極度に緊張すると気絶してしまう和人を含め、スペシャルアクターズの面々は、カルト教団に潜入し、裏に隠された姿を暴き出そうとする。

　そんな事件の顛末を追うような話であったが、その内容は緩く、ユーモアに包まれたもの。

　仕事を遂行していく中、自信無さげで、時折気絶しそうになるのを堪えたりする和人の姿と、それに戸惑う周囲の人々の姿には笑わされる。

　クライマックス、仕事は問題無く進んでいるように見えて、思わぬ危機が訪れたりする。

　冷静に見ると、かなり胡散臭い人物も登場して演じたりしているが、それがまた面白さを足している感じかな。

　事件の顛末もちょっとした驚きを交えたものになっているが、最後の最後に思いも寄らぬ衝撃の真実が明らかになるという結末。

　笑いもさることながら、よく考えられた話になっており、飽きることなく観られるサスペンス・コメディであった。

/５

監督：上田慎一郎
出演：大澤数人、河野宏紀、富士たくや、北浦愛、上田耀介、清瀬やえこ
　　　仁後亜由美、淡梨、三月達也、櫻井麻七、川口貴弘、南久松真奈
　　　津上理奈、小川未祐、原野拓巳、広瀬圭祐、宮島三郎、山下一世
於：新宿ピカデリー