思い出すための能力は
心に積もる淋しさが止めた
思わず笑顔になるような
嬉しいことがあったのに
1秒持たずに真顔になった
ゆるキャラの
変わらぬ表情に癒されても
撫でるそばから虚しくなった
過去が私を呼ぶから
振り向いただけのつもりなのに
後を付いてしまった
とぼとぼと音が聞こえそうな
ためらいがちの歩幅でも
深みにはまる日が落ちる時
雨雲よりも暗い影が
光の中で踊るのは
太陽に愛された喜びと
偽りのない形だから
形も色も無いモノを
見たいと思う未熟さと
知りたいと思う無邪気さが
影を見つけることはなく
太陽に向かえば眩しくて
風に乗る雲を追いかければ
道を見失い途方に暮れる
それでも夜空の星が導く
影より暗い大空の中
太陽に愛されたしあわせと
それを放つ明りを知るから
まつ毛一本分のキズが泣く
涙がしみるのだろうか
棘のように刺さるのだろうか
風に吹かれる草のように
根付いた強さは見せずとも
流れに任せるやさしさがある
芯が強いと人は言う
しなやかさで倒れなくても
その強さで折れることもある
たったいちにち
立ち直る時間があるのなら
元通りがいいのだろうか
初めに戻ることはなく
すべてが新しい始まりなら
涙を拭いて空を見上げる
今日のいちにちを
知っているのは自分だけ
これだけの人が生きていて
数えきれないその時があっても
知っているのはひとりだけ
心の中に住む人も
手を放した瞬間に
別の世界で生きている
束縛を嫌っても
自由を望んでも
心の中だけは満タンにしたい
ふくらみすぎて穴が開いたら
しぼむ辛さを嘆いた後に
もう一度周りを吸い込んで
新しい空気で満たしてみよう
知らない世界を見てみよう
今どきは使わない言葉でも
気持ちにピッタリ寄り添えば
心の中でそっとつぶやく
辞書を引いてもわからない
答えがたくさんありすぎて
言葉の持つ意味と内容
無理やり当てはめてみたけれど
自分にだけしっくりこない時
もやもやだけが膨らみ残る
時代が変われば見方も変わる
わかちゃいるけどこの場所で
この身ひとつの処理能力
分かり合えるも分かって欲しいも
追いかけながらもつかまらない
逃げているのはどっちだろう