中学生
母はハーモニカ横丁に店を持った
この頃から母は男勝りと上昇志向に拍車をかけ、臨機応変に嘘をつく、厭な女になっていった
店から百メートル離れた路地裏に三部屋ある借家を借りて住んだが、店が近く住み込みの女給もいて、人の出入りが多かった
朝は眠る女給や、見知らぬ男をまたぎ、朝食を作り登校。昼はパンを買い、下校しても母は店の支度に忙しく、夕食は出前か、お好み焼き屋の常連だった
母は時折母親だということを思い出すのか、見栄なのか、日舞、ピアノ、お花、習字、そろばんの塾をさがしてくる。着るものもオーダー品だった
母は感情優先で一分一秒で聖母と鬼母に変身したから、人の顔色を見るのが巧くなった
我が家は修羅場だった
愛憎、策略、憎悪、睦言、痴話、虚勢、、この世の煩悩の全てが脂粉にまみれて乱舞している。私は平静を装った
中3の終わりに、母の勝手な思いやりで、K市の祖父母の元に預けられ、地元の県立高校に入学した
高2の時、また勝手な母の思いやりでH市の母に引き取られ、転校した
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