ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

北千住「千住宿 珈琲物語」で休憩する

2023年05月19日 | カフェ・喫茶店

美術鑑賞の帰りに途中下車して北千住の「千住宿 珈琲物語」にいってみた。初めて行く喫茶店だ。北千住駅から歩いて10分くらいかかるだろうか、場所はわかりやすい。現役時代は仕事の帰りに北千住でよく途中下車して飲み歩いたものだ。駅のそばに居酒屋がいっぱいあるのだ。「永見」で飲んで、適当なところで切り上げ、すぐとなりの立ち飲み「天七」で串揚げを食べて締める。ゴールデンコースだ。値段は安い。サラリーマン飲んべえの聖地といっても良い場所だ。

リタイアしてからはもっぱら昼間に喫茶店に寄る健全な生活になった。店に入ると、空いている席にどうぞ、ということなのでカウンター席に座った。テーブル席も結構ある。カウンター後ろの壁には一面びっしりコーヒーカップが収納されている。珈琲豆も焙煎して販売しているようで、珈琲の種類も多い。

今日はマイルドブレンド580円を選んだ。店主が豆を挽いて、ペーパードリップで抽出している。味は苦みがある好きなタイプだった。ここは食事もいろいろできるようだ。夫婦だろうか店主と女性と2人でやっているようだ。結構客も入ってきているので地元の固定客をしっかりつかんでいるのだろう。雑誌や新聞などもおいてあった。

ゆっくり30分くらい過ごして帰路についた。ほんと、こういう喫茶店が地元にほしいよ。

ご馳走様でした。


静嘉堂@丸の内で「明治美術狂想曲」展を観る

2023年05月19日 | 美術

静嘉堂@丸の内で開催中の展覧会「明治美術狂想曲」展を観に行ってきた。新聞に載っていたから行ってみたくなった。1,500円。静嘉堂は以前、世田谷区にあったが最近、丸の内の明治生命ビルに移った。前から一度行ってみたかったが機会が無かった。今回、曜変天目も展示されていると知ってさらに行ってみたくなった。

静嘉堂は三菱グループの岩崎彌之助と岩崎小彌太が創設・拡充させた。現在、国宝7件、重要文化財84件を所有し、およそ20万冊の古典籍と6,500件の東洋古美術品を収蔵しているという。静嘉堂という名前は中国古典からとったもので、彌之助の堂号で、祖先の霊前への供物が美しく整うという意味だそうだ。

今回の展覧会について、美術館の説明では「明治時代は「美術」が産声を上げた時代、「美術」という言葉が誕生し、博覧会が開催され、美術館が初めて設置された。社会全体が西洋化する一方、古美術品の再評価や保護、日本美術史の編纂も、明治時代の重要な出来事。展覧会では、現代の「美術」につながる諸制度・文化が生まれた明治時代を立脚点として、静嘉堂のコレクションの中から岩﨑家とゆかりが深く、当時としてはセンセーショナル、しかし現代でも色あせない明治美術を展示する」とある。

ギャラリーは1から4まであり、以下のようになっている

ギャラリー1 「美術」誕生の時、江戸と明治のあわい(crossover)
ギャラリー2 明治工芸の魅力、欧米好みか、考古利今か
ギャラリー3 博覧会と帝室技芸員
ギャラリー4 裸体画論争と高輪邸の室内装飾

いくつか感想を述べてみよう

  • 美術館はそれほど広くなく、1時間もあれば十分鑑賞できる展示量であった、写真はホワイエ以外は禁止であった(残念)
  • 展示作品ではなんといっても黒田清輝の「裸体婦人像」が強烈だ、最初に日本で展示された時、あまりに刺激的なので警察の指導で下半身を覆う腰巻きをかけて展示した、本展ではもちろん腰巻きはないが現代においても非常に艶めかしい絵だ。この絵は、黒田がパリ万博に出展した「智・感・情」という若い女性の3つの裸体画3部作(これは上野の黒田清輝美術館にあり何度か観たことがある)が師のラファエル・コランに不評だったために奮起して現地フランスで描いたもの。当展覧会の図書の表紙にもなっている。その後、岩崎家の所有になり港区の高輪邸に展示されていた。まさに、「当時としてはセンセーショナル、しかし現代でも色あせない明治美術」というのはこの作品のことだろう。
  • その高輪邸であるが、ギャラリー4で室内装飾の展示がある。この高輪邸には仕事で一度招待されて食事をご馳走になったことがある。高輪邸は開東閣(かいとうかく)という名前の三菱グループの接待施設(非公開)となっているが洋風建築の建物と広い庭園がある贅沢な施設だった。
  • 展覧会のテーマとは関係ないが、世界で3つしか完成品が残っていないという国宝、曜変天目(稲葉天目)が展示してあり、鑑賞できたのはうれしかった(上記の写真参照)。多分、初めて観たと思う。青・藍の色合い、模様が素晴らしい。思っていたより小さかったが素晴らしい作品であった。
  • 入口を入ると直ぐに正方形のホワイエがあり、ギャラリーがその回りを囲むようにある。ソファーもあり、鑑賞中或いは鑑賞後に休憩するのに便利だ。

観に行く価値は十分あると思った。