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葛飾区で きもの着付け教室をおこなっています
着付け教室の様子や出張着付けの様子、日常のあれこれを綴っています

着物で自転車

2012-09-02 | きもの ちょこっとばなし
前回「銘仙」のお話をしましたが

その調べ物をしている際に見つけました面白い本の紹介を致します


「天使突抜け一丁目」(てんしつきぬけいっちょうめ)という本です

由緒正しい(?)京都の住所だそうです

   


銘仙の着物を着て、帽子をかぶって自転車で京都の町を走る

マリンバ奏者の「通崎睦(つうざきむつみ」さんの本です

銘仙を着た写真がいっぱい掲載されていて

個性的で色々な物に通崎さん独特のこだわりがうかがえます


子供の頃からの着物とのかかわり、京都の生活

着物や色々なものへのこだわりなどがつづられています

そして表題のように、着物を着て自転車に乗り走り回るのだそうです

着物で自転車…

本当をいうと私も、できる事なら着物を着ていても自転車で走りたい…

しかし…


先日浴衣を着て自転車に乗っている若いお嬢さんを見かけました

私には何の違和感もなく見えましたが、他の方が見るとどう思うのでしょうか…

若いお嬢さんだから… と皆さん思うのかもしれません

いい年(?)をした私が着物を着て自転車で飛び回っている姿はどうでしょうか…

悲しいかな やっぱり人の目を気にしてしまいます

自分が快適ならそれが一番… とは思うのですがやはり…

ちょっと大人なおしゃれ着の時は我慢をして

元気な普段着の時はちょっと試してみようかしら…



読み進めていくと「そうそう、そうなのよね~」と思うところがありました

夏の時期に、Tシャツに短パンという出で立ちに男物の生成りの小千谷縮を羽織った際に

脚が透けて見えてしまい、どうしたら… と考えた末にステテコをはく事にしたようです

その時の事を文中から抜粋します

  ステテコをはくというのは、なかなか妙な感覚である。
  おじさんの代名詞のようなステテコをはくと自分もおじさんの気分になる。
  ステテコの上にたっぷりとした白っぽいシャツを着て、くだんの着物を羽織ってみる。
  まる。これはいける。
  早速、このコーディネートで町に出た。
  ステテコのおかげで気分はすっかりオトコだ。
  「丸善」で万年筆のインクを物色していると、三文文士のような気分になってくる。
  夕食には、大根の味噌汁が似合いそうな気がして、帰りには八百屋さんで大根を買った。
  新聞紙に包まれたその大根が、恥ずかしいくらいこのコーディネートに似会い、
  さすがにちょっと照れた。

ここのくだりが私はとても気に入りました

着物を着た事のある方でしたらこの感覚は良く分かると思います

着た事の無い方でも、ヒーロー映画を見た後、自分がヒーローになった気分になるのと

同じ感覚だろうと思います

最後の さすがにちょっと照れた というのも作者のとてもかわいい

シャイなところが見えた気がします

私も着物を着始めの頃は特に そんな気分だったのを思い出し

ちょっとくすぐったくなるような、懐かしいほんわか気分になりました



また別の内容ですが、古着屋で買った帯が1926年の当時の構成主義 牧嘉雄氏の

デザインによるものというのがわかった様なのですが、古着は古着ですけれども

出所がわかると、めぐりめぐって自分のところにやってきた事に何かの意味が

あるのでは… 大切に使ってあげよう… という気になるのではないかと思います


私は古着が良いとか、自分にしつらえたものでなければ とかいう思いはありません

どちらにもそれなりの良さ、あじがあると思います

着る方の考え方、好み、状況があると思いますので、それぞれの好みで

その時々の気分に合った着物で楽しむ事が出来ればよいと思います


今回は長くなってしまいました

最後までお付き合いありがとうございます



きもの着付け 葛飾教室
いそいそきもの
http://isoisokimono.com/

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