なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いでいるのか?
このままでは、いずれ日本は財政破綻する。
そして、日本国債は暴落する。
こういわれるようになって久しいが、日本は一向に財政破綻しないし、日本国債
は一向に暴落しない。その兆しを見せたことすらない。
財政破綻も国債暴落も、「要因」がほとんどないのだから当たり前だが、いまだに
こう断じてはばからない人がいる。本当にわかっていない人たちは論外として、自
分たちの利益のために「あえて恐怖を煽っている人たち」もいるのだろう。
彼らは、データ的根拠や何をもって「暴落」とするのかを、示していない場合が
多い。このことからも、単なるイメージ戦略であることがうかがわれる。
では、誰が、どのような利益のために、財政破綻や国債暴落を主張しているのか。
一つは、財務省だ。ただし、これは表では絶対いわない。こっそりと裏でいう
のである。
まず前提として、財務省は一貫して「増税派」と思っておいて間違いない。そ
の理由は、税金をたくさん集めて財政再建したいから、ではない。じつは増税す
ると財務省の予算権限が増えて、各省に対して恩が売れて、はては各省所管の法
人への役人の天下り先の確保につながるからだ。
驚いたかもしれないが、こうした思惑があるからこそ、財務省は「いつだって
スキあらば増税したい人たち」なのである。
なぜ増税が財務省の権限を増すことになるのか。単純な話である。まず、予算
を実質的に膨らませることができる。
こういうと、経済成長によって「税収」が増えても同じという声もあるが、そ
れは素人論議だ。経済成長があれば、要求官庁は経済成長に見合う経費増も要求
する。経済成長は財務省のおかげではないので、「税収」増の分だけ予算増となっ
ても、要求官庁は財務相に恩を感じない。
ところが、「増税」であれば、その増加分は財務相のおかげとなって、財務省は
その分の予算配分をするとき、各省庁に恩を着せられるのだ。予算増の恩恵を受
けた省庁は、その見返りに自分の所管する法人などに財務省からの天下りを認め
てやる。もちろん、この天下りは予算配分してもらった見返りであり、国民の血
税が使われている。
もう一つは、増税するときには、必ずといっていいほど「例外措置」が設けら
れる。一緒くたに増税するのではなく、「こういうケースは税が軽減される」とか
「今回の増税は、こういう業界は例外とする」といったように、特定の業界や特
定の層を優遇する措置がとられるのだ。
わかりやすい例でいえば、「生活必需品は増税されない」とか、「新聞は増税さ
れない」などの「軽減税率」も要は例外措置である。
ただし、どういう場合に例外措置が設けられるかは、財務省のさじ加減だ。
もっともらしい理屈をつけて例外措置を設けるが、そのじつ「この業界を特例
とすることには、どんな利益があるのか」という計算が働いていると見ていい。
これが、「あのとき優遇したのだから、引退した官僚の受け皿を提供しなさいよ」
という具合に、天下り先の確保につながるわけだ。
まったく呆れた利己思考だが、実際に大蔵省(現・財務省)に身を置いたこと
がある私が自らの体験からいう話である。
このままでは、いずれ日本は財政破綻する。
そして、日本国債は暴落する。
こういわれるようになって久しいが、日本は一向に財政破綻しないし、日本国債
は一向に暴落しない。その兆しを見せたことすらない。
財政破綻も国債暴落も、「要因」がほとんどないのだから当たり前だが、いまだに
こう断じてはばからない人がいる。本当にわかっていない人たちは論外として、自
分たちの利益のために「あえて恐怖を煽っている人たち」もいるのだろう。
彼らは、データ的根拠や何をもって「暴落」とするのかを、示していない場合が
多い。このことからも、単なるイメージ戦略であることがうかがわれる。
では、誰が、どのような利益のために、財政破綻や国債暴落を主張しているのか。
一つは、財務省だ。ただし、これは表では絶対いわない。こっそりと裏でいう
のである。
まず前提として、財務省は一貫して「増税派」と思っておいて間違いない。そ
の理由は、税金をたくさん集めて財政再建したいから、ではない。じつは増税す
ると財務省の予算権限が増えて、各省に対して恩が売れて、はては各省所管の法
人への役人の天下り先の確保につながるからだ。
驚いたかもしれないが、こうした思惑があるからこそ、財務省は「いつだって
スキあらば増税したい人たち」なのである。
なぜ増税が財務省の権限を増すことになるのか。単純な話である。まず、予算
を実質的に膨らませることができる。
こういうと、経済成長によって「税収」が増えても同じという声もあるが、そ
れは素人論議だ。経済成長があれば、要求官庁は経済成長に見合う経費増も要求
する。経済成長は財務省のおかげではないので、「税収」増の分だけ予算増となっ
ても、要求官庁は財務相に恩を感じない。
ところが、「増税」であれば、その増加分は財務相のおかげとなって、財務省は
その分の予算配分をするとき、各省庁に恩を着せられるのだ。予算増の恩恵を受
けた省庁は、その見返りに自分の所管する法人などに財務省からの天下りを認め
てやる。もちろん、この天下りは予算配分してもらった見返りであり、国民の血
税が使われている。
もう一つは、増税するときには、必ずといっていいほど「例外措置」が設けら
れる。一緒くたに増税するのではなく、「こういうケースは税が軽減される」とか
「今回の増税は、こういう業界は例外とする」といったように、特定の業界や特
定の層を優遇する措置がとられるのだ。
わかりやすい例でいえば、「生活必需品は増税されない」とか、「新聞は増税さ
れない」などの「軽減税率」も要は例外措置である。
ただし、どういう場合に例外措置が設けられるかは、財務省のさじ加減だ。
もっともらしい理屈をつけて例外措置を設けるが、そのじつ「この業界を特例
とすることには、どんな利益があるのか」という計算が働いていると見ていい。
これが、「あのとき優遇したのだから、引退した官僚の受け皿を提供しなさいよ」
という具合に、天下り先の確保につながるわけだ。
まったく呆れた利己思考だが、実際に大蔵省(現・財務省)に身を置いたこと
がある私が自らの体験からいう話である。