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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「ゴールデンカムイ」を観る

2024年02月14日 | 映画

近くのシネコンで「ゴールデンカムイ」を見てきた。シニア料金1,300円、土曜日だったためか結構客が入っていた。人気コミックの映画化のため若い人が圧倒的に多かった。2024年制作、監督久保茂昭。カムイとは、アイヌ語(kamuy)で神格を有する高位の霊的存在、という意味。日本語では神居と表現される。

映画の中でアイヌ民族の住んでいる村をアイヌ語でコタンと紹介していた。若いとき仕事で旭川に出張に行った帰りに、神居古潭(カムイ コタン)というアイヌ民族の神聖な場所と思われてきた景勝地に立ち寄ったことを思い出した。

この映画の原作は野田サトルの同名のコミック、2014年から集英社の「週刊ヤングジャンプ」で連載が始まり2022年に完結した、既刊全31巻で累計2,700万部を販売した大ヒット作品。どおりで大勢見に来ているわけだ。

日露戦争中「不死身の杉元」の異名を持つ杉元佐一(山崎賢人)。戦後、一獲千金を狙い、北海道で砂金採りに明け暮れていた。ある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男は、捕まる直前に金塊を隠しその所在を暗号にした刺青を24人の囚人の身体に彫って彼らを脱獄させた。杉元は埋蔵金の探索中ヒグマに襲われ、アイヌの少女アシㇼパ(山田杏奈)に救われる。彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇を討つため杉元と行動をともにする。一方、北海道征服のため埋蔵金を狙う日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉(玉木宏)と、戊辰戦争で戦死したとされていた新選組副長・土方歳三(舘ひろし)も現れ、これらの三つ巴の争奪戦が行われる、というストーリー。映画の中では北海道の自然、アイヌ民族の生活ぶりがわかるようになっている。

鑑賞後のコメントとしては

  • 特にたいした予習もしないで見たけどストーリーも理解できたし、面白かった。ところどころ映画でなければあり得ない場面があるが、それはそれで良いでしょう。
  • 映画館で原作者の書いた野田サトルの書き下ろしのアートボードが入場者特典でもらえた。このアートボードには主な登場人物の姿が書いてあり、原作はこんな感じなのかとわかったが、杉本佐一の山崎賢人が原作の絵とそっくりなのには驚いた。
  • 出演者は皆いい演技をしていたと思う。特に山崎賢人、山田杏奈、矢本悠馬(白石由竹役)、玉木宏が良かった。
  • 映画の中では殺傷場面など悲惨で目を背けたくなるような画像は無かったが、杉元が第七師団に捕まり鶴見中尉にみたらし団子を食べながら追求を受けているときに突然、団子の串で頬を刺し抜かれる場面があったが、映画ではやりすぎかなと思った。
  • 埋蔵金争奪戦に土方歳三が出てきたのは話が飛躍しすぎと感じた。
  • それ以上に、帝国陸軍が北海道征服を狙っていると言うところも、ちょっとあり得ないような気がした。それに比べれば、土方歳三がでてくるのは明治新政府に対する抵抗勢力として函館戦争などを闘った歴史が史実としてあるからまだ何とかわからなくもないが、陸軍がでてくる必然性がちょっとわからなかった。
  • そこでウィキでゴールデンカムイを見ると、陸軍第七師団について「北海道を本拠とし旭川に本部を置く大日本帝国陸軍の師団。日露戦争には勝利したものの、多くの戦死者を出したことで参謀長でもあった花沢中将は自害、勲章や報奨金はおろか陸軍のなかで第七師団は冷遇されるようになる。こうした背景から鶴見は戦友や戦死者遺族の窮状を救うため、自らが指導者となり北海道に軍事政権を実現させるべく、軍資金として刺青人皮及びアイヌ埋蔵金を追う」とでていた。何とか有り得る設定か。
  • 冒頭、日露戦争の二〇三高地の戦いがでてくるが、我が国は過去にロシアと戦争をしたのだと改めて認識した、そして辛勝した。我が国は遠くない過去に、当時の大国、そして今でも大国の清国、ロシア、アメリカと戦争をした歴史を持っている。今、これらの国と戦争をしようなどと思う国など無いだろう。若い人に「日本は80年前にアメリカと戦争をしたことを知っているか、ロシアと120年前に戦争をして勝ったことを知っているか」と聞けば、「マジかよ、ありえねー」と答える人も少なくないだろう。
  • 終わりかたを見ると今後も続編があるのでしょう。見たくなった。

楽しい映画でした。