達川監督時代・・・二岡をドラフト寸前で巨人に横取りされ
大慌てで方向転換を強いられたカープ。
次に狙いを定めた・・・古木や吉本に ことごとく断られ
当初は3位以下の指名を考えていた東出を1位に・・・
失敗のドラフト・・・と言われたものだが、
そのとき・・・松田元氏は強がった。
「10年後を見てほしい。二岡でなく東出でよかったと言われる時代が必ずやってくる・・・」
そう言ったものである。
さて時代は流れ現在・・・
東出はカープのレギュラーを確保し、いまやチームリーダーになろうとしている。
二岡・・・故障も多く、スキャンダルや坂本の台頭により巨人に見捨てられ、日ハムの右の代打の切り札になるも、勝負強さは健在。
古木・・・横浜からオリックスに行くも守備の拙さから気がつくと解雇。その後 流転の人生を歩み、再度野球界に転進をはかるも 声はかからず・・・
吉本・・・九州の怪童も、ダイエーに入団するも結果が出ず戦力外・・・その後ヤクルトに請われるが、またも戦力外・・・今回のトライアウト受験するもいまだ声はかからず・・・
この1999年度のドラフト1位・・・
間違いなく東出に軍配があがったものである。
松田オーナーの言ったことは、間違いなかった。
さて・・・その東出。
ここ数年、自主トレで多くの選手を引き連れ始動をはじめている。
はたから見れば人望があるように思えるのだが、ファンからすれば いまひとつ・・・東出のプレーに?がつくだけに、果たしてどんなものかと思ってしまうのも事実。
東出は入団当初は、高橋慶彦の再来か・・・と期待された選手である。
背番号も46番から すぐに2番に変更したのを見れば、球団の期待も大きく将来を嘱望されていたのがわかる。
最初はショートを守っていたが、体力的なものか プロの目から見ると厳しい批判にさらされて自信を失った感じがした。
横浜のヘッドコーチに就任した当時解説者の高木豊氏は、「東出をショートに固定する限り、カープは強くならない。彼のようなタイプはセカンドにするべき」と放送で語り、後に達川監督に進言したようである。
山本浩二監督時代・・・なぜか東出は完全に干され、一軍ベンチにも入れない状況が続き、トレード要員とも噂された。この時代・・・東出は多くのファンから、存在自体をわすれられたようでもあった。
もう完全に終わった・・・と思われた東出に 転機が訪れたのは
マーティー・ブラウン監督の就任であった。
マーティーの最初に行ったミーティングで、一番マーティー野球を理解したのが東出で、そのことがレギュラー獲得に大きな礎となり、マーティー時代には不動のレギュラーのポジションをつかみ、今日までの歩みとなっている。
しかし東出の誤算は・・・野村政権になり、一番に固定されたことに思える。
一番打者として出塁しても、盗塁しない選手としてのイメージが定着したこと。
これが東出の誤算にみえる。
走塁センスはあるのだが、盗塁に関しての嫌らしさを全く感じさせない。
これはチーム事情と一言でかたづけてしまえば それまでであるが、東出の持つよさを消してしまうほど 大きなイメージダウンである。
ベンチから東出に・・・「走るな」と言われているのかもしれないが、今年一年見る限り
カープ野球がつまらなくなった原因のひとつに思える。
契約更改で時間の大半をチーム改善に費やしたと言った。
そこまでフロントに言えるのは、チームリーダーの素質を感じさせる。
しかし・・・多くの選手を引っ張っていくのであれば、さすが東出と思わせるプレーをシーズン通してやらなければ、真からの信頼を得られない。
来期もチーム事情により、東出を一番にそえる打順であれば カープの躍進は期待できない。
「カープを優勝争いできる体勢にする。そのためにみんなで一丸になる」と頑張る東出が、裸の王様にならないような体勢作りを 野村監督には是非やってほしいものである。