おれは火星にあるRE出版の編集長だ。前回の宇宙で、地球の別な自転要素を考えよう。こんどは太陽電池の原理だ。太陽の光が当たる部ぶんは光を反射して、当たらない部ぶんは光を吸収する。太陽の光が、大気圏の、すぐ外側にある時空の谷間を、通過する時間差を七分としよう。そうすると夕陽は地球の、公転方向の外側に向かって七分長く照らして、日の出は七分遅れることになる。つまり大陸や海面による反射と吸収で地球が少しずつ自転する構造だ。地球の中心はどちらかと、いうと軽い方で自転に関係ない。この地球は夕陽がアジア大陸に当たり始めると、自転速度が速くなる。ちなみに日本の午前九時ぐらいは、米国東部が日の入りで、日本時間の午後から、日の入りに入る境界線が太平洋を横断するわけだ。もしかすると日本の午後は一時間で三~五分くらい長くなっているかも知れない。そこでこういう議論になる。「海面に日が当たると強く反射するのだ」「いや。アラスカの切れ目で自転がとまりそうになるほど遅い」という二つの意見が出るだろう。そして意見は二つ出てもこの、自転方法のときに、「長くなった時間ぶんなにを考えれば最善か」という問題になる。地球上の時間は同じだから、宇宙のことを考えよう。太陽電池方式は一〇万種類ぐらいある地球の、自転要素のひとつである。それでは時空の谷間について考えよう。時空の谷間では粉(ふん)塵(じん)が結晶化して、大きくなることがある。木星の、重力の谷間に小惑星群があることは有名だ。結晶化した粉塵はそれほど大きくなる前に、地球か月に落下する。そこで前回の超能力だ。結晶化した粉塵は地球の大気圏で燃えつきるがそこを「太陽で燃えつきる」にねじ曲げよう。太陽は渦巻く水流のように粉塵を吸収して燃焼させていた。われわれは地球の読み書きがままならぬやつに、この宇宙を推奨している。人間の果てしない潜在能力みたいな物を感じるだろう。逆を言えば地球で有識者の多くが、読み書きがままならぬやつと同じ宇宙を共有している。重力の境界から結晶化した粉塵が、太陽に落下するのも確かだが、落下しないで高速回転する物やどんどん大きくなる物があることも事実だ。そして最大の神隠しと、言える「太陽は誰が燃焼させ始めたか」という問題は「哺(ほ)乳(にゅう)動物たちの超能力で燃焼してる」でいいだろう。宇宙空間は果てしなく無限で未知数な人間の超能力が渦巻いているに違いない。