ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マイ・サンシャイン

2018-12-14 23:35:22 | ま行

「裸足の季節」監督の新作。

いわゆるイイ話、とか予想するとまったく超えてきます(笑)

 

「マイ・サンシャイン」71点★★★★

 

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1991年、LA・サウスセントラル。

15歳のアフリカ系アメリカ人少女ラターシャが

食料品店で韓国系女性店主に撃ち殺される事件が起きた。

 

彼女が万引きしたと勘違いした店主に

背後から撃たれたのだ。

 

だが裁判の結果、店主には保護観察と罰金500ドルという

軽い判決が出る。

l地元民たちの怒りが高まり出していた。

 

そんな街で

ミリ―(ハル・ベリー)は大勢の子どもと暮らしていた。

彼女はさまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを保護し、育てているのだ。

 

ミリ―の隣人オビー(ダニエル・クレイグ)は

やかましい一家に文句を言いながら、彼らを見守っている。

 

そんななか、街の混乱はやがて

ミリ―の家族にも影響を及ぼしていく――。

 

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 「裸足の季節」で鮮烈長編デビューを飾った

トルコ生まれのデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督の新作。

 

1992年、ロス暴動が起きる前。

大勢の子を育てる黒人女性(ハル・ベリー)と

いがみ合う隣人(ダニエル・クレイグ)の物語。

 

おもしろい・・・・・・んですが、なんとも言えなすぎる(苦笑)。

文法が違いすぎて、簡単には理解不可能というのでしょうか

普通に想像する「イイ話」とか

予想を全然超えてくるんですよねえ(笑)

 

冒頭、15歳のアフリカ系アメリカ人少女ラターシャが

謝って射殺された事件からはじまり、

 

ミリーがなんでこんなに大家族なのか?

憎みあってた隣人(ダニエル・クレイグ)がなぜ、子どもたちを家に入れたのか?とか

あまり「段階を踏まず」にトントンと進むので

ワンシーンまるまる飛んでしまったかのような唐突さがあったりする。

 

 

それでも、92年のロス暴動がなぜ沸点に達したのか、

あのとき何があったのか?の臨場感は抜群。

 

その騒乱のなかで

たぎるような人間の生や勢いが、生々しく濃縮されていて

とても87分とは思えない濃さがありました。

 

文法とかよりも

「心が動いたそのとき」の感覚を大事に表現したい。

そんな感じかなと思いました。

 

★12/15(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国公開。

「マイ・サンシャイン」公式サイト

コメント
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