私がまだ着物に興味がなかった頃ですが
母が、北海道から本州へ嫁ぐ娘の 私の為に着物を数枚揃えてくれました
一つ紋の色無地、付け下げ、小紋
絽の一つ紋色無地、袷の喪服と絽の喪服 それらに合わせた帯
長襦袢も白の袷の時期のものと、絽の襦袢とおしゃれ着用のもの
雨コートもありました
その頃私は、着物の事は何もわかりませんでしたので
母が着物屋さんと相談をしながら仕立てたのだと思います
そのような話も 私には一切ありませんでした
おそらく、「そんなの揃えなくてもいいよ~」 と私が言うのをわかっていたのでしょう
母からすれば、嫁ぎ先で肩身の狭い思いはさせたくない
と思ってのことだと思います…
そう思うと ちょっと目の奥が熱くなります…
若い娘はかわいく… という母の思いはわかりますが、ピンク系…
母も今では 「失敗したね~」 と言っていましたので
おもいきって 一つ紋色無地の染めかえをしました
ピンクが染めかえる前で、右が染めかえた後のものです
濃いめの藍色です
せっかく母が紋付でつくってくれたのですから 紋は残しました
手持ちの袋帯と合わせてみました
華やかな結婚式などでも ちょっと落ちついた雰囲気で演出できるかな~ とにんまり…
最近は、お悔みの席では親族の方々だけが喪服の着物を着る という事が多いようが
参列者も着物を着てもかまわないのですから
そんな場合でも この位の光沢具合でしたら対応できるかなと思います
母にも写メを送って見てもらいましたら 「いい色だね~」 と喜んでくれました
母が喜んでくれたことが とってもうれしいです
他も やはりピンク系ですので、染めかえたいと思うのですが
染めかえる為には、ほどいて 洗いをして 染めをして
又仕立てるわけですから 料金は安くはありません
リサイクルの着物や、アンティークの着物で
少々汚れがあったりとか、ちょっと裄が短いけれども 安いし とても気に入ったので
ちょっと直して… と購入する方もいらっしゃると思います
ですが、先ほどもご案内をしましたように 安くはありません
お金をかけるに値するかどうかを考えてから お直しを行う事をお薦めします
私も 他の着物は、余裕ができた時に少しづつ直していこうと思っています
それもまた着物の楽しみかな と思います
因みに、着物を揃えていないからと 嫁ぎ先で負い目を感じることは 当然ありません
北海道の田舎ですから、昔ながらの思いがあったのだと思います
親として できるだけの事をしてやりたいとのことですよね きっと
ありがたいですね
で、もうひとつ…
送った写メを見た母が、まず開口一番「いい帯だね~ 」 へっ! そこっ!?
着物を染めかえたって言ってるのに~ やっぱり的の外れた、ちょいぼけな母でした
間違いなく 血は受け継いでますが…
いそいそきもの
きもの着付け 葛飾教室
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