猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで

2020-05-04 23:41:51 | 日記
2008年のアメリカ・イギリス合作映画「レボリューショナリー・ロード/燃え尽き
るまで」。

1950年代のアメリカ。フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・
ウィンスレット)夫婦は郊外の富裕層が住む住宅地に一戸建てを購入し、2人の子供
にも恵まれ、幸せに暮らしていた。しかし2人は、それぞれ満たされない思いを胸
に抱いていた。フランクは仕事に生き甲斐を見出せず、エイプリルはかつて俳優志
望だったが才能に恵まれず家庭に入っていた。ある日、エイプリルは、結婚当初に
フランクが憧れていたパリでの生活が、フランクの人生を意味あるものにすると考
えた。そしてフランクの30歳の誕生日に「みんなでパリに移住しましょう」と言い
出す。フランクは驚きながらもその考えに賛同するが、不運にもエイプリルは妊娠
してしまい、計画は頓挫することになる。

サム・メンデス監督による人間ドラマ。レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィ
ンスレットが「タイタニック」以来の再共演をしている。私は「タイタニック」は
観ていないが。フランクとエイプリルは一見理想の夫婦だったが、それぞれに満た
されない思いを抱いていた。エイプリルはその閉塞感を何とかするには自分たちの
環境を変えるしかないと思い、フランクがかつて憧れていたパリへの引っ越しを提
案する。突拍子もない考えにフランクは驚くが、結局フランクも同意する。夫婦の
生活はパリ移住へ向けて輝き出すが、そんな時にエイプリルの妊娠がわかってしま
う。フランクは外国で3人目の子供を産むのは大変だからと、パリ行きを断念する
が、エイプリルはどうしても諦めきれなかった。
フランクとエイプリルは理想の夫婦に見えるが、物語の最初から何かすれ違ってい
るものを感じる。とにかくこの2人はよく喧嘩をするのだ。それもエイプリルの方
がとても感情的で一方的だ。レオナルド・ディカプリオもケイト・ウィンスレット
も演技がうまいので、喧嘩にとても迫力がある。でも彼らの喧嘩を見ているとフラ
ンクが気の毒になってくる。フランクは怒りながらも何とか冷静に話をしようとし
ているのに、エイプリルはヒステリックにわめき散らす。フランクが余計腹が立っ
てしまうような発言が多いのだ。あんなヒステリックな女の人(男の人でもだが)っ
て嫌だなあ。どうしてあんなに怒るのだろう。
終盤で大喧嘩をした翌朝、エイプリルが子供たちを近所の家に預かってもらい、夫
婦だけで朝食を食べるシーンがあるのだが、私はそのシーンがとても好きだ。エイ
プリルが前日とは違って穏やかに食事の用意をしていて、態度も優しい。フランク
が「今日は今までで最高の朝食だったよ」と言う、その笑顔がいいのだ。そして出
かける時に「もう僕のことを憎んでいないの」と聞き、また笑顔になる。レオナル
ド・ディカプリオは表情演技がいい。
しかしその後のエイプリルの行動は理解できない。フランクがエイプリルを愛して
いるのはよく伝わってきたが、エイプリルはそれほどフランクを愛していなかった
のだろうか。私にはよくわからなかった。エイプリルはパリ移住に固執しすぎたの
だと思う。フランクのためだと言いながら、恐らくは自分のためだったのだろう。
フランクの方は出世の道が開かれそれで満足していたのだ。エイプリルはそんなフ
ランクが許せなかったのだろうか。あまりにもやるせない、悲しい物語だった。


良かったらこちらもどうぞ。サム・メンデス監督作品です。
ロード・トゥ・パーディション


新型コロナウイルスの緊急事態宣言が31日まで延長されることになった。私が住ん
でいるところは特定警戒地域に含まれるので、気が重い。早くこのコロナショック、
落ち着いて欲しいなあ。




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