「おながわ海中漫歩」 ちょっと海へ

宮城の海に潜って40年以上、最新の女川湾の情報をお知らせします。
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2013年7月28日(日) クチバシカジカの幼魚撮影 (女川町竹浦)

2013-07-28 15:59:16 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:くもりのち晴れ

海況:北東の風弱く 凪    水面付近流れあり

気温:23℃  水温:水面付近 18.2℃  水底 16.8℃

透明度:水面付近 1m以下  水深6m以深 5~8m

 今日の女川湾は、前日までの大雨で追波湾に流れ込む北上川(通称:追波川)からの濁った川水が入り込み、水面付近で約1ktの流れがあり、透明度も最悪の状態だった。しかし、潜降して行くと視界が広がり、流れもなく水温も17℃まで上がっている。今日の目的は、2週間前に発見したクチバシカジカの幼魚やダンゴウオの幼魚のHDV撮影だ。先日発見した場所に行って見ると、口先をモグモグしながら岩の間を散歩するクチバシカジカの幼魚がいてくれた。体長1.5cmほどに成長している。可愛らしい姿を観ながら撮影していると、また岩陰に姿を隠した。

     

 その他、ダンゴウオの幼魚は、体長6~8mmに成長し、海藻や岩肌に多く観察できた。また、キツネメバルの幼魚やフサギンポの幼魚とべラの仲間のキュウセンの幼魚もチラホラ観察でき、女川湾にも、やっと夏が来た感じがする。

     ダンゴウオの幼魚

   キツネメバルの幼魚(体長3cm) 

 これから竹浦の海も夏本番を迎え、水温も20℃まで上がりウエットスーツでも可愛いダンゴウオの幼魚やクチバシカジカなど多数観察できます。

 


2013年7月22日(月) 磯焼け調査と生物調査 (女川町指ヶ浜)

2013-07-24 20:58:51 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:くもり

海況:南南東の風弱く ベタ凪

気温:20℃  水温: 水面 17.2℃  水底 15.8℃

透明度:水面付近 2~3m  水深5m以深 10~12m

 「磯焼け対策」で10年前から調査・研究している女川町指ヶ浜の海。昨年まで石灰藻で覆われ真っ白になって磯焼けしていた岩礁帯が、今年は写真のようにマコンブやスジメ、アカモクなどの大型海藻が生育し、豊かな海が戻ってきた場所がある。磯焼けする原因のひとつは、海藻を食べる植食動物(ウニや巻貝など)が過剰に生息し、生態系のバランスが崩れて起きる。しかし、東日本大震災の津波によって植食動物(ウニや巻貝)が沖に流され、岩礁帯から減少し磯焼けが解消したと考えられる。

  マコンブ林の下には、キタムラサキウニが多く生息!!

 一方、海岸線から約150m沖にある起伏の激しい「ホヤ敷き根」では、大型の海藻がほとんどなく、マボヤやヒダベリイソギンチャクが群生し岩肌を覆っている。

 水深15mから見上げる「ホヤ敷き根」

 起伏の激しい岩礁帯が多い

 マボヤの群生   ヒダベリイソギンチャクの群生

 フクロウノリの上にダンゴウオの幼魚が!!

 岩の割れ目には、体長3cm位のキツネメバルの幼魚が!!

 岩陰には、体長30cm位のメバルが!!


2013年7月21日(日) 第八清福丸の進水式  女川町竹浦

2013-07-21 16:14:09 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:くもり時々晴れ間

海況:北東の風弱く 凪

気温:20℃  水温: 水面16.8℃  水底 15.6℃

透明度:水面近く 1m以下  水深5m以深 5~6m

 今日は、女川町竹浦で日頃お世話になっている漁師さんの船が完成し、お祝いを兼てファンダイビングをしてきました。船は、三重県の造船所で建造された第八清福丸4,9トンで、先週15日に竹浦まで回航して今日進水式が行われました。式には、地元住民や漁業関係者など約100名の人々が集まって恒例の餅まき大会が行われ大歓声の中、紅白のお餅を両手一杯に拾って皆さん笑顔で新造船の竣工を祝福してくれました。また一歩竹浦の復興が進んだ一日でした。

 第八清福丸は、養殖業や遊漁船として今後活躍しますが、竣工記念として8月中に金華山沖のマンボウツアーを開催する予定です。最大速力22ktで最新鋭のソナーを装備し、マンボウなどの探索には欠かせない装備が充実しています。また、洋式のトイレも完備した最新鋭の漁船です。

  竹浦港内を航行披露する第八清福丸

  大歓声の中での恒例の餅まき大会 

 さて、今日の竹浦の海は、前日までの大雨の影響で水面の透明度は泥水状態だが、水深5m以深では、5~6mは見通せる。水温も16℃まで上昇し、1時間潜っていても寒さを感じない水温になってきた。今日観察できた生物は、クチバシカジカの成魚が4個体とオコゼカジカ、フサギンポ、ダンゴウオの稚魚や幼魚などと共に、久しぶりにブルー系のシロホクヨウウミウシを観察した。しかし、先週発見したクチバシカジカの幼魚は、どこへ行ったのか見つけることができなかった。

     クチバシカジカの成魚

    オコゼカジカ

 シロホクヨウウミウシ(ブルー系)

 スナビクニン(オレンジ系)

 


2013年7月15日(海の日) 女川町竹浦でクチバシカジカの幼魚発見

2013-07-15 16:18:12 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:雨のち曇り

海況:北東の風 凪

気温:20℃  水温:水面 14.5℃  水底 13.8℃

透明度:水面付近 1~2m  水深5m以深 8~10m

 「海の日」の今日、朝は大雨だったが潜るころには雨が上がり、くもり空となった。今日の目的は、透明度もよいので今まで探索していない場所なども調査してきました。水深10m付近の岩礁帯にある海藻(カバノリ)には、多くのダンゴウオの稚魚や幼魚が観察され、海藻に吸付いてユラユラと揺れるところが好きな幼魚や、揺れるのが嫌いなのか、マボヤの上や岩肌に吸付いている幼魚など様々観察された。また、体長も4mm~8mmまで成長し、各々個性的な模様や体色になってきた。

 マボヤの上が好きな幼魚(体長6mm)

 岩肌にいる体長8mmまで成長した幼魚(10円硬貨と比較)

 まだ、「天使の輪」が残っている稚魚(体長4mm) 海藻の上

 いつもの穴の大型のフサギンポ(体長40cm) アゴ島

  2個体は、体長20cm程度(弁天島)

   ヤリイカの卵の中で幼体が動いている

 今日の大発見は、弁天島でのクチバシカジカの幼魚(今年の4月に生まれた個体)の発見だ。水深12mの岩陰でちょこちょこ動く幼魚は、今季初観察だ。しかし、撮影しようとカメラを向けるとすぐに奥の方へ逃げ込んでしまった。しばらくこの場所で観察できることでしょう。今後のダイビングが楽しみだ。

 中央の奥から顔を見せるクチバシカジカの幼魚(体長1cm)

 


2013年7月14日(日) 女川町竹浦(弁天島~アゴ島)

2013-07-14 16:41:04 | おながわ海中漫歩「ちょっと海へ」

天気:晴れ

海況:北東の風弱く ベタ凪

気温:25℃  水温: 水面14.5℃  水底 12.8℃

透明度:水面付近 1~2m  水深5m以深 8~10m

 今日の竹浦は、久しぶりに晴れ上がり暖かな一日でした。今日は、オリンパスTG-2でワイドからマクロ、そしてスーパーマクロでの撮影テスト。(以下の写真は、全てTG-2で撮影)

 1本目は、弁天島へ。透明度や水温など昨日とほとんど変わらないが、今日は、クチバシカジカが姿を現した。また、オコゼカジカやダンゴウオの幼魚などマクロやスーパーマクロでの撮影したが、わずか5mm程度のダンゴウオがきれいに撮れる。さすがオリンパスTG-2の性能に感動した。

 体長4cm位のクチバシカジカ(ノーマルモード)

 体長12cmのオコゼカジカとアオウミウシ(ノーマルモード)

   

 スーパーマクロで体長5mm程度のダンゴウオの幼魚を撮影

 コケギンポ(マクロ撮影)

 2本目は、アゴ島へ。震災前(2011年1月)に付着したマボヤ群。3年目を迎え子供の拳代の大きさまで成長し、「三陸のお花畑」を形成している。

   ワイド撮影

 ミズダコ    ヤリイカの卵は、そろそろハッチかな

明日も女川町竹浦に行きます。