草の実窯だより

岐阜県のはしっこの里山のふもとから おりにふれて陶器や窯や、草木の色や雲の様子や…そよっとふく風のようにお伝えできたら

燕のジジは迷わず空へ

2013-07-29 09:56:07 | 日記
7月のある日の午後、ある山際の団地のなかの一軒のお宅の門のわきで、巣立ち間近(と思われる)燕の雛を発見 まだ産毛が残り、飛べない様子でじっと動かない。
頭上では親や仲間が大騒ぎ、お隣の二階の窓の辺りにある巣から落ちたらしい。
戻してはやれないが仲間や親のサポートを信じてその場を立ち去るか、猫やヘビの危険はかなり大きいが それも自然の摂理として手出しはしないほうがよいのか…迷いに迷い、電話でくり猫♂にも相談し、二人でまた迷ったあげく 意を決して我が家へ……

生きるものか駄目なのか…当初は怖くてブログにもできないで何日かが過ぎ、その間もペットショップで生き餌を買ったりいろんなサイトを見たり、バッタやコオロギを捕まえたり…ピンセットでくちばしの所へ持っていくとジャージャーと大きな口を開けるけれど一体どのくらい与えたらよいかもわからず…
いろんなサイトを調べるにつれて無用な手出しだったのかもと思ったり、いやいやあのまま猫に捕られるよりはと思ったり心は揺れつつ後には引けないと心を決めて。
当の燕はそんなことは意に介せぬかのように成長し、ある時放ってある十畳ほどの部屋を何周もぐるぐる飛べるようになり、「燕返し」で機敏に方向転換ができ、それなのにヒトを恐れず手乗り状態になりかけて可愛いけれどこれはまずいと思ったり

一番の心配は自然界でちゃんと餌がとれるかということにつきるのだけれど、こればかりは当たり前だが教えられない

部屋に放った羽虫を追って何度も飛び立つようになったのを確認できたところで、今を逃してはいけないと決心
よく晴れた日曜日の午前中、仲間がいる場所を選んで放鳥
ひそかに鳴き声からジジと名付けていた シャープで美しい体型の小さい鳥は、何の未練も迷いもなく 一気に空高く飛び上がり 大きく旋回して小さな点になり もう一度何羽かの燕が低く来た時は、もうどれがジジなのかわかりませんでした
この間、われもこうでの展覧会の間、私たちよりも熱心に面倒を見てくれたくり猫♂の弟夫婦、ありがとうございました
また、いちばん参考にさせていただいた京都の野鳥の会の方のピッピという名の燕の放鳥に関する記事、ありがとうございました
そして、燕を一時でも保護したら届けなければならないのに届けなかったこと、ごめんなさい