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日本の活性化 其の7

2023-02-19 16:22:55 | 日記
百歩譲って財政問題があるなら、政府資産を売ればいい
 日本に財政問題などないことは明らかだが、百歩、千歩譲って、財政問題があるとしよう。
あるいは将来的に、財政問題が生じたとしよう。
 そこで真っ先にすることは、増税でも歳出カットでもない。資産の処分である。
要するに資産を売って、財政の足しにすることだ。
 民間の企業でも、経営が苦しくなってきたら、みずからの関連子会社を売却することを考え
る。大事な強みを手放していいのかという議論はさておき、倒産を避けるために資産を処分す
る、というのは当たり前に行われている
ことだ。
 政府でも同じだ。
 たとえば、2009年、政権交代を機に大変な赤字が発覚したギリシャでは、大々的な政府資
産の売却が行われた。だから日本だって、もし財政問題があるというのなら、まず資産を売れ
ばいい。
 こういうと、財務官僚から「資産には売れないものもある」という批判が出る可能性がある。
ただ、日本政府の資産の大半は、金融資産だ。そのため、海外では「日本政府は、売ろうと思
えば売れる資産がたくさんあるのに、ぜんぜん売ろうとしないのだから、財政破綻するはずが
ない」と見られている。
 「売ろうとしない」のは、もちろん日本に財政問題がないからだが、じつは「売りたくない」
という事情もある。
 日本政府の金融資産は、じつは天下り先への出資金、貸付金が非常に多いのだ

となればもう明らかだろう。政府の資産を売るとなれば、当然官僚が天下り先として確保して
いる特殊法人や政府子会社も処分することになる。「政府資産には、売れないものもある」と
いうのは、せっかくの将来の落ち着き先がなくなっては困る、という官僚の泣き言に過ぎない
のである

「自分たちの将来のために、資産は売りたくない」――これが、財務官僚の本音なのだ。同じ
官僚出身の身としては、情けない話である。再就職先くらい、自分で見つけたらどうかといい
たい


 こういってもわかってもらえないのなら、法律で規制するしかない。実際、私は第一次安倍
政権の内閣参事官だったころに、天下りの法規制の改革立案担当者だった。じつは私にも官僚
時代に退職人事関わり、再就職斡旋を行った経験がある。「天下り」とは、つまり「不適切な再
就職」ということだが、実際には各省庁で当たり前のように、その「不適切な再就職」の斡旋
が積極的に行われているのだ

 天下りをするのは一定以上の管理職だ。
 とはいえ、天下り先へ予算をつけたり監督権限行使の際に、天下り先には手加減したりとい
った経験のある役人は多いはずだ。
 こういうものも含めれば、天下りは各省庁の組織ぐるみのことである。現行の法規制には抜
け穴もある。だから、天下りはなかなか減らないのである

 組織の内側から正すことが難しい以上、やはりもっと厳しい法規制が必要である。たとえば、
官僚の再就職は必ずハローワーク経由で行い、手続きを透明化する、官僚OBが直に行う斡旋
もしっかり補足し、罰則を設ける、といったことだ

 こうして天下り先が根絶やしにされていけば、「天下り先である資産を売りたくない」なん
て泣き言も聞こえなくなってくるだろう。
 もとより、今の財政状況は安泰といえる状況だが、いざというときには、その政府資産が真
っ先に処分される対象となる。

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日本の活性化 其の6

2023-02-19 10:55:48 | 日記
たった一つの表でわかる「日本に財政問題はない」
日本の財政は、実際のところ、どうなっているのか。じつはたった一つの表で、
国の財政状態がわかるのだ。
 簿記を習ったことのある人なら、「バランスシート」が何であるかは知っているだろう。
バランスシートとは「貸借対照表」、つまり組織の「資産」と「負債」のバランスを一枚
の表にまとめたもの
だ。
 企業であれば、バランスシートは必ず作らなくてはならない。
 銀行にお金を借りたいといっても、バランスシートがなくては相手にしてもらえない。
負債がどれくらいで、資産がどれくらいあるかがわからなくては、貸しても大丈夫かどう
か判断できないからだ。
 国の財政状況も、バランスシートを見れば一発でわかる。ちなみに26年ほど前の
1995年ごろ、最初に政府のバランスシートを作ったのは私だ。信じがたいことに、
それまでの大蔵省(今の財務省)ではバランスシートで財政状況を把握してこなかった
のだ。私が作った後も10年ぐらいは公表せずにお蔵入りされたが、小泉政権になって
ようやく公開された。
 では現在、日本のバランスシートはどうなっているのか。
 実際のバランスシートにはいろいろな勘定科目があって、素人にはわかりにくい。
そこで財務省が公表しているものをざっくりまとめると、次のようになる。
   

 負債が資産を大きく上回っているから、これだけを見ると「日本は財政難だ」という
人もいるかもしれない。
 しかし、これはあくまで「日本政府のバランスシート」だ。日銀は「政府の子会社」の
ようなものだから、日銀のバランスシートを足さなくては、日本の財政の本当のところ
はわからない。
 そこで日銀のバランスシートを、これまたざっくりとまとめたうえで、先ほどの日本
政府のバランスシートに合体させると、次のようになる。
 ついでに、政府の「見えない資産」ともいえる徴税権(税収)も加えた。


  
 このように、政府と中央銀行のバランスシートを合体させたものを、「統合政府バラン
スシート」と呼ぶ。
 するとどうなったか。今度は資産が負債を上回ることが見て取れるだろう。ちなみに
、日銀券は、前に説明したように、利子負担なし、償還(返済)負担なしだから、実質的
に債務とはいえない。したがって税収を除いても、「統合バランスシート」の資産と負債
は、ほぼイーブンになる。これが、日本の財政の実相である。
 この図を見てもなお、「日本は財政難」という人はいないだろう。
財政問題をいう人は、「借金」だけを見て騒いでいるだけ
 「統合政府バランスシート」を見れば、日本に財政問題がないことは明らかだ。
日本政府だけのバランスシートとくらべてみたことで、それがいっそうわかってもらえ
たのではないか。。
 にもかかわらず、「財政問題がある」と主張する人は、いったい何を根拠にしているの
だろうか。
 会計学では、負債の総額を「グロス」、負債から資産を引いた額を「ネット」という。
このうちどちらに着目するかが、ポイントだ
。一言でいえば、財政問題があるといって
いる人たちは、政府のバランスシートの右側(負債)だけ、つまりグロス債務または
グロス債務残高の対GDP比を見ているのだ。
 政府のグロス債務残高は1000兆円、これはGDPの2倍である。だから、「日本は大
変な財政問題を抱えている」「財政再建が必要だ」「そのためには増税と歳出カットだ」
と主張しているわけである。
 これほどの財政難の中で借金がさらに増えては困る(国債をたくさん発行しては困る)
から、増税で税収を増やす一方、政府の支出を減らそう、もっと倹約しようというわけ
だ。これの何がおかしいか。すでに「答え」をいってしまったようなものだから、もう
わかるはずだ。要するに彼らは、「借金」だけを見て騒いでいるのである。
 大事なのはグロスではなくネット、つまり負債の総額ではなく負債と資産の差し引き
額だ。バランスシートの右側の数字から左側の数字を引いてみると、本当の財政状態が
見えてくるのである

 たしかに政府の財務残高1000兆円はGDPの2倍だ。ただ一方で、政府には豊富な金
融資産がある。さらに政府の「子会社」である日銀の負債と資産を合体させれば、政府
の資産は相殺されてしまう。だからやっぱり日本に財政問題はない
 したがって、増税の必要も歳出カットの必要もない。じつに単純な話である。

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