翌17日、広島では、降り方は強くないが雨足に切れ目がなくなってきた。
午前8時 午前6時の天気図作成
台風の位置は昨日より確実に北上。移動状況から判断すると、台風は四国へは行かず、九州南部に真っ直ぐ進んでくることは確実。速度は速まっているように見えた
中央気象台は新たな予想として、17日夜半頃九州南部に達する見込みという発表をしており、上陸予想時刻をかなり早くしていた
そうなると広島地方も、今夜から荒れだし、18日朝には暴風雨になることも覚悟しなければならない
秋の台風は迷走しないで直接やってくる。この長雨に台風がまともにやってくれば洪水。気圧はわずかずつ下がり始めている。台風が九州南方にいるうちから雨が強まっている。雨が心配。白井技手は尾崎技師に相談
尾崎は気象特報を出したいという白井の申し出を認めた
広島管区気象台は17日午前10時に「台風接近にともない今夜から風雨強くなるべし」という気象特報を出した。同時に鉄道機関に対する鉄道警報を発令した
発令したといっても、関係機関に直ちに電話で通報したり、ラジオで住民に知らせたりする体制ができていたわけではない。気象台の電話回線はいぜんとして復旧していなかった
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