*「魁!!女塾」*

京都でギターを弾いています。

ダサい奴にならんといてくれや

2024年04月29日 | blog

きのう、テツという友だちのライブに行きました
10代の頃のバンドメンバーです。

18からハタチくらいまで一緒にやっていて
(お互いギター)
そこからは、ずっと会っていなかったのです。


当時はふたりとも ド下手くそだったけど
テツは、ほんまええギター弾きになってた。

ステージの上でサウンドがうねって
波動みたいなものが渦巻くのを感じた。
そういうのは全てのバンドにあるわけではないし
あまり見ることはできない。
プロのバンドにだって、ないときはない。
そういうものを見たくて、ライブに行ったり自分もバンドをしてるのだと思った。


昔、テツに言われたことで
すごく印象に残っている出来事があります。


わたしは22歳の頃
いちどバンドをすっぱりやめようと思ったことがあります。

いま思うと、若くて考えが幼く、精神的に弱かっただけなのだけど
ひとり暮らしで、アルバイトで生きていく生活に疲れたのだと思います。

(「いちご白書をもういちど」の歌詞のような感じ?
とにかく、いま思うと、何も白黒つけてやめる必要なんて全くなかったのです。)


若くてアホなわたしは、
もういらなくなるギターとエフェクターボードを
手放そうと思った時
大事だったギター、中古屋さんに売るくらいなら、アイツもらってくれないかと思い
ギターと機材を全部持ってテツの住むアパートに行きました。


もうバンドやめる。
迷惑じゃなかったら、全部、あんたにもらってほしい
と言いました。

ふだんよくしゃべるテツは黙ったあと
そうか、、ほな俺が使わせてもらう

とうなづきました。


わたしはその後、就職し会社員になりましたが
カッコ悪いことに、バンドで自分らの曲を作る生活に戻りたい気持ちが日に日におおきくなりました。


最悪にカッコ悪いこと承知の上で
意を決して、再びテツのアパートに行きました。


やっぱりやめきれん。
最悪にカッコ悪いけど、ギターもういちど私に戻して欲しい
と頭を下げると
テツが激ギレしました。



こんなようなことを言っていました
↓↓



おまえなぁ!!!
俺があの時どんな気持ちやったかおまえにわかるんか

俺はギターなんも弾けんかった頃
おまえが弾くのを見て、ギター弾けるようになったんやぞ

だからこそ、そのお前がギターやめる言うてきた時
お前がそう言うんならよほどの決心なんやと思って黙ってうなづいたのに
それをなんやお前、
かんたんにくつがえすんちゃうぞ
お前はそんなダサい奴に頼むからならんといてくれや



テツはひとしきり激ギレしたあと黙り
感情的になってすまんかったなと
玄関にそのまま置いてあったギターと機材を返してくれました。


それ以来、一度もやめようとか思ったことはありません。



それから数年後、地元に帰ったのでテツとは20年以上会っていませんでした。
久しぶりにあったテツは、ずっとバンドをやっていて
わたしもずっとやっていて、
昨日はライブ後
「おまえのバンドと今度対バンしよーや!」
「うん、絶対な!」
と言い合って、手を振って帰った。

いまでも最高のダチやと思っている。


 

 


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