【レ・ミゼラブル】
一切れのパンを盗んで逮捕されたジャン・バルジャン(Jean Valjean)は何度も脱走を計って19年間入獄、社会への憎悪を抱いて出獄する。一夜の宿を借りた司教館から銀器を盗むが、ミリエル司教の慈愛に触れて回心し、以後は愛と献身の生活を送ることになる。
数年後、マドレーヌと名を変えた彼は工場経営に成功し、慈善を施して人望を得、市長にまでなるが、彼を前科者と見抜いた刑事ジャベールに執拗(しつよう)につけ狙(ねら)われる。そのころ、まったくの別人が彼の身代りに逮捕されたことを知って、地位と財産を捨て名のり出たことから、ジャンはまた振り出しに戻るがふたたび脱獄。不幸な娼婦(しょうふ)ファンティーヌの遺児コゼット(Cosette)を探し出し、かねてからの約束を守って引き取り、ジャベール刑事の目を逃れながら、りっぱに成長させる。
コゼットと共和主義者マリウスの愛を知ったジャンは、市街戦で負傷したマリウスを背負ってパリの巨大な下水道をさまよい、王党派の追跡を逃げ切る。彼はこのときジャベールの命も救ったが、法の非情な番人だったこの刑事は人間愛との板挟みに悩んで自殺。コゼットはマリウス(Marius)と結婚する。ジャンの前科を知らされたマリウスは一時妻を養父から遠ざけるが、やがてその献身の生涯を知り、駆けつけて不明を詫(わ)びる。ひとり死の床にあったジャンはいまや愛する者たちにみとられて幸福な最期を迎える。
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●映画では、ミュージカル版を「原作」としており、全編ミュージカル仕立てとなっている。原作はすでに「有名」であるので、解説の必要はないであろうが、映画なので「いいとこ撮り」となっているのは、仕方がない。この物語の底流にあるのは「真実の愛」である。ミリエル司教の慈愛、ファンティーヌの子どもコゼットへの愛、エポニーヌのマリウスに対する無償の愛、マリウスとコゼットとの愛、そして、ジャンの聖人としての愛、原作を読んでいなくとも楽しめる一大叙事詩となっている。
一切れのパンを盗んで逮捕されたジャン・バルジャン(Jean Valjean)は何度も脱走を計って19年間入獄、社会への憎悪を抱いて出獄する。一夜の宿を借りた司教館から銀器を盗むが、ミリエル司教の慈愛に触れて回心し、以後は愛と献身の生活を送ることになる。
数年後、マドレーヌと名を変えた彼は工場経営に成功し、慈善を施して人望を得、市長にまでなるが、彼を前科者と見抜いた刑事ジャベールに執拗(しつよう)につけ狙(ねら)われる。そのころ、まったくの別人が彼の身代りに逮捕されたことを知って、地位と財産を捨て名のり出たことから、ジャンはまた振り出しに戻るがふたたび脱獄。不幸な娼婦(しょうふ)ファンティーヌの遺児コゼット(Cosette)を探し出し、かねてからの約束を守って引き取り、ジャベール刑事の目を逃れながら、りっぱに成長させる。
コゼットと共和主義者マリウスの愛を知ったジャンは、市街戦で負傷したマリウスを背負ってパリの巨大な下水道をさまよい、王党派の追跡を逃げ切る。彼はこのときジャベールの命も救ったが、法の非情な番人だったこの刑事は人間愛との板挟みに悩んで自殺。コゼットはマリウス(Marius)と結婚する。ジャンの前科を知らされたマリウスは一時妻を養父から遠ざけるが、やがてその献身の生涯を知り、駆けつけて不明を詫(わ)びる。ひとり死の床にあったジャンはいまや愛する者たちにみとられて幸福な最期を迎える。
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●映画では、ミュージカル版を「原作」としており、全編ミュージカル仕立てとなっている。原作はすでに「有名」であるので、解説の必要はないであろうが、映画なので「いいとこ撮り」となっているのは、仕方がない。この物語の底流にあるのは「真実の愛」である。ミリエル司教の慈愛、ファンティーヌの子どもコゼットへの愛、エポニーヌのマリウスに対する無償の愛、マリウスとコゼットとの愛、そして、ジャンの聖人としての愛、原作を読んでいなくとも楽しめる一大叙事詩となっている。