ウィーン国立歌劇場のライブ・ストリーミングで昨年末の大晦日に上演された喜歌劇「こうもり」が観られるので、観てみた。昨年も観たが(その時のブログはこちらを参照)、今年も観られるのはうれしい。
ウィーンでは年末は「こうもり」を観て、シャンパンに酔って大騒ぎして行く年を忘れ、新年は楽友協会で「ウィーンフィルのニューイヤーコンサート」を観る、というのがクラシック音楽ファンの王道だ。その両方が日本でも同時に楽しめるのは何と贅沢なことか。私も今日は先ず「こうもり」をストリーミングで観た。ニューイヤーコンサートは録画してあるので後から観ようと思ったが、今年は元日の北陸地方の地震で中継がなくなったそうだ。
今回観たストリーミングはウィーン国立歌劇場のホームページのメインページの上の方右側にストリーミングと出ているところをクリックすると観られる。無料である。ライブだが、ライブ終了後もしばらく観られるようだ。私は今回、2日の夜と3日の昼に2回に分けて観た。昨年までは日本語字幕もあったが今年は日本語がなくなっている。しかし、あらすじはよくわかっているので字幕はなくても大丈夫だ。
音楽:ヨハン・シュトラウス
指揮:シモーネ・ヤング(62,豪)
演出:オットー・シェンク
出演:
エイゼンシュタイン:ヨハネス・マルティン・クレンツレ(62、独、バリトン)
ロザリンデ:カミラ・ニールンド(55、フィンランド、ソプラノ)
フランク:ヴォルフガング・バンクル
プリンツ・オルロフスキー:パトリシア・ノルツ
アルフレッド:尼子広志(34、日本人の父と英国人の母の間に生まれ英国で育った日系英国人テノール)
ファルケ博士:マルティン・ヘスラー
ブラインド博士:ノルベルト・エルンスト
アデル:レギュラ・ミューレマン(37、スイス、ソプラノ)
アイダ:イレアナ・トンカ
フロッシュ:ヨハネス・ジルバーシュナイダー
オペレッタは通常、金持ちが行く国立歌劇場ではなく、庶民が行くフォルクスオーパ(Volksoper、市民オペラ座)の方で上演するのであろうが、「こうもり」は特別扱いらしく国立歌劇場で上演する。フォルクスオーパは数年前ウィーン旅行に行ったときに訪問し、バレエを観たが、確かに国立歌劇場に比べて庶民的な雰囲気があったように感じた。
(フォルクスオーパで観劇したときの写真2枚)
先日見た2023年ザルツブルク音楽祭の「マクベス」は斬新な演出で驚いた。しかし、この「こうもり」は同じ欧州のオペラの中心地ウィーンでの公演だが、演出は1980年代からあるオーソドックスなオットー・シェンクのものだ。私が好きな1986年バイエルン国立歌劇場でのカルロス・クライバー指揮の「こうもり」と同じ演出で今も上演しているのは面白い。年末年始の行事は奇抜なものより慣れ親しんだ会場、演出のお決まりの演目で楽しむということか。
出演者はそれぞれ適役だと思った。アイゼンシュタイン、ファルケ、オルロフスキー、アデーレ、フランク、それに尼子広志のアルフレッドが特に良かった。また、第2幕のポルカ「雷鳴と電光」の大騒ぎは愉快で、歌手たちも楽しそうに演じているようにみえた。
シモーネ・ヤング指揮のウィーンフィルの演奏は上品な気品に満ちた演奏だった。ただ、個人的な好みで言えば、クライバー指揮のバイエルン国立管弦楽団に比べ上品すぎてアクセントに欠けるところがあったように感じた。
ウィーン国立歌劇場はウィーン旅行に行ったとき、わずか3日か4日間の滞在中に好きな演目がなかったのでガイドツアーに参加した。夏は冷房がないようなことを言っていた記憶がある。内部はやはり豪華で、小澤征爾の写真が飾ってあったのが印象的だった。
(ウィーン国立歌劇場のガイドツアー参加時の写真2枚)
愉快なオペレッタを楽しめました。
さて、今日は3日、昼食はまたお雑煮を食べた。
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