ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

暁に祈れ

2018-12-10 00:34:45 | あ行

肉体がぶつかり合う音、音、音――!

 

「暁に祈れ」69点★★★☆

 

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タイ。

闇社会でのボクシング試合に出場する

英国人ボクサーのビリー・ムーア(ジョー・コール)は

麻薬に溺れていた。

 

ある日、家宅捜索を受けた彼は逮捕され

チェンマイの刑務所に収容されてしまう。

 

そこはまさに「地獄」のような場所だった。

 

希望を失いかけていたビリーはそこで

「ムエタイ」と出会うのだが――?!

 

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地獄と名高いタイの刑務所でムエタイと出会い、

生き抜いた実在ボクサーを描いた作品。

 

言葉はなく、とにかく

ボクサーたちの肉体がぶつかり合う音、音、音・・・・・・!といった感じで

主人公が改心していくとか、わかりやすいドラマも

展開もセリフも説明も、なにもない潔さ。

 

そのなかで

野獣のように

むき出しのドーパミンを放出する主人公を演じる

ジョー・コールが見事でした。

 

タイの刑務所は本当に“ブタ箱”そのもので、

豚舎の方がまだ清潔かもと思う。

ざこ寝に、野ざらし便所・・・・・・と悲惨だけど

えげつないような暴力性は思ったほどなくて

 

「ムエタイ」の持つ儀礼的な側面もあいまって

どこかスピリチュアルな印象もある。

 

ある種、映画自体が“身体芸術”の趣きでした。

 

まあ、相当、ボコられるけどね(苦笑)。

 

★12/8(土)からヒューマントラストシネマ渋谷×有楽町、シネマート新宿ほか全国順次公開。

「暁に祈れ』公式サイト

コメント
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