ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

自由学園明日館に行く

2024年11月02日 | 街歩き・国内旅行

豊島区西池袋にある自由学園明日館と講堂を見学に行ってきた、以前、テレビ番組で紹介されていたのを見て行ってみたいと思っていた、池袋駅西口から徒歩10分もかからない

受付で500円の入場料を払って順番に見学した、明日館の敷地内は外からも見え、建物の前は芝生がきれいに刈り込んである上品な前庭になっている、平日にもかかわらず見学者が多く来ていたのには驚いた

自由学園明日館は1921年(大正10)、羽仁もと子(1857、83才没)、吉一(1955、75才没)夫妻が創立した女学校自由学園の元校舎、帝国ホテル設計のため来日していたフランク・ロイド・ライトが設計、ライトを羽仁夫妻に推薦したのはライトの弟子であった遠藤新、ライトは夫妻の目指す教育理念に共鳴し「簡素な外形のなかにすぐれた思いを充たしめたい」という夫妻の希いを基調とし設計した

さらに、1927年(昭和2年)には遠藤新の設計で講堂が建てられた、自由学園は生徒数の増大により1934年(昭和9年)に東久留米に移転したが、施設はそのまま残された

東久留米に移転後、羽仁夫妻が自由学園と日本の教育の明日を託して残された施設を「明日館(みょうにちかん)」と命名し、卒業生の諸活動の拠点とした

その後、関東大震災や世界大戦の被害を免れ、1977年(平成9年)には国の重要文化財に指定され、国等の補助により保存修理事業を行い、2017年(平成29年)に完了した、明日館の建物は使ってこそ維持保存ができると考え、「動態保存」のモデルとして運営されている

現在の明日館の事業は会館事業(結婚式、懇親会など)、公開講座、JMショップなどが行われているそうだ、明日館の建物としての特徴は

  • 軒高を低く抑え水平線を強調した立面(ただ、湿気の多い日本では傷みやすいため維持修繕が大変)
  • 大谷石が多用された

羽仁夫妻はともに報知新聞社の記者であり、1901年に出会い結婚、1903年(明治36年)に「婦人之友」前身の「家庭之友」を創刊、とも子は書き、吉一が経営をした、その後、三女が小学生の時に良い学校がほしいと思うようになり自由学園を創設した

さて、見学であるが

門から入ると正面右側に婦人之友社展示室がある、これは羽仁夫妻が婦人の支援をしたいと思い創刊した「婦人之友」を発行をする婦人之友社の記録を展示する部屋である、現在、婦人之友社は自由学園の隣にある

次に学園の会議室がある

次は大教室

次は建物の中心部のホール、幾何学模様の大きな窓が特徴、椅子のデザインも独特、当時は毎朝の礼拝をしていた部屋

壁面には卒業生が描いたという大きな旧約聖書「出エジプト記」の一節の壁画がある

背面には大谷石でできた暖炉がある

2階に上がると食堂がある、外光を巧みに取り入れ、幾何学的な装飾を用いて変化を持たせてある


照明はライト自身がデザインした

2階からはホールが見下ろせる

下に降りるとまた教室がある、窓の形が独特

いったん外に出て、向かいの講堂に入る


(正面が講堂の舞台)


(講堂の壇上から聴衆側を見おろす)

楽しめました