十何年来、私にとって爆弾のような存在だった父が、特養という終の棲家に落ち着いたところで、私の意識の中に変化が起こりつつある。
次々に不測の事態が発生する父を、特養は一次対応してくれる、経験ある組織として受けとめてくれた。
最終的責任はもちろん身元引受人として負わねばならないのだが、生命活動を終えるその時までを見すえて、対応を考えてくださっている特養という組織は、まるで頼りにならない親族などとは比較にならないくらい頼もしい。
しかし、長い時を過ごし過ぎたのかもしれない。
いつ爆発するかわからない父の存在を考慮せず人生設計するためのエネルギーが、今や私には足りなくなってしまっているようだ。
恐ろしく保守的で、面倒を避けたい意識ばかりが先に立つ。
新たな人間関係については、殊更に警戒心を抱かずにはいられない。
不意に、昔々の光景が頭に思い浮かび
「あの時のあの状況は、Aさんが作り出した暴挙のように思えていたが、Bさんが不十分な情報をAさんにもたらした結果だったのではないか」
などと昔々の騒動を分析していたり。
今現在のリアルな悩みが薄まった分、過去の余り思い出したくもない記憶が、鮮明にせまってきたりするのだ。
…これは、既に老人的思考回路ではないか。
ほぼ確信をもって自己分析する、ちょっと危険な状況である。
次々に不測の事態が発生する父を、特養は一次対応してくれる、経験ある組織として受けとめてくれた。
最終的責任はもちろん身元引受人として負わねばならないのだが、生命活動を終えるその時までを見すえて、対応を考えてくださっている特養という組織は、まるで頼りにならない親族などとは比較にならないくらい頼もしい。
しかし、長い時を過ごし過ぎたのかもしれない。
いつ爆発するかわからない父の存在を考慮せず人生設計するためのエネルギーが、今や私には足りなくなってしまっているようだ。
恐ろしく保守的で、面倒を避けたい意識ばかりが先に立つ。
新たな人間関係については、殊更に警戒心を抱かずにはいられない。
不意に、昔々の光景が頭に思い浮かび
「あの時のあの状況は、Aさんが作り出した暴挙のように思えていたが、Bさんが不十分な情報をAさんにもたらした結果だったのではないか」
などと昔々の騒動を分析していたり。
今現在のリアルな悩みが薄まった分、過去の余り思い出したくもない記憶が、鮮明にせまってきたりするのだ。
…これは、既に老人的思考回路ではないか。
ほぼ確信をもって自己分析する、ちょっと危険な状況である。