私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

昔々の写真

2009-04-14 | 7追憶する
大正時代の、古い古い写真を見つけた。
親族の数々の結婚写真や、葬儀写真の一群から、不意に現れた家の歴史。

人間は、自分に都合の良くないことは語りたがらないもので、昔語りをつなぎ合わせても釈然としなかった空白が一気に埋まったような気がした。

女系の強い家だったが、昔の女達には里の意識が非常に強かったようだ。
いわく、自分の里だから…。親の家の為に…。
嫁いで後もずっと、自分の生まれた家を気遣っていた訳だ。

それは、戦後教育を受けた世代からは掘っても出てこない感覚で、「これは誰?この写真は何なの?」と尋ねた昭和二桁世代の親族の口からは、文化が違うとしか思えない解説が紡ぎだされた。

良いとか悪いとか、わかるとかわかっていないとかではなく、もう感覚が異次元なのだ。

戦後教育にどっぷり浸かった私が、明治女たちの気概を感じ取れているような気がしていることの方が、あるいは幻想かもしれないけれど。
コメント
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