むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説⑫

2019-04-18 14:30:01 | 小説

 出版社というところは会社でありながら銀行からお金を借りるのに四苦八苦している。本という物は古代から間違ったことが書かれていて、「それは間違ってる」などの声が「おもしろい」や「役立つ」という理由で現代まで継承されていて実に騒々しい。現代において未来はあるのだろうか。

 

   サイパンの戦い

 一八日目朝。

M 昨日無理して五〇人腰痛になった。少なくだ。

 竹田に行かせる。死体回収は午前一一時まで。

米囚人パイロット 今日はおれの出番だ。前線の目玉を全部焼いてやる。

「対空砲がマッピ山の他にあるけど」

米囚人パイロット 指示があったらだ。

米軍将校八 兵員があまっている。生きて帰ってこられるからな。

「分断面をM三からM五まで後退させよう。M二までを宿営地にできる」

米軍将校八 戦車二〇台。新兵六〇〇人。

 今日の空爆はあいつが担当だ。

米囚人パイロット 他のパイロットはマッピ山でいいぜ。

「なん機」

米囚人パイロット 今日三〇機に明日二〇機。

「どうして」

米囚人パイロット 囚人兵の合図を使っている。

米軍将校八 爆撃コンテスト三〇機だ。

 今日はゆっくりでいい。

M 死亡一八三名。捕虜四五七名っ。

米軍医 明日未明にDデイ。

M 累計死者九六五〇人。


 一九日目朝。

 宮川に行かせた。死体回収が午前九時まで。もらい物が缶ビール五〇ダース。

「今日は最終日」

米軍将校九 午前九時より航空爆撃。午後五時まで。

「一日じゅうか」

米軍将校九 戦車三〇台。新兵五〇〇人。

「午後からもう一回だな。機銃は」

米軍将校九 戦車のかずだけだ。

「長野君、対空砲を使えるか」

長野君 一機ずつなら撃ち落とせますが二機ですと後ろのやつに爆撃されます。

「合図はラスト。前線側の対空砲二台を使って」

長野君 どうやって誘導しますか。

「発煙筒をたけば味方だと思って一機だけ残る」

 午前九時。上板を戦車三〇台と新兵五〇〇人が進む。戦車後方に機銃と弾薬箱を積んだ荷車がある。前線に一〇、山側に二〇。前線は竹田、山側は僕と宮川で壊す。

「曲射砲部隊全員で山頂に集合。試合観戦」敵軍から奪った缶ビールだ。

「煙が見えたらわめけ」

 米軍将校九人が下板を馬で走りまわっている。空爆が始まった。全部で一〇機。

「長野君、最後の一機になったらだ」

長野君 赤い煙が出るやつですね。

「ラスト」

長野君 はい。命中。

 対戦車砲の操作は撃ち出し軸を直線でとらえることだ。曲射砲の使い方も同じだが曲がりを予想しなければならない。機銃が下の目玉を撃ち始めた。曲射砲を機銃に向ける。弾をからだで受けとめろ。最初の機銃が壊れる。あと一九。

「曲射砲で機銃を壊すときは、弾を磨け」

三三二三の悪魔 途中を省略します。
 
 (不明な声)ワタシは墓地の近くに住んでます。

 なんの声だ。髪がくり色でショートカットの女。顔はよくわからないけど米国人。機銃の会社だな。不具合品だ。

三三二三の悪魔 ストレートヘアーが出現。

北条政子 十字架のかずが一万になった。

 機銃は先着一名。はい。命中。あと一。

 次は戦車。車体じゃなく砲を斜めにするんだ。被弾したときのダメージを軽減できる。はい。命中。

「他に嫌な位置は。あれか」はい。命中。

長野君 捕虜の確保がやりづらくなる位置にある戦車ほど命中率が高いです。

 正面の戦車。側面を向けている。後続部隊から見えるだろ。はい。命中。

 最後の機銃が前にきている。髪がくり色の米国女。頭に指を当てている。カウボーイ側を狙ってだな。

 ワンストライクから変化球をゾーンに呼び込んでフルスイング。男の声だ。はい。命中。最初のストライクは、なにを狙うんだ。

「ライトパープル」さっきよりも緩慢だな。もう少しで味方に命中する。

「長野君、ラスト」

長野君 はい。命中。

米軍将校一〇 午後六時からDデイ。戦車二〇〇台。機銃二〇〇丁。兵員一万人と海水蒸留装置の破壊工作員五〇〇人。

「長野君、対空砲中止」盾(人質)を確保して米軍将校九まで歩いて三〇〇m。

長野君 サインボードを渡しておいてください。

 米軍将校九が飛行機に手を振る。飛行機が帰っていく。

M 死亡六九九名。捕虜四二一名っ。

米軍医 神社から書類がきてるよ。

 明日午前七時四〇分にマッピ岬。トラック島(サイパンにわりと近い日本軍の航空基地)から輸送用の潜水艦がくる。

 Dデイ(物量作戦)が始まる。

 曲射砲部隊に突撃指令書を手渡す。紙に米軍のマークがプリントされていて、浪人名と神社から命名された戒名が書かれている。

 小銃使いに三番トーチカの貴重品を運ばせた。

M 阿片を多めに配ったぞ。特製ジグソー弾三千発をタッポーチョ山の頂上に置いてある。

 

    つづく