最近はとんと夢を見なくなったが、若いころは夢を見るのが得意だった。
繰り返し見る夢が幾つかあって、いくつかの光景は今も鮮やかに記憶している。
血気盛んなころ、御多分にもれず飛ぶ夢をみた。
舞台がいささか個性的。
石垣の上に築かれた山城を眼下に、平泳ぎスタイルで空を飛ぶのだ。
彼方で、ほら貝の音が聞こえている。
どうやら戦国乱世の世。
私は空飛ぶ忍者か何からしい。
捕えられることもなく軽快に飛び回る私の陣営は、優勢であったのか劣勢であったのか。
断片的な夢ではあった。
人生で初めての挫折を知って、自らを責める気持ちの強かったころよく見たのは、断頭台に横たわる夢。
こちらの夢は日本ではなく、どうやら中世の西洋が舞台のようだった。
私は明らかに女であって、魔女として捕えられたのか、はたまたマリーアントワネットのように、時代を上手く渡り切れなかった貴族か何かであったのか…これも定かではないのだが、ギャラリーの視線を周囲から感じつつ、人生に幕が下りる時を静かに待つ心境がリアルだった。
生を終える瞬間を見るのではなく、夢に見るのは待つ場面だけ。
そんな、恐ろしく過激な夢を見ることもなくなったが、時々そんな夢を見ていたことを、何の脈絡もなくふいに思い出すことがある。
繰り返し見る夢が幾つかあって、いくつかの光景は今も鮮やかに記憶している。
血気盛んなころ、御多分にもれず飛ぶ夢をみた。
舞台がいささか個性的。
石垣の上に築かれた山城を眼下に、平泳ぎスタイルで空を飛ぶのだ。
彼方で、ほら貝の音が聞こえている。
どうやら戦国乱世の世。
私は空飛ぶ忍者か何からしい。
捕えられることもなく軽快に飛び回る私の陣営は、優勢であったのか劣勢であったのか。
断片的な夢ではあった。
人生で初めての挫折を知って、自らを責める気持ちの強かったころよく見たのは、断頭台に横たわる夢。
こちらの夢は日本ではなく、どうやら中世の西洋が舞台のようだった。
私は明らかに女であって、魔女として捕えられたのか、はたまたマリーアントワネットのように、時代を上手く渡り切れなかった貴族か何かであったのか…これも定かではないのだが、ギャラリーの視線を周囲から感じつつ、人生に幕が下りる時を静かに待つ心境がリアルだった。
生を終える瞬間を見るのではなく、夢に見るのは待つ場面だけ。
そんな、恐ろしく過激な夢を見ることもなくなったが、時々そんな夢を見ていたことを、何の脈絡もなくふいに思い出すことがある。