5.29 小出裕章講演会
「破たんしている原子力 それでもしがみつく理由」
小出裕章講演会 5月29日(日)
東京・星陵会館 主催 実行委員会(ユニオンネット平和センター)
小出裕章さん講演(趣旨)
原子力は何の為に必要か?
政府の主張は、みんな全部ウソだった。
二酸化炭素
今、支配者は、地球の温暖化の原因は二酸化炭素だけにしている。原子力は二酸化炭素を出さないと言う。この「二酸化炭素濃度増」をすべての原因にしていることのウソの危険性。しかも、フクシマ事故、溶け落ちた炉心(デブリ)の取りだしは100年経っても取り出せない。事故処理も大量の二酸化炭素を出し続けている。ウランを発掘する時も膨大な二酸化炭素をだしている。しかも二酸化炭素は悪くて、「死の灰」は良いのか。仮に二酸化炭素が地球の温暖化だというのなら、原子力だけはやってはいけないはずだ。
地球的危機
大気汚染、森林破壊、酸性雨、砂漠化、産業廃棄物、生活廃棄物、環境ホルモン、マイクロプラステック、放射性汚染、さらには貧困、戦争などの人類的危機に瀕している、これらはいずれも人間の際限のない欲望が生み出した大量生産、大量消費の結果であり、二酸化炭素などもともと関係ない。二酸化炭素も原因の一つかもしれないが、それだけに目を奪われてはいけない。真に求められているのは、際限もなくエネルギーを浪費する社会の廃止と低エネルギー社会が求められている。
原子力マフィア
巨大な利権を好き放題にしてきた原子力マフィア。犯罪者集団。自民党ら政党、官僚、電力会社、原発産業、ゼメコン、労働組合、学界、マスコミ、広告会社など強大な権力組織。彼らはフクシマ事故を起こしても誰一人責任を取らない。かれらは原発を作る時に大儲けをして、事故が起きれば「除染」で大儲けをして、今また「復興」と称して大儲けをしている。かつての戦争の時の産業翼賛会そのものだ。全部が一体。裁判所も全員無罪とした。一番悪いのは国だ。彼らのフクシマ事故の教訓は、「どんなに悲惨な被害を出しても誰も責任を取らずにすむ」だ。
世界の核兵器保有国以外で、核兵器製造の中心3技術(ウラン濃縮、原子炉、再処理)をすべて保有している国が世界で日本だけだ。今、日本では長崎原爆4000発を作れるプルトニウムを保有している。しかも、日本政府の公式見解は「核兵器を持っていい」「核兵器を使用してもいい」だ。
「武力をもって現状変更」米国の戦争
2001年にアフガニスタン、2003年イラク、2011年にはリビアを米国、NATOが攻撃し、政権を転覆して民間人を大量に虐殺した。日本はその侵略を支持し、自衛隊を送った。フセインを、カダフィを殺しても米国は謝りもしない。「武力をもって現状変更は認めない」としきりに日本政府は言っているが冗談ではない。「武力をもって現状変更」をしてきたのは米国ではないですか。日本政府もマスコミもその尻馬に乗ってきた。今も、まさに、イスラエルはパレスチナへを侵略し民間人を殺し続けている。米国はそのイスラエルを公然と支持し日本のマスコミも無視している。
私(小出)は、ロシアのウクライナへの戦争に反対です。日本政府もマスコミも、ロシアのウクライナへの戦争に反対するのであれば、すべての戦争、軍事行動に反対すべきです。
ウクライナ戦争と原発
ウクライナ戦争で原発への攻撃があった。大変心配した。戦争で原子炉が攻撃されると大量の「死の灰」が飛び出してくる。日本の57基の原子炉はどこでもその恐ろしいほどの放射能汚染の危険性を持っている。戦争で原発が狙われたら打つ手はない。ミサイル攻撃されたら終わりです。守りようがない。フクシマ原発は炉内のたった2%の死の灰の汚染であれだけの被害がでた、もし100%の死の灰の汚染ならば、最悪の途方もない被害がでる。
今多くの人は、軍備を強化しようと言い出し、安倍元首相は、核を米国と共有しようと主張している。冗談ではない。本当に戦争の事を心配するなら、まず原発を止めなきゃいけない。そのことを一番初めに考えるべき。
今回の戦争を誰が仕掛け、誰が笑っているか?
軍事産業だけが大儲け。戦争を待っている。圧倒的に軍事産業大国米国、戦争の元凶は米国、明らかです。
なすべきこと、「軍事同盟」をなくすべき
今、「安保条約解消すべき」は国民のたった1%。大変厳しい状況。この国が戦争に墜ちていくことをなんとしても阻止したい。だからこそ自民党を倒さなければいけない。