むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説⑩

2019-04-16 13:36:36 | 小説

 サイパンの戦い。


 一四日目朝。

 竹田に行かせた。死体回収の協定書にサイン。

 昨日はマッピ山の対空砲で一〇機撃墜した。故障した対空砲を仕切り岩に設置。表面をつやつやに磨いてある。

米囚人パイロット それ午後からおれがやる。テニアン(サイパンに近い戦場の島)で目玉が焼かれている。あれじゃ目立つ。

米軍将校四 午後一時に戦車一〇〇台。YYY師団一三〇〇人。

 ポイントMの分断面は海岸まで距離がある。今日は分断面をM二に後退させよう。

米軍将校四 商談成立だ。

「同じことをやっててどうして気づかないんだ」

米軍将校四 特級酒の効能だろう。対戦車砲を、撃ってる写真をあとで送ってくれ。戦車のそばが審判だ。

百合子 戦闘シーンの変化がない部ぶんを省略して。

M 死亡一一一七名。捕虜三八三名っ。

 


 一五日目朝。

 百合子に行かせた。死体回収が午前一二時五五分まで。

「飛び石作戦で今日はカウボーイ」

米軍将校五 戦車一〇〇台。わが最強部隊一〇〇〇人。
「昨日よりも少ないな」

米囚人パイロット 前線を突破されたらどうする。

M スポーツと間違えられたらありうるな。西側にある海水蒸留装置の方が、出力が大きいぶんすぐ視野に入る。あれを使うしかないだろう。

「装兵(ゴムの着ぐるみ装備。歩けるが武器は持てない)三体とカウボーイの対戦だ」

米囚人パイロット 陸軍の特殊兵器なんだろ。

「今日のマッピ山は、一〇機撃墜の予定だ」

米囚人パイロット 関係ないな。

 うそだな。マッピ山の対空砲を木でできた模型にした。

 曲射砲部隊が調理場で土俵を作って、相撲をしている。

長野君 斬り込みの保険が切れました。以後小銃使いだけ記述します。

M 四〇人腰痛になった。少なくしてくれ。

米軍将校五 戦車五〇台。うちの部隊五〇〇人だ。

 午後一時。マッピ山の対空砲陣地がナパーム弾で焼かれた。

 今日は百合子が主催だ。

M 百合子は敵の砲手やパイロットに、痛みを連鎖させる研究の第一人者。

長野君 おもに急所を外す戦法の専門でしたが省略してます。

 米軍将校五が馬に乗っている。

米囚人パイロット二 山の尾根に狙撃手がみえた。おれなら爆撃できる。

「ライトパープル(空爆)。囚人パイロットが他にいた」

米囚人パイロット 指揮官が違うやつだぜ。

「ライトパープル。五分で真上だ」

「退避しろ」弾はいくつだ。

米囚人パイロット ひとつが二発だ。それ以上は味方に当たる。

 飛行機がやってくる。偽装じゃない目玉に一発と、上空で旋回して別な本物の目玉に一発。対戦車砲の目玉をひとつやられた。

「目玉の、上の岩盤をやられるとまる見えだ」

 午後三時。中央付近に爆撃から退避できる穴がある。小銃使いと僕が行く。Mに合図する。Mは動作がすばやい。袋頭巾を縛って、腰を抜かせて地面に転がして、空爆よけにする。袋頭巾の腰をどこか指圧すると立てなくなってもがく。山すそから装兵三体を登場させた。砲弾の直撃でも倒れて起き上がる。戦車が装兵を砲撃。倒れてまた立ち上がった。米軍将校五が馬に乗りながら目を細めて見ている。

米囚人パイロット二 おれもそれをやる。

 米囚人パイロット二が装兵を爆撃。命中したが起き上がった。

米囚人パイロット二 今日はこれでおしまい。

 装兵が米軍将校五の五〇m前まで進んだ。米軍将校五が馬からおりてタバコに火をつける。

M 死亡三四九名。捕虜二五一名っ。腰痛がなおったぞ。

 

   つづく