ゆっくり行きましょう

ストレスのない生活を楽しむシニア

令和六年(2024年)大晦日

2024年12月31日 | その他いろいろ

今年も大晦日を迎えた、今年は年初にいきなり能登半島の地震、羽田での航空機事故、さらに秋には能登半島での大雨被害と大変なことが起こった1年であったが、我が家は大きな問題もなくこの日を迎えることができて何よりである

今日はお昼に子供夫婦が孫を連れてきて、一家で一日早いがおせち料理や雑煮を食べて過ごした

夕食は夫婦で年越しそばを食べた

夜は、人気歌手を長時間独占して民業を圧迫し、また、我々の先祖を貶める報道をするNHKは見ずに、ネットフリックスの「地面師たち」などを観ることにしよう

そして明日は恒例の初打ちだ、今夜は早めに寝るつもりだ

さて、ブログを開始してちょうど2年となった、12月30日基準の訪問者数は以下の通りとなった

2023年末累計   37,257UU(1日平均102人)
2024年末累計 160,812UU(単年度123,555、1日平均338人)

訪問者数が昨年から大きく増えたのがうれしい、日ごろ当ブログを訪問して下さる皆様にはお礼申し上げます

それでは皆様、よいお年をお迎えください


十二月大歌舞伎(第二部)を観劇する

2024年12月31日 | 歌舞伎

昨日、12月30日、東京に住んでいる両親のところに顔を出し、元気な姿を確認して、帰りに吉祥寺に寄り、いつものお買い物をした

北口の「肉のさとう」に寄り、年末恒例の焼き豚のブロックを一つ、グラム売りで脂が適当についているものを選ぶと2,000円ちょっとだった、これが美味い、あとコロッケを2つ、ここは丸メンチが有名な店でこの日も大行列ができていたが、我々夫婦はもう食べ飽きたのですぐに買える他の物を買う

次に南口のいつもの「いせや総本店」で10本くらい焼き鳥を買う、1本100円ちょっとだから安いがこれが美味い、今日は車で来たので帰りの電車の中での匂いを気にしなくて済む、そして、帰宅して焼き鳥丼にして食べるのもいつものとおり、炭火の残り香がして実にうまい

さて、今月も歌舞伎を観劇した、12月大歌舞伎(第2部)、12月は3部制で3時開演の第2部を観に行った、いつもの3階A席、5,500円、5時半終演、3階席は9割くらいは埋まっていた、圧倒的におばさま方が多かった、なおこの日は千穐楽

河竹黙阿弥 作
加賀鳶(かがとび、盲長屋梅加賀鳶)本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで

天神町梅吉と竹垣道玄/松緑
日蔭町松蔵/勘九郎
春木町巳之助(梅吉の子分)/獅童
お朝/鶴松
女按摩お兼/雀右衛門

魁勇次/彦三郎
磐石石松/坂東亀蔵
虎屋竹五郎/種之助
天狗杉松/玉太郎
昼ッ子尾之吉/左近
妻恋音吉/菊史郎
金助町兼五郎/菊市郎
数珠玉房吉/國矢改め精四郎
御守殿門次/吉之丞
番頭佐五兵衛/橘太郎
雷五郎次/男女蔵
御神輿弥太郎/松江
伊勢屋与兵衛/権十郎

本郷界隈で加賀藩お抱えの鳶と旗本配下の定火消の間で大喧嘩が起こる、今日も日蔭町の松蔵をはじめ、加賀鳶が勢ぞろい、血気に逸る若い者たちを、頭分の天神町の梅吉が留める(勢揃いの場)

日の暮れた御茶の水の土手際では、按摩の道玄が通りかかった百姓を手に掛け、懐から金を奪い取るがそこで煙草入れを落とす、小悪党の道玄は訳ありの仲のお兼と共謀して、姪のお朝の奉公先へ強請りに行くが、そこに土手際で道玄の落とした煙草入れを拾った松蔵が現れて言い合いになり・・・

観劇の感想など

  • 最初の場は「勢揃い」、本演目の加賀鳶は加賀鳶の場と道玄の場と大きく二つから構成されているが、道玄の場のみを見取り上演するのがほとんど、ただ、そうだと加賀鳶という演目の意味がなくなるので、芝居のストーリー上は何の意味もないが見栄えが良いので加賀鳶の場から勢揃いのところだけ冒頭に演ずるものだとのイヤホンガイドの解説があった
  • この勢揃いの場であるが10人以上の鳶が舞台上で演ずるのかと思ったら違った、花道で鳶たちが勢揃いして「名乗り」をあげるのであった、私が座った3階のA席4列目からは花道の先頭の数名しか見えず、大部分がセリフだけしか聞こえないので残念だった、仕方ないね安い席だから
  • 江戸の火消しは鳶が担った、それは火事になっても今のような水による消火はできず、延焼を防ぐために周囲の家を取り壊すことにより鎮火させるしかなかった、その解体作業は鳶が得意だからだ
  • この物語の主役は加賀鳶の場の梅吉と道玄の場の按摩道玄であり、いずれも松緑が今回初役で務める、松緑の演技は特に道玄のような悪党を演じさせると実にうまいと思う、土蜘蛛などもそうだった、ただ、道玄は悪党であると共に愛嬌のあるキャラクターでもありその部分は何となく松緑には似合わないかなとも感じた
  • 道玄の妻おせつの姪であるお朝(鶴松)が住み込みで働いている質店の店主(権十郎)におせつの窮状を話し、店主から貰った5両をおせつに渡しに来た時に入口の外から道玄が聞き耳を立てるのをよく見せるため通常は横向きに作られる家への入り口が、この芝居では正面客席に向けて作られている、実際にはその効果は横でもそんなに変わらないのではないかと思った
  • 途中、「伊勢屋の場」で道玄と松蔵が言い合う場面があり、そのセリフが作者の黙阿弥の得意のリズムの良い七五調であったのが大きな見せ場の一つであった、道玄(松緑)と松蔵(勘九郎)の掛け合いは見ごたえがあった
  • 最後に道玄と捕り手との暗闇の中での捕り物「だんまり」になり、ついに道玄は捕まるが、この「だんまり」というのを初めて観たような気がする、「だんまり」とは何人かの登場人物が、暗闇の中で黙ったままお互いのことをスローモーションで探り合う演出をいい、今回は追っ手と道玄が闇夜の中で追跡と逃亡をしあうお互いは見えないという前提での演技で面白かった

鷺娘(さぎむすめ)

鷺の精/七之助

しんしんと雪の降る水辺に、白無垢姿の娘が佇み、蛇の目傘を差しているのが人間の男との道ならぬ恋に思い悩む鷺の精で、切ない恋心を次々と見せる

  • 江戸も長く平和が続いたので舞踊も何か刺激があるものが好まれるようになった、そこで出てきたのが客の目を驚かせる変化舞踏である、この変化舞踏とは一人の踊り手がいろんな衣装に早変わりする演技であり、この日の演技では鷺の精である七之助が30分の間に5回か6回、衣装の早変わりをして楽しませてくれた
  • この早変わりの変化は衣装をあらかじめ重ね着しておき、黒子の助けを得ながら舞台上で素早く上の衣装を脱いでその下にある全く色と模様が異なる衣装に変化するもので、その衣装の重さたるや相当なものであろう、相当な体力がないとできない演技だと思った

12月歌舞伎は2演目で幕間も入れて2時間半だったが、このくらいがちょうどいいと思った、ただ、今日は食事が不要な時間帯だったので観劇時の食事の楽しみがなかったのは残念だ

楽しめました


映画「私にふさわしいホテル」を観る

2024年12月30日 | 映画

映画「私にふさわしいホテル」を観た、2024年製作、98分、監督堤幸彦(1955)、柚木麻子(1981)の同名小説の映画化、出演はのん(1993)、田中圭(1984)、滝藤賢一(1976)、田中みな実(1986)、髙石あかり、橋本愛、若村麻由美(1967)ほか

主役の“のん”は知らない女優だったが、2016年以前は本名の能年玲奈で活躍していた、俳優、アーティストで音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動している、映画中で歌うところがあるがこれも音楽アルバムを出すなどしているゆえの演技でしょう、かなり多才な人だ

新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)、その原因は、大御所作家の東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく。ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘はやがて・・・

映画を鑑賞した感想

  • けっこう面白かった、最初のうちは主人公のふざけたキャラクターに程度の低いお笑い映画かと思い、見る映画を間違えたと思っていたが、見ていくうちに面白くなってきた、ただ、最後の終わり方が平凡で、もう少し何かあっても良いのではないかと感じた
  • この映画はコメディだ、一人の若手女性作家の悪戦苦闘ぶりをお笑いを交えながら大げさに立ち回るドタバタ劇である、色恋はない、これはこれで良いと思った
  • 主人公の佳代子のキャラクターは日本ではまずありえないだろうなと思った、これだけアグレッシブな性格には男でもなれないだろうなと思った、だからこそ映画にすると強烈なスパイスになり面白いのだと思った、今の日本に欠けているキャラクターなのではないか、ハングリー精神、何度失敗してもメゲない根性、上昇思考、押しの強さなどだ
  • ある高級レストランで、佳代子が東十条に取り入って一緒に食事をしていると、その同じ店で編集者の遠藤が天才女子高校生作家に2作目を書くよう説得しているところを見つける、佳代子と東十条は物陰から遠藤と女子高生の会話を聞いていると遠藤が佳代子だけでなく東十条のことも酷評しているのが聞こえてきて二人とも怒るところがあったが、面白かった

  • 編集者の遠藤は佳代子を助けるが、時に裏切ることもあるため、二人が言い争いになる場面がある、佳代子が遠藤の編集者として自分を十分に支援していないことを具体的な例を挙げてののしる、例えば佳代子が店に陳列してある自分の新刊本にサインさせてもらうために書店を訪問してカリスマ店員にお願いをする時、編集者として同行せず一人で行かせたではないか、などなど、この佳代子の主張が聞いていてもっともだなと感じた
  • 遠藤をとっちめるため、佳代子と東十条はクリスマスに家族そろってホテルに外泊する遠藤一家の幼い娘二人を驚かせてやろうと考え、遠藤が娘たちにサンタクロースが本物だと信じさせていたがそれは嘘だとばらすことにした、そして、佳代子と東十条がサンタとトナカイに扮して娘二人がいる部屋に行くと、娘たちは、「サンタなんて嘘だと知ってる、だけど騙されたふりをしているのだ」などとませたことを言って佳代子達を呆れさせるところも面白かった

  • 佳代子が自分が受賞候補者となっている直林賞の最長老選考委員である東十条を篭絡するために彼の奥さんや娘に取り込み、彼女らか「佳代子さんに受賞させあげてよ」と言わせる戦略をとってうまく行きかけた、ところが最後で東十条が彼女らの面前で一喝して佳代子の正体をばらしてしまい作戦が失敗し気まずいムードになる、映画ではそこで場面転換し、もう後日の話に進んでしまうが、ここでも佳代子の不屈の一発逆転ヒットが欲しかったと感じた
  • 佳代子が文学賞を受賞して記者の前で挨拶をする場面がある、「この度、直林賞を受賞させていただきました〇〇です」と言うが、この「させていただきます」が最近横行しているのには辟易する、「させていただく」は、誰かの承認を得て何かをする場合にへりくだって言う表現だ、この場面では「この度、直林賞を受賞しました・・・」か適切である、政治家や芸能人、経営者などが「させていただく」を連発するのは卑屈の現れである、どうしてこんな卑屈が当たり前になったのか、原作でもそうなっているのだろうか、こういう言葉遣いをする人たちは逆の立場の時は横柄な態度なのではないか、卑屈はその裏返しである

  • 映画に実名で出てくる山の上ホテルであるが今年2月より建物の老朽化に対応するため休館しているが最近、明治大学が山の上ホテルの土地と建物を取得し、改修後にホテルとしての営業再開を目指すと発表したから驚いた、だが、これはうれしい、私も一度鉄板焼きレストランで昼食をとったことがある

面白い映画であった


英国Wigmore Hallで弦楽四重奏を聴く

2024年12月29日 | クラシック音楽

11月下旬に旅行したロンドンでのクラシック音楽鑑賞の最後となる投稿、年内に全部投稿できて良かった

2024年11月10日(日)午後7時30分からロンドンのウィグモア・ホールでパヴェル・ハース四重奏団の公演を聴きに行った、このコンサートは休憩時間を含めて約2時間だった

大ホールでのオーケストラ演奏やオペラ鑑賞が多かった今回のロンドン旅行だが、室内楽専用劇場にも行ってみたかったので、予約してみた

場所はロンドンの繁華街の一つであるオックスフォードサーカス駅から歩いて10分くらい、地下鉄の駅付近はピカデリーサーカスにつながる道が派手にライトアップされ華やかなのに、ホールに向かって歩き出すと静かな雰囲気の街になる、その建物の並びの中にひっそりとウィグモア・ホールはあった、外からの入口は何となくアメリカっぽい感じがした

1901 年に建設されたウィグモア ホールは室内楽、器楽、古楽、歌曲を専門としており、舞台上のアーツ・アンド・クラフツ様式のキューポラを備えた美しい内装が有名、座席数は 552 席、現在では毎年約500のコンサートを開催し、合計20万枚のチケットを販売し、同じ数の学習イベントを開催している

ウィグモアホールでは、2年ごとに国際歌曲コンクール、3年ごとに国際弦楽四重奏コンクールが開催され、才能のある若い音楽家が世界中から集まっているという

中に入ると細長い導入路があり、その先にホワイエ、ホールに入るドアがある、そこに椅子があったので腰かけて開場を待つ

内部を見ていると地階にバー・カフェやラーニングルームがあると出ていたので行ってみた、そこには椅子とテーブルが用意された待合室のようなバー・カフェの部屋が二つあり、どちらも利用できたので、座って少し雰囲気を味わった、年配の人が多く来ている感じがした

時間になりホールに入る、落ち着いた雰囲気、この日は6割くらいの入り具合か、若い人もいたがシニア層が多いような気がした、私たちは少し後ろの方の席を予約してホール全体がよく観察できた、入場の際にはコンサートのプログラムノート1枚がもらえた

出演

パヴェル・ハース四重奏団
ヴェロニカ・ヤルシュコヴァ/ヴァイオリン(女性)
マレク・ツヴィーベル/ヴァイオリン
シモン・トゥルシュカ/ヴィオラ
ピーター・ヤルシェク/チェロ(ヴェロニカの夫)

パヴェル・ハース四重奏団は、 2002年に結成されたチェコの 弦楽四重奏団、第一ヴァイオリン奏者のヴェロニカ・ヤルシュコヴァは、夫のピーター・ヤルシェクがチェロ奏者を務めるシュカンパ四重奏団のコンサートに出席したことがきっかけで、四重奏団を結成した

この四重奏団は、 1941年にチェコスロバキアから追放され、アウシュビッツで殺害されたチェコの作曲家パヴェル・ハース(1899年 - 1944年)にちなんで名付けられた

チェコ音楽はアンサンブルのレパートリーの中心的な基盤の 1 つとなっており、今夜もドヴォルザークの糸杉が演目に入っていた

曲目

糸杉 B152(1865、改訂1887年)/ドボルザーク
弦楽四重奏曲第22番変ロ長調 K589「プロイセン」(4楽章、1790年)/モーツアルト
弦楽四重奏曲第3番変ホ短調作品30(3楽章、1876年)/チャイコフスキー

今夜の曲は知らないものばかりだったがじっくり聴けて良かった


稲荷町「小倉庵」で鴨南ばんそば

2024年12月28日 | グルメ

先日、上野「翁庵」で食べたが、この日はそこから近くの小倉庵に行ってみた、初訪問、上野駅から歩いても10分くらいか、上野から浅草につながる大通りから右側に入って下谷神社の裏の方にこの店はある

12時半頃に着いたが、直ぐに入れた、外から入口を開けると内扉があり、そこを開けて店内に入る、二人掛けのテーブルに腰かけメニューに目を通し、何にしようか迷い、鴨南ばんそば1,050円を注文した、私は夏場以外はざるよりどんぶりに入った暖かいそばが好きだ

待っている間、店内を見渡すと実に昔風の内装だが、新しくきれいな感じがする、この点で先の翁庵とは違った雰囲気だ、例えて言えば、翁庵は「神田まつや」のような感じで、小倉庵は「かんだやぶそば」のような雰囲気、どちらも好きだ

蕎麦が出てきた、さっそく食べてみると、大きな鴨焼きが4つは入っていた、鴨の油と葱が蕎麦のつゆにしみ込みそれが蕎麦に絡まり素晴らしい味、蕎麦はちょっと太目に感じたがおいしい、鴨は柔らかく嚙み切れる、素晴らしい味だった

実はかつ丼も食べたかったが初訪問なのでやはり蕎麦を食べた、次回はかつ丼にしてみたい、そして、ここは翁庵と同様、通し営業だ、「ソバ屋で憩う」のソバ屋酒で一杯やった後、天ぷらそばでも手繰って長居せずにさっと去るような粋なことをやってみたくなる雰囲気の店だ

おいしかった、ご馳走様でした


英国バービカン・ホールでロンドン響の公演を聴く

2024年12月27日 | クラシック音楽

ロンドン旅行中に、バービカン・センターでのクラシック音楽公演を聴きに行った、19時開演、21時15分頃終演、座席はほぼ満員に見えた、バービカン・ホールは行ってみたかったホールの一つ

バービカン・センターは世界最大級の多目的文化施設でシティ北部にある、この地区はブルータリズム建築(建材、特にコンクリートをそのまま露出させるデザイン)の象徴であると同時に、文化・芸術の発信地としての役割を担い、ロンドンの中でも非常にユニークなエリアとされている

バービカンにはロンドン交響楽団の本拠地がある

このバービカン・センター近辺を公演前にゆっくりと歩いてみたかったが、時間がなくできなかったのは残念だった、公演前に最寄り駅のMoorgateを出ると近代的なビルが建ち並ぶ新しい街という感じがした

バービカン・センターに着く頃は暗くなって入口がわかりにくかったが、センターの中は広く、コンクリート打ちの壁が目立ったがこれはまさにブルータリズム建築だからだろう

時間になり開場し、プログラム・ノートをもらってホールに入るとき写真は撮れるのかと聞いたらダメだという、しかし、中に入るとみんな写真を撮っていたので、私もそうした

ホール内部は近代的なイメージで、かつ、色彩感覚豊かな感じがしセンスが良いと思った

今日のメインはメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲とシューベルトの最後の交響曲 「グレート」でしょう、両方ともなじみのある何度も聴いた曲だからじっくり聴けた、いずれも良い演奏だったと思う

指揮者のダニエレ・ルスティオーニとヴァイオリニストのフランチェスカ・デゴは、共にロンドン交響楽団のバービカンに初出演

フランチェスカ・デゴは1989年生れで、イタリア人とアメリカ人の両親を持つヴァイオリン奏者、今夜の指揮者のルスティオーニと夫婦でロンドンに居住、彼女は2008年にパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで入賞し特に注目を集め、来日したこともある、また、ヴェルサーチの衣装提供を受けるなど、音楽以外の分野でも注目されているが、今夜の衣装もそうだったのだろうか

自分の公演鑑賞ノートを確認したところ、彼女が2021年11月にファビオ・ルイージ指揮のN響と共演しパガニーニのバイオリン協奏曲1番を演奏したのをテレビで見ていた、その時の私の評価は3段階評価の一番上となっていた

デコの今夜のバイオリンも良かったと思う、喝采を浴びていた

指揮者のダニエレ・ルスティオーニはイタリア人、現在、リヨン国立歌劇場の音楽監督を務めており、2025年までが任期、2025/26シーズンからはニューヨークのメトロポリタン歌劇場の首席客演指揮者に就任する予定というからすごい人だ

楽しめました

プログラム

  • フランツ・リスト 前奏曲
  • フェリックス・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 作品64
  • フランツ・シューベルト 交響曲第9番「グレート」

出演者

  • ロンドン交響楽団
  • ダニエレ・ルスティオーニ 指揮
  • フランチェスカ・デゴ/ ヴァイオリン


映画「型破りな教室」を観た

2024年12月26日 | 映画

昨夜はクリスマス、息子夫婦が買ったクリスマスケーキの半分を持ってきてくれたので、夕食後に夫婦でおいしく頂いた

映画「型破りな教室」を観た、シニア料金1,200円、平日の午後だけどけっこうお客さんは入っていた、2023年、125分、メキシコ映画、監督クリストファー・ザラ(1974年、ケニア)、原題Radical

犯罪と貧困が日常化した地域の小学校に赴任した教師が、型破りな授業で子どもたちを全国トップの成績に導いていく姿を2011年のメキシコであった実話を基に映画化したドラマ

麻薬と殺人が日常と化したアメリカとの国境近くのメキシコ・マタモロスの小学校、子供たちは常に犯罪と隣り合わせの環境で育ち、教育設備は不足し、意欲のない教員ばかりで学力は国内最底辺、しかし、新任教師のフアレスが赴任し、そのユニークで型破りな授業で子供たちは探求する喜びを知り、勉強熱心になっていくがある日、事件が起きて・・・

「コーダ あいのうた」の音楽教師役で注目を集めたエウヘニオ・デルベス(1962、メキシコ)が教師フアレスを演じた

鑑賞した感想を述べよう

  • ネットの評価が高かったので期待してみたが、あまり感動はしなかった、なぜだか考えると、このような学校ものの映画にありがちなストーリーで、最後はこうなるだろうな、ということが観ていて予測できてしまうからだ、実話だから仕方ないが、一ひねりも二ひねりもしないと引き込まれるような面白さにはならないのではないか、例えば、主人公の先生の色恋沙汰が何もない、乱暴されそうになった女子生徒が思わず暴漢を銃で撃ってしまったが、その後のことは何も触れられていない
  • ただ、この手の学校ものでは教頭とか校長が教師の抵抗勢力になるというのが有りがちなストーリーだが、本作ではめずらしく校長が最初は抵抗を示すが生徒のいきいきした学ぶ姿勢や予想外の知識を身につけていることに感心して教師の理解者になってくことが意外であった

  • 生徒は劣悪な環境で生活しており学校にも期待していなかったが、女子生徒のパロマは親に隠れて天文学の勉強を熱心にしていたり、ルぺも先生のうまい指導により哲学に興味を持って難しい本をどんどん読んで理解するなど、本当にこんなに優秀な生徒がいた、こんなに優秀な生徒になったのかと驚いた、ホンマかいなと思った
  • 確かに自分の経験でも学校の先生の中には通り一遍の授業しかしない人が少なくないだろう、それは公立学校だけでなく、私立でも意外といるのだ、リタイアしてからある有名大学の社会人向け公開講座に何回か通っているが、授業も教材も工夫がなく面白くない先生が多かった、全体的に日本の教師、教授と言った人たちはアメリカなどに比べて相当甘やかされているのではないか

  • それと同時に先生の負担が重すぎるのも問題であろう、学校で何か問題が起こると直ぐ教師のせいにして文句を言うクレーマー的な親も多いと聞く、文句を言われないようにいろいろ配慮すると時間が取られる、子供の親こそ再教育が必要でしょう、教育の基本は先ずは家庭における躾だろう、学校は万能ではないのだ
  • また、いろんな管理・報告資料作りなどもかなり教師の負担になっているのでしょう、これは医者も同じで、ある医者が言うには、日本の医者はアメリカであれば医師が絶対拒否するような事務的作業をやらされており、その分診療時間が少なくなり、医師不足に拍車をかけていると指摘している、教師にも同じような負担がかかっていないか心配である

メキシコ映画は初めてかもしれないが、それなりに楽しめた


東向島のカフェ「from afar」に行く

2024年12月25日 | カフェ・喫茶店

昨夜はクリスマス・イブ、毎年同じだが鳥のもも肉を焼き、食後にケーキを食べて楽しんだ、嫁さんと二人のクリスマス・イブとなった

蔵前にあったカフェfrom afarは私のお気に入りの場所だった、しかし、前回訪問した時、ビルの老朽化で東向島に移転すると知って驚いたところだ、確か8月に移転するとなっていた

その後、すっかり忘れていたが、今日は都心に出かけた帰りに時間が取れそうなので、ちょっと立ち寄ってみようと思った。

東向島は浅草からの東武日光線の各駅停車しか停まらない駅で、一度来たことがあるが、詳しいことは知らない街だ、昔はこのあたりの一部は玉ノ井と呼ばれた花街(遊郭)だった、永井荷風の墨東奇譚が玉ノ井を舞台にした小説として有名だ

近くには一度行った志”満ん草餅の店舗があるがfrom afarはその反対側だ、駅から歩いて5分もかからない場所に店はあった、外観は蔵前にあった時と同じだった

中に入り、カウンターで注文をする、今日はブレンドコーヒーとモンブランケーキをたのんだ、1,300円くらいだったか

席は空いているところにどうぞ、ということで左側の壁の前の4人掛けのテーブル席に腰かけた、半分くらいの座席が埋まっていた、以前と同じ内装で、店内は広々しており、客を詰め込むという雰囲気は全然ない

大きなカウンター席の背面にはコーヒーカップがいっぱい収納してある、以前は店内の壁は本棚になっており、いろんな本がいっぱい見れたが、ここでは本はなかった

あとからお客さんは入ってきたが、店内が満員になることはなく、騒がしくないのが良い、お客さんはほとんど若い人だ、男性も女性もおり、複数で来ている人たちも大きな声で話すことはなく、落ち着いた雰囲気を保っているのが心地よい

持ってきた本を1時間近く読んで、ゆっくりくつろいだ、ここは窓が大きく、外光を十分に取り入れているので読書に最適だ、コーヒーもモンブランケーキもおいしかった、特にケーキは最高だった

くつろげました、また来ます


上野 de クラシック水野琴音(ヴァイオリン)を聴きに行く

2024年12月24日 | クラシック音楽

上野 de クラシック Vol.101水野琴音(ヴァイオリン)を聴きに行ってきた、東京文化会館小ホール、1,100円、11時開演、12時終演、ほぼ満席であった

東京文化会館は、新人音楽家を発掘し、育成を行うことを目的として、2003年から毎年東京音楽コンクールを実施しており、入賞者には入賞後に様々なコンサートへの出演機会の提供を行っている、上野 de クラシックはその一環、大変良い取り組みでしょう

ヴァイオリンの水野琴音は第21回東京音楽コンクール弦楽部門第2位及び聴衆賞の実績を持つ若手、東京藝術大学音楽学部3年に在学中である、使用楽器は1721年製のピエトログァルネリ、想像だが彼女の「琴音」という名前は音楽家か音楽好きのご両親が娘の音楽家としての将来を期待して付けた名前ではないか、いい名前だ

出演

ヴァイオリン:水野琴音
ピアノ:𠮷武優

曲目

クライスラー:美しきロスマリン
チャイコフスキー:懐かしい土地の思い出 Op.42
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ ト長調
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28

(アンコール)
クライスラー:シンコペーション

※ この日はホールホワイエの目立つところに「アンコールの曲名はあとでXで知らせる」と書いてあった、今回はわかりやすくてよかった

この日の公演では、水野さんが冒頭にマイクを握り、来場のお礼、最初に弾く曲の紹介をしてくれた、その後も各曲目ごとにマイクで曲の紹介やその曲にかける想いなどを話してくれた、非常にいいことだと思うし、これからの若者はトークやSNSなど利用できるものは全て利用してファンを増やすべきだと思う、それができるかどうかでけっこう差がつくのではないか

クライスラーの「美しきロスマリン」は、曲目どおり美しいメロディーの曲で親しみやすかった、チャイコフスキーの「懐かしい土地の思い出」は、3つの小曲により構成されており、それぞれが異なる趣があり、特に3つ目の小曲が親しみやすく知っている人も多いだろうとの説明だった、確かにわかりやすかった

ラヴェルの「ヴァイオリン・ソナタ」は3楽章だが、第2楽章が当時ラヴェルが熱中していたジャズの影響を受けたブルースであるとの説明、私は第3楽章が一番印象に残った、それはヴァイオリンのピッツィカート奏法「piccicato」でまるでギターのコードを引くようにけっこう激しく弾いていたところがあったからだ、指やつめは大丈夫なのだろうかと心配になった

サン=サーンスの曲は彼女が今まで一番多く弾いている曲で、昨年の東京音楽祭の2次審査においてもこの同じ場所で、伴奏も同じ吉武氏の演奏で弾いた曲だとその想い入れを語ってくれた、聴いてみるとさすがになめらかで素人目にもカッコよく弾けていたと思った

さて、この日の公演だが、開場が満席だったのには驚いた、大学関係者などが多く来ていたのかもしれないが、期待の星なのかもしれない、たいしたものだ、プロでもこのホールを満席にできる人は限られているだろう

彼女の振る舞いを見ていると、既にかなりの場数を踏んでステージで演奏するのに慣れているように見えた、話し方にもそつがなく、逆に初々しさがないくらいに感じた

帰りに来月のチケットをいくつか買って帰ろうと思ったが、チケット売場に長蛇の列ができていた、10時半頃に来た時もそうだったが、何かの発売日なのか、東京・春・音楽祭の一般販売開始日かもしれないが、めずらしいこともあるもんだと驚き、またの機会にしようと思った

お疲れ様でした


「八重洲 鰻 はし本」で鰻重

2024年12月23日 | グルメ

東京駅八重洲口にある鰻の「はし本」に行って鰻重を食べた、何回か来たことがある店だがしばらく来てなかった、昼過ぎから近くで予定があったのでその前の腹ごしらえとして久しぶりに行ってみようと思った

事前にホームページで調べてみると先月、店を新築したばかりで驚いた、前の店は老舗らしい風格のある日本家屋であったが、今度の新しい店はモダンな感じの以前と異なるイメージの店になっていた

11時開店なので、11時10分くらいに到着、ドアを開けて入ると1階のカウンター席に案内された、既に何組かの先客が入っていた、カウンターの中は調理場になっており、席からよく見えた、これは粋な設計だと思う、客に作っているところを見せるのは自信の現れであろう、私の席からはうなぎの串差し、蒸し、焼きの状況が良く見えた

ここの鰻重は「い・ろ・は」の3種類、ホームページでそれぞれの写真まで出ているので鰻の大きさが確認出来て有難い、今回は一番安い「い」4,070円を選び、肝吸い440円を付けた、3つの種類の違いは蒲焼の量だけ、私は蒲焼の量が多と食後にずっと蒲焼の匂いがのど元に残り胸焼けがするので好きではないのだ

注文してから出てくるまでは20分だった、こちらのホームページには「今の時代は、時間効率を考え、営業前に白焼きまでを済ませておく鰻屋さんも多く、鰻 はし本でもかつてはそうしていた時代もありましたが、現在は、原点回帰を掲げ、可能な限り仕込みをしないスタイルに。江戸焼が誇る味、食感、香りを余すことなく引き出しています」とあるが、その通りにしたら注文してから出てくるまで1時間近くかかるので、開店直後だけ、あるいはランチタイムだけは下処理を済ませておくのでしょう、それでいいと思う

出てきた鰻重を食べたらおいしかった、関東風の蒸しと焼きの柔らかい鰻であり、箸で直ぐに切れてご飯と一緒にほおばれておいしかった、ご飯の炊き加減もよかったし、肝吸い、お新香もおいしかった、鰻の量もちょうどよかった、店員の方の説明では本日の鰻は鹿児島県産とのこと

さて、料理を待っている間や食べている時に同じカウンターに座っている3,40代の男女が何を注文してどんな話をしているのか聞こえてくる、ビールをたのみ、倶利伽羅焼きや白焼きなどのつまみを食べ談笑している、そのあと酒もたのみ、あとから座った私の鰻重の方が先に出てきた、いったいどういう人なのだろうか、付近は大企業も多く普通のサラリーマン、OLのように見えたが、何か大事な日で休みでも取ってきたのだろうか、余計なお世話だけど・・・・

今回新しい建物になって初めて来たが、何かしっくりとこなかった、前はランチメニューもあり、うな丼1,600円とかもあったが、この日のメニューには普通の鰻重しかなかった、また、予約の客が多かった、設備投資もしたので少し高級路線に変えたのだろうか、私は以前の老舗然とした雰囲気が好きだったが、外国人や社用族狙いの戦略に変えたのかなと思った、文句を言う筋合いはないけど

店を出たら外には数名の行列が並んでいた、早めに来てよかった

ご馳走様でした