明日を知りたいって思うのは
いつもの事だろう
あれこれ準備をしながら
いちにちをなぞってみる
その時にしかないことが
次々と襲ってくるけれど
それが未来
想像を超えていくのだ
良くも悪くも今は分からない
期待と不安がシーソーしながら
心も体も大きく揺らし
上がったり下がったり
眠る時間が今日を追い越し
すぐに新しい今日に会える
思い出にするには深すぎて
重なり続けて厚みを増す
すべて自分が作り上げた
思い込みの感情だけど
ひとりずつの心の中は
唯一無二に違いない
並んで空を見上げても
高さが違う温度が違う
雲の形も風の匂いも
同じものはないのだから
ましてや思う心など
見えない聴こえない
己の心も分からずに
相手の思いははかれない
相手の目を見て話しを聞いた
うなづく隙もないままに言葉が続く
瞳の中に自分が見えた
もっと神妙な面持ちで映ればいいのに
どこか冷静なまばたきが自分を責める
聞き上手になれと教わって
わがままな自己中をごくりと飲み込む
ドッジボールみたいな会話を受けて
ニヤリをさけて身をかわした
誰の声?
いつもの笑顔見せてって
歌ってる
輪唱みたいにいつまでも
終わらないハーモニーで
作り笑顔でも
写真用のポーズなら
いつでも笑って見せるけど
思わずもれた表情が
今の本当なら仕方ない
いつも笑顔とは限らない
明日を夢見ていたいけど
今日をほめて終わりたいけど
いつもそうとは限らない
だけど
今泣いた私はもう笑ってる
今聞いた歌は心に残ってる
悲鳴にも似た風が
屋根の高さを過ぎたから
同じ目線でその声を聴いた
温度差が辛いのだろうか
何かを追いかけているのだろうか
白い雲も形をなくし
目印のない寒空に
ただヒューッと過ぎていく
冷たい空気におおわれても
両手を温める息がある
凍える心を見つけても
すくいだす音がある