「南アルプスと大井川」の展示が9月6日迄島田市博物館の特別展示室 で行われています。
博物館は大井川河川敷のそばにあり、閑静な場所ですが、島田宿の雰囲気がそのままに残っている立派な建物です。
日本の尾根とも言われる標高3,000メートル級の山々が連なっているその風景と、ライチョウやツキノワグマのはく製など南アルプスにしか生息しない固有の動植物など豊かな自然が紹介されています。
富士山に次ぐ日本第2位の高さを誇る北岳・間ノ岳など登山家にとっては魅力的な山々も、今年は富士山同様、登れず残念に思う人が多いでしょう。
常設展示室には、宿場町として賑わった江戸時代後期の大井川の様子、島田宿、川越しの様子や、川留め文化が紹介されています。
「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謡われるほど東海道の難所だったひとつ。
今は水がほとんどない状態ですが、かなりの急流だったため、雨が降るとたびたび「川留め」となったという大井川。
旅人が肩車や連台で大井川を渡っていた様子からよく解ります。
しかしそんな大井川の川留めがあったおかげで島田宿が発展したのだそうです。
博物館分館では「海野光弘版画記念館」が開設されていました。
黒地の版をベースにし、多色刷りして古民家や里山・農村といった日本の原風景を描いていますが、海野光弘さんは静岡市出身、39歳の若さでなくなられているのですね。
同じ場所に「旧桜井邸」があります。
明治時代(1900年)に建てられた古建築は2020年7月、新たに国登録有形文化財に登録されたそうです。
一階は伝統的な工法で骨太に仕上げられており、2階は茶室としても利用できるよう、繊細で落ち着きのある京都の数寄屋風の造りになっています。
樹齢300年と言われる大まきの木、これもすごかったです。
釣瓶井戸・手焼きガラスなど旧家の趣が溢れる建物にも感銘しました。
郷土の歴史を学ぶよい機会、時間があったら是非お出かけしてみてください。