のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 3

2009-09-29 | 小説 忍路(おしょろ)
里依子は、一緒に行きたいという私の気持ちをかたくなに拒んだ。  「せっかく来たのだから、札幌を見て帰ってください。」  彼女はそう繰り返した。その時の里依子の表情に私は悲愴の影を見た。それが私の心をえぐるのだ。とたんに里依子の心が閉ざされたように思われた。たとえ私のことを慮って言ってくれた言葉であったとしても、私にはそれが言い訳のように聞こえ、そのたびに自分の胸を押し潰すのだ。  とある交差 . . . 本文を読む
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