のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

道立近代美術館 9

2009-09-19 | 小説 忍路(おしょろ)
何人かで美術館に行くと、たいてい私は気に入った作品の前で動かなくなる。相手のことを忘れて絵に没頭してしまう悪い癖があった。気付くと私一人が取り残されていることが常だったのだが、この日も私は片岡球子の富士の前で自分を失っていたのだった。それがどれ程の時間だったのか分からなかったが、ふと我に帰ったとき、里依子は私の横に立って熱心に絵を眺めていたのだ。  それをどのように表現しても、その時の里依子 . . . 本文を読む
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