CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-296「ベル・カント とらわれのマリア」(アメリカ)

2019年11月30日 01時50分29秒 | アメリカ映画
外に出られないなら、中で何とかやっていきます
 1996年、南米の某国。高額な報酬につられてやって来たのは世界的オペラ歌手でアメリカ人のロクサーヌ・コス。副大統領邸で開催されるサロンコンサートは、工場誘致を目指す政府が、コスの長年のファンである日本人実業家ホソカワをもてなすためのものだった。
 通訳のゲンを従え、憧れのコスとの対面に興奮を隠せないホソカワ。やがてフランス大使をはじめ各国のVIPも列席する中、コスの美しい歌声がサロンに響き渡る。
 するとそこへ銃声とともにテロリストたちがなだれ込んできて、コスやホソカワを含むその場にいた全員が人質にとられてしまうのだったが。(「allcinema」より)


 1996年にペルーで起きた日本大使公邸占拠事件を基にして製作されたという作品。

 南米の某国という設定で、副大統領邸に日本人実業家のホソカワが招かれ、彼が長年のファンだと言うアメリカ人オペラ歌手のロクサーヌ・コスのサロンコンサートが催される。

 しかし、そこにテロリストたちが侵入、ホソカワやコスを人質とし、政府に対し、政治犯として捕まっている仲間たちの解放を要求する。


 ホソカワを演じたのは、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の渡辺謙。
 そして通訳役として「硫黄島からの手紙」の加瀬亮も出演。
 彼の役名が最初出た時に、ケン・ワタナベと聞こえ、えっ? と思ったが、実際はゲン・ワタナベだった。

 犠牲者が早々に出てしまう中、コスやホソカワをはじめとする数十人が人質として副大統領邸でテロリストたちと過ごすことになる。

 テロリストと政府との交渉は遅々として進まず、険悪な雰囲気が流れる中、ある出来事から邸内の空気が変わっていく。

 コスの歌声が最後に事態を打開するのかと思っていたが、逆にあるきっかけとなるものだったんだな。

 コスを演じていたのは「ブラインドネス」で木村佳乃や伊勢谷友介とも共演したジュリアン・ムーア。
 さすがに歌声は吹替だったよう。

 長い期間膠着状態となり、テロリストたちと人質たちが同じ邸の中で過ごしていく中で、徐々に彼らの間に不思議な感情が芽生えていく。

 これはストックホルム症候群ということなんだろうか。

 そして、ホソカワとコスの関係、ゲンとテロリストの1人、カルメンの関係。

 テロリストたちの中には、まだ10代ぐらいかと思しき少年少女も加わっている。

 不思議な関係となっていく彼らの運命は、果たしてどうなるのか。

 行き着く先が気になったところで、事件は突然終焉を迎える。

 最初、テロリストを悪という感情を持つような展開で始まるが、最後には何とも言いようのない気持ちにさせられる。

 果たして、善悪で区別が出来るのか。
 そして、人質たちとテロリストたちの関係は何と呼ぶべきものなのか。

 テロ事件ではあるが、また違った部分で興味惹かれる作品であった。

/5

監督:ポール・ワイツ
出演:ジュリアン・ムーア、渡辺謙、セバスチャン・コッホ、クリストファー・ランバート
   加瀬亮、テノッチ・ウエルタ、マリア・メルセデス・コロイ
於:TOHOシネマズ日比谷

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