「おながわ海中漫歩」 ちょっと海へ

宮城の海に潜って40年以上、最新の女川湾の情報をお知らせします。
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2014年5月31日(土) チビ ダンゴウオがいっぱいの竹浦

2014-05-31 17:18:19 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:快晴

海況:南の風 弱く  ベタ凪

気温:25℃  水温: 水面 12.0℃  水底 8.3~9.5℃

透明度:5~7m

 今日の女川湾は、天気も海況も水温も上がりベストコンディション。先週、初観察の「天使の輪」を持つダンゴウオの稚魚たち、今日は数十個体まで確認できるようになってきた。これから6月いっぱいは、水深10m以浅の岩肌や海藻で数多く観察できるようになる。

   「天使の輪」を持つダンゴウオの稚魚(体長 3mm) 

 一方、観察中のダンゴウオの抱卵は、№9と№10の卵の中に稚魚の眼が見えるまでに育っていた。あと、10日位でハッチアウトを迎えるようだ。

 ダンゴウオの抱卵(№9)

 ダンゴウオの抱卵(№10)

また、アゴ島のダンゴウオの抱卵(№4)を確認に行ったら、巣穴に別の個体が入っていた。(下の写真)

 ⇒  奥には今までの個体が順調に抱卵中

 その他、大きなミズダコ・フサギンポ・シロホクヨウウミウシ(青)・ウミクワガタ・フタスジカジカの抱卵など観察できた。

 


2014年5月25日(日) ダンゴウオの稚魚 今季初観察

2014-05-25 16:52:41 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:くもり

海況:西の風 凪

気温:20℃  水温:7.7~8.2℃

透明度:3~5m

 今日は茨城県からクレセント日立さんが5名のツアーで竹浦の海を楽しんで頂きました。水温が先週より2~3℃上がったものの一桁の水温にビックリ。しかし、今限定のダンゴウオの抱卵・お腹の大きなメスのダンゴウオ、そして「天使の輪」を持つダンゴウオの稚魚など「ダンゴウオ三昧」を楽しみました。冷たい女川の海でのダイビング大変お疲れ様でした。

 今季、初観察のダンゴウオの稚魚(体長3mm)は、アゴ島で1個体と弁天島で2個体だが、これから6月にかけて数多く観察できるようになる。

 お腹の大きなメスのダンゴウオ

 このダンゴウオのメスは、卵を守ってくれるオスを探して、抱卵中(No9)の巣穴の近くにいた。しかし、ダンゴウオは、一夫一婦性なのでこのメスの卵を受入れることは、ほとんどない。

 一方、観察中のダンゴウオの抱卵(No4・No7・No9・No10)は、順調で6月上旬にハッチアウトを迎えるかも!!

 その他、フサギンポ・シロホクヨウウミウシ(青&白)、フタスジカジカの抱卵、ウミクワガタなど観察してきました。


2014年5月20日(火) 出勤前に「ちょっと海へ」

2014-05-20 23:00:04 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:晴れ

海況:北の風弱く ベタ凪

気温:11℃  水温:6.8℃

透明度:1~2m

 けさ出勤前に竹浦港内の船着き場で今限定のイソバテングの幼魚を撮影してきました。毎年、3月から4月にかけて生まれた稚魚たちは、穏やかな湾内で浮遊生活を送る。竹浦港でも船の係留ロープの海藻や船底などにいることが多く、岸壁からも見つけることができる。

 イソバテングは、幼魚期から成魚と同じように各ヒレを大きく広げ「磯場の天狗」になっている。

  船外機船の船底を泳ぐイソバテングの幼魚(体長3cm)・岸壁から撮影

  水面を泳ぐ幼魚(体長3cm)

  係留ロープの海藻にいる幼魚(体長4cm)

 1ヵ月前まで2cm位だった幼魚が、現在は3~4cmと成長し観察される個体も少なくなってきた。この幼魚たちも成長と共に、水面から海底に移動し底生活をするようになる。


2014年5月18日(日) ダンゴウオのハッチアウト開始

2014-05-18 20:53:41 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:晴れ

海況:西よりの風 時々強く 多少風波あり (強風注意報発令中)

気温:18℃  水温: 水面付近 5.2℃  水底 4.7~5.0℃

透明度:3~4m

 今日の竹浦の海は、天気は良いのだが数日前から西よりの風が強く吹いていた為、深層水が上がって、水温が5℃台まで下がってしまった。

 1本目は、弁天島へダンゴウオの抱卵を観察してきました。比較的観察しやすいNo9とNo10は順調に子育て中だが、先月中旬に発見したNo1とNo2の抱卵のハッチアウトが完了していた。

 2本目は、アゴ島へ。No4とNo7の抱卵も順調のようだが、No7は相変わらず卵が見ずらい。

 今月末から6月上旬にかけて、ハッチアウトのピークを迎え、「天使の輪」を持つ稚魚や抱卵、そして運が良ければ、ハッチアウトの瞬間に遭遇するかも・・・・・(昨年と一昨年は観察できた)     また、まだ産卵をしていないお腹の大きなメスのダンゴウオも数個体観察。これから竹浦の海の水温も高まり「ダンゴウオ三昧」のベストシーズンがやってくる。

  

 今日の新たに発見した生き物は、久しぶりに大きなイソバテング・・・・・・

   体長 25cm位のイソバテングのメス

 イソバテング(磯場天狗)は、ケムシカジカ科の仲間で、カイメン動物に卵を産み付ける隠ぺいするタイプだ。生まれた稚魚は、水面近くで浮遊生活する為、現在、女川の各港の岸壁からでも観察できる。

その他、ギスカジカ・シロホクヨウウミウシ・ミズダコなどと、アリエルチームは、昨年生まれたクチバシカジカの若魚を発見。しばらく、定位置にいることを願う。

 ギスカジカ    シロホクヨウウミウシ

 一方、女川の水産業は、マボヤやホタテの養殖も最盛期を迎え、早朝から昼間まで何度も水揚げされ出荷されていた。

  ホークリフトで水揚げされる養殖マボヤ(約600kg)

 

 


2014年5月11日(日) 最悪の透明度だが、しかし・・・・・・・!!

2014-05-11 23:34:26 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:晴れ

海況:南東の風  ベタ凪

気温:18℃  水温: 水面付近 6.4~7.2℃   水深 20m付近 5.4℃

透明度:1m前後   水深 16m以深 5~7m

 今日は天気や海も絶好のコンディションだったが、透明度は1m前後と今季最悪だった。しかし、マクロ系の生物を探索するには、逆に集中できるかも・・・・・・

 今日の大発見は、水面を漂うように泳ぐオオクチイシナギの稚魚だ。

   水面を泳ぐオオクチイシナギの稚魚(体長 2cm)

 オオクチイシナギの成魚は、水深400~600mの深場に生息し、体長が2mにもなる大型魚だ。幼魚期は、水深の浅い砂地などに生息し、女川湾でも夏から秋にかけて見かけることがある。

 2009年10月に女川湾で撮影した幼魚(体長 約12cm)

 昨年も同時期に水面近くで1個体発見したが、すぐ見失ってしまった。この魚の稚魚期は、水面近くで浮遊生活することがわかってきた。

 その他、今日のアゴ島で観察できた生きものは、フサギンポやシロホクヨウウミウシと久々にオコゼカジカの幼魚なども観察できた。

 体長4cm位のオコゼカジカ (水深20m付近)

 シロホクヨウウミウシ(青バージョン)

 フサギンポ

 ジュズヒゲアナエビ(大きさ 5cm)

  NO4 ダンゴウオの抱卵