猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ニンフォマニアック Vol.2

2014-11-06 01:46:17 | 日記
続いて「Vol.2」。
ジョーの話は続く。再び再会したジェロームと関係を持つも、ジョーは不感症になってしまって
いた。しかしジェロームとの子供を身ごもったジョーは、心の平穏を求めて彼との同居を始め、
出産する。それでも不感症は治らず、治すために他の男と浮気することをジェロームに容認される。

後半はジョーの不感症との戦いで、どんどん話が過激になっていく。ジョーの行動は、見ていて
辛いし、ちょっと理解に苦しむ。そんなことしなきゃいけないの?と思う。セックス依存症のため
まともな仕事ができなくなり、借金の取り立て屋になってしまう。人間そこまで堕ちるものだろうか。
荒んでいくジョーの生活、人生。どうしてこうなってしまったのか。色情狂という持って生まれた
性質のせいだったのか。どこかで軌道修正できなかったのだろうか。
年を取って、やっと心の平穏が訪れようとしていたジョーだが、そうはいかなかった。残念だが、
自業自得としか言えない。ジョーの人生は、過激で、すさんでいて、ある意味哀れだと思う。私は
こんな人生じゃなくて良かった、と思った。
ジョーとセリグマンの対話はとてもおもしろくて、感心させられた。
それにしても、「アンチクライスト」「メランコリア」「ニンフォマニアック」と、トリアー監督
言うところの「うつ3部作」の全作でヒロインを務め上げたシャルロットはすごい女優だと思う。



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ニンフォマニアック Vol.1

2014-11-03 02:34:36 | 日記
デンマーク・ドイツ・フランス・ベルギー・イギリス合作映画「ニンフォマニアック Vol.1」
と「Vol.2」を観にいった。まずVol.1から。
雪が舞う薄暗い路地で、1人の女性がぐったりと倒れている。顔はあざだらけで血まみれ。
通りがかった年配のインテリ独身紳士セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、救急車も
警察も呼ばないで欲しいと言う彼女を、自宅で介抱してやることにする。好奇心をそそられた
セリグマンに事情を説明するよう促されたその女性、ジョー(シャルロット・ゲンズブール)は
「理解する気があるのなら、何もかも話してあげるわ」と応じ、数奇な身の上を語り始めた。

ラース・フォン・トリアー監督のこの映画は、主人公ジョーが語る8章の身の上話によって
構成されており、Vol.1では5章までが描かれる。ニンフォマニアックとは色情狂のことで、
ジョーは自らを色情狂であると認識している。幼い頃から性への関心が強かったジョーは、
15歳の時にジェローム(シャイア・ラブーフ)という青年に頼んで初体験の相手になってもらう。
それからのジョーは異常に性に開放的になり、大勢の男と関係を持つ。
ジョーの若い時を演じるステイシー・マーティンという女優は、美人だが顔にクセがあって、
あまり好きにはなれなかったが、細長い体はシャルロット・ゲンズブールの若い時を演じる
にはぴったりだと思った。
ジョーはとにかく見境なく男と関係を持つが、愛を感じたことはない。しかし就職した会社で
ジェロームと再会し、初めて恋愛感情を持つ。だがジェロームは結婚して去ってしまい、
失恋の反動で以前よりも大勢の男と関係を持つようになってしまう。
不倫も経験する。この不倫の話がおもしろい。不倫相手はジョーに対して本気になってしまい、
妻子を捨ててジョーのアパートに転がり込んでくる。その後妻が3人の息子を連れて乗り
込んできて、ジョーを言葉で責め立てるのだが、それがまあ笑えるのだ。人間ここまで壊れる
ことはそうないだろう。
ジョーの話の聞き役のセリグマンは読書家で、ジョーの話をしばしば哲学や数学や音楽や釣り
に例えたりするが、知的なセリグマンの話もおもしろい。とにかくこの映画は時にコミカルで、
シリアスで、興味深い。



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