■検察側情状証人
被害者の実弟が出廷
★木崎検事
「この法廷で福田和子の態度を見て、あなたはどう思いますか?」
反省の気持ちが、ひとつも見られませんでした
「被告人福田和子に関しては、どのような処罰を望まれますか?」
、、死刑にして欲しいです、、
■論告
被害者は、子供の頃から優しく親思いの性格であり、弟妹の面倒をよく見て、家業の手伝いなども積極的に行い、両親に孝養を尽くしていた
近い将来ホステスをやめ郷里に戻り、両親の近くで暮らし、実弟らと喫茶店を経営することを夢見、開業資金を貯めるべく必死に働いていた
事件発生の直前である
1982年8月14日から16日にかけても実家に帰省し、元気な様子を見せて「お母ちゃんまた帰るからね、元気にしときや」と優しく声をかけてきたものである
被害者は事件当時はまだ31歳の若さであり、自らの努力で築き上げてきた生活や、将来の夢を一瞬にして奪われ、金や財産欲しさという被告人の身勝手極まりない動機により、一方的にその犠牲者とされ、狙われ、惨禍に遭遇させられたものであって、その痛恨の念は想像を絶するものがあり、被告人の刑事責任は極めて重大である
被害者の遺族、とりわけ両親においては、手塩にかけてきた愛娘を奪われたばかりか、見るも無惨な姿にされてしまったもので、その怒り、悲しみ、無念さは筆舌に尽くし難く、察するに余りあるものがある
■裁判長の被告人質問
「当日は、どんなことに君が腹を立てたわけですか?」
最初7月に彼女のマンションに行ったときは、もう店のことは、彼女に言っとったんです。8月19日に行ったのは、私も9月から働こう思ってましたので、彼女の返事次第では、働く場所を変えなきゃいけませんのでね。で、長い間行ってなかったしと思って、ふらっと行ったんが間違いでね、、、
「8月19日は、ふらっと行ったのか?」
はい、、
「被害者のどういうことに、君が立腹したのかね?」
無言(黙秘権)
「君が立腹したことは、間違いないんか?」
はい
「死体の梱包状態から見ても、これはただごとではないような梱包の仕方にしか、印象受けないものだったからね。君はどれほどの立腹を、どういう原因でしたんかな、ということを改めて聞いておきたいから」
■和子話し出す
最初に二人が話ししたのは、普通の会話と、お店の話の会話をしたんですが、その後は、、
ちょっと言えないです
で、その後彼女から「萩原さんのような、お金のない人といつまでも付き合わないで、早く別れたらどう?」って、、、
私はそのとき、「そんな話で来たんじゃないよ、お店の話で来たんだから」と言ったんです。そのときは彼女は私の横にいたんです(ソファーに二人が一緒に座っていた)
そして一緒に飲んだんです
そしたらその時、電話が鳴ったんです。花ちゃんは電話に出ませんでした。ベルが10回位鳴ったんですけど
二人押し黙ったままおったんです
で、花ちゃんに「私は今日はそんなんで来たんじゃないんだ。この前のお店の話の返事を聞きに来たんよ」
と言ったら、そしたら
「あんたも、お客さん持っとるんやから、一人でしたらいいやないか。私はママに義理もあるから、店はやめられんわ」って言って、鏡台の方に行ったんです
鏡台の方に行って私に背を向けましたので、私が「そんな言い方ないやろ。花ちゃんがこの前いい返事してくれたから、私がこうして訪ねて来たんであって、そんなんじゃったら最初に、いやや言うといてくれれば、自分でも仕事探しとったのに」と愚痴ったんです
そしたら、彼女は鏡台の引き出しから財布を出しましてね。鏡台の引き出しから。で、私の方に財布をぽんっと投げたんです。「車代ぐらいやったら、持って帰りっ」て、、
そう言って、また鏡台の引き出し開けて、ヘアブラシを出して、そして、私に背を向けたまま足組んで、ヘアブラシで髪をといて、髪を揺らして、頭を左右にゆらして、、
ふけを落としたんです
そのときにものすごく腹が立ちましてね。もう、、、、
それで目の前に、彼女がリンゴをむいた時の果物ナイフがあって、それをとったんです
私はあの時、彼女の後ろ姿を見とったら、もう体中が火になったような気がしましてね、、、
立ち上がって、、
すぐ花ちゃんが気付いたんです
「バカみたいな真似をして」って
そう言って、振り返って
私の持つナイフを取りに来たんです
そして、揉めた時に、手を怪我させたんです。ナイフは私の手にあったまま、彼女にティッシュをあげて、、
彼女は「こんなまねして、警察にゆうてやる」
私は困るので「ごめん、こんなつもりで今日来たんやないから。警察だけはこらえてください」ってソファーんとこで、土下座して謝ったんやけど、怒ってて、、
「あんたは、こんなことして!
私が警察に言うたら、西山部長や荻原やって、もう終わりや」
言うたんです、、
私はカッとして、彼女に
「あんただって人のこと言われんじゃない」って、掴みかかって行こうとしたんですが、私は下に正座して座っとったんで、彼女の方が早くて、右足で胸んとこ蹴られたんです。私は引っくり返って
そして、、、
あの時、あの子が
「お店をするんなら、あんたとなんかしないで、一人でするわ」って言ったのが、最後の私の聞いた言葉でした
帯締めは、床にありました
転げて、私が体を起こした時に左側に見えたんです。わたしがはって行って掴みました
【和子心中、、なんで、、あの日あの時、帯締めがあり、私の目にとまったのだろう、、】
■裁判長に遺族あての謝罪を諭される
「君は遺族あての謝罪とか、そうゆうものは一通もないんだけれども、それはどうしてですか?判決あってから出すんじゃなくて、遺族にどう思われようと、君に謝罪の気持ちが本当にあるのなら、出しても当然ではないかと思われますけれど。マスコミのことは頭に置かなくていいですよ。裁判所から見ればね」
【和子心中、、私が間違っていた】
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