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福田和子・第七回公判・殺害動機は金ほしさからではなく、計画的でもなかった

2021-09-07 13:05:58 | 日記
♦️弁護人の被告人質問

児玉弁護人
■第一点
「公訴事実では『被告人は金銭に窮したことなどから、知人を殺害して金品を奪おうと企て』となっていますが、これは殺害の動機とか計画に関するものですか?」

和子
「お金には困っていたとは思いますが、それで被害者を殺してまでという程困っていなかたし、計画はしていなかった

■論告
被告人は1979年からサラ金から借金を重ね、ほとんど返済を果たせないまま負債による窮状を省みることなく、1982年6月23日頃にエリカを退職後も、仕事に就くこともなく、萩原と密会するなど放縦な生活を送り、犯行時には、サラ金など総額197万8687円もの負債を負っており、その返済状況を見ても、借りられなくなったためかO市の友人名義でサラ金3社から50万円、従姉妹からはサラ金6社97万円を借金していることが認められる

■弁論
現在でも当時でも、200万円程度の負債では、破産宣告を受けることが困難な金額であり、強盗殺人の動機たりえる金額ではない

亜米利加亭では1ヶ月足らずで40万円余りの稼ぎをした実績があり、たくましい能力があった。現に当時交際していた萩原が転勤してM市を離れる機会に働く予定であり、切迫し、追いつめられた精神状態であったとは解せない。サラ金の返済も滞っていない

■第二点
「1982年8月19日に『Gビル703号室において、同所にあった帯締めで被害者の頸部を絞め窒息死させ、殺害した』という殺害の手段、方法に関するというところなんですが?」

「合っています」

■第三点
「『午後8時から午後10時までの間、夫他1名とともに同所から、被害者所有の現金13万20円、その他を搬出して強取した』と、犯罪の結果に関することですが、間違いありませんか?」

「間違いありません」

「結局、公訴事実の知人を殺害したという犯罪事実のうち、動機とか計画に関する部分は否認すると、こういうことですか?」

「はい」

「亜米利加亭をやめてから、1982年7月に、被害者のマンションを訪ね、共同経営の誘いをした、ということになるわけですか?誘った時の話ね内容は?」

「萩原との付き合いが最盛期のとき、摂津の転勤先まで追っかけていきたいと、バカな考えを起こす程でした。この鬱積の捌け口、また心に楔を打てるものをと、私は探していました

友人の美加が「権利金も敷金もいらず、すぐ出せる店があるんよ」と以前言っていたのを思い出し、店を持つことを漠然と考えるようになった

そこへ美加が「この前、花ちゃんが海外旅行から帰ったとこやゆうて、彼氏と飲みに来とったんよ」と聞き、そういえば花ちゃんも独立したいゆうとったなぁ。彼女なら亜米利加亭でもナンバーワンだったし、月に100万円前後の収入もあると聞いた。一緒にしてくれるといいなぁ
と、共同経営への夢が膨らんだ

「そうだ花ちゃんに聞いてみよう」
7月上旬彼女のマンションのチャイムを押した。台所の奥に通され、その部屋には古いテレビ、紫檀の一面鏡、クリスタルのテーブル、布製のソファーがあり、その他の余計な装飾品は一切なく、倹約家の一面を見た

私は頃合いを見計らい「花ちゃん、花ちゃんは独立する気はないの?」と切り出すと、「そうやねぇ、そう思ったこともあるけど、今は車買うて、お金がないんよ」
(あっ彼女は気があるんだ)
「花ちゃん、権利金も敷金もいらん店もあるんやとぉ」と私は彼女に向き直り同意を求めるよう力説した
「あら、そう、そんな店があるんなら、すぐ出せるねぇ」

そう言うと彼女は亜米利加亭も休みがちで、今はナンバーワンは千恵ちゃんだと言い、そこへポメラニアンが顔を出し「この犬病気なんよぉ」と彼女は眉をぎゅっと寄せた

彼女は暗い空気を破るように「ビールでも飲もうか」と台所に立った。帰り際に彼女が私をマンションの非常階段のところへ手招きし、「ほら、あれよ、あの白い車。今度一緒にドライブに行こう」と、華やかに微笑み、「車代よ」と2万円握らせてくれた

■弁論
被害者の反応はよく、必ず共同経営を承諾するだろうという強い手応えを感じた。しかし、実際には被害者は乗り気ではなく、被告人の思い込みであった






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