サイパンの戦い
三三二三の悪魔 この章では、ある総合体の成り立ちがテーマです。
四七四三の悪魔 日本が米国の植民地じゃないことを、証明するそれの存在がIQ一三〇ぐらいだけど、医療関係者が占領していて高い感じがない。先に説明すると死んだ米国囚人兵の総合体をつくったわけよ。これがあれば幽霊と対話してもからだがかたまらないわ。
昭和一九年六月一六日未明。サイパンにて。以下は南雲のつぶやき。海水蒸留装置の場所をわからないように、するために普通のパイロットを特攻艇でロタ島(近くにある)へ送った(島民は本土側の別な島に避難している)。
「ナビケート作戦成功」
「積み荷は世界のくそ野郎どもだな」
「相手の痛みを感じるんだ」山から遠い南側に上陸しろ。
捕虜五名確保。国際刑事機構のテント設営係。
「さっき死んだやつの罪状は」
刑事(米国にいる) 武器ブローカーが車で無実な人間をひき殺した。
「日本兵を撃つと減刑されるんだな」
西村(四〇代の女性兵士) あなたたちは大日本帝国の物になりました。その衛兵(M)が持ってる石、それがあなたたちです。
二日目。
「戦車砲(対戦車砲)を撃てるやつは三人」一台を一分だ。山の表面に洞窟陣地をくまなく造ってある。
「囚人トーチカ(機銃の射手。帝国刑務訓練生の略称)一人で一〇〇人死傷が定量。無理はするな」
「ノズル(火炎放射器か装備した米軍兵士)の噴射距離は約二〇m」
「捕虜一三名。国際凶悪窃盗団追跡機構のテント設営係。さっき死んだやつは」
設営係 駄菓子屋の老女を殺害した。
「発砲してこないとわからない」
三日目。早朝に捕虜を解放。
「ナパーム弾(重油が炸裂する航空爆弾)で対空砲がほとんどやられた。弾切れだった三台だけ使用可能」
「天井から家に入ってきたやつは全員射殺だ」
僕が最前線に出て捕虜を獲得、するのを忘れた。米軍の衛兵が死体を運んでいる。
四日目朝。通訳の孫タイテン(台湾人)を投降させた。日本語と英語を少し話せる原住民だ。米軍司令室のテントに行け。
長野君(長野県出身の青年将校。二〇代で長髪。武器のとり扱いが上手) 漢字の「行く」と、ひらがなで「いく」と書く場合の違いは。
「動作がわかりやすくなる場合は漢字で、他は『いく』」
曲射砲部隊が中央の坑道で軍刀片手に勝ちどきをあげている。
「長野君。曲射砲部隊の解説して」
長野君 曲射砲部隊は人斬り人形とイコール。全員カウント一〇〇以上の軍神です。
五日目。
M 普通の弾じゃ急所(頭か胸)を外したときに、射手がダメージを受けるようだ。ダメージの症状はからだに重圧感が蓄積されて、やがて腰痛になる。弾を全部ジグソー弾(魔石で先端に丸い傷をつけた弾)にするから手伝ってくれ。
長野君 ジグソー弾は痛みの連鎖を防止する他、魂の総合体を合成すると予想されます。
北条政子(幽霊か時空を越えた五〇歳前後の女) 北条家のやぶさめ場に十字架を並べるがよい。
M 捕虜一三名。
「航空爆撃をどうにかしないとな」
長野君 航空爆撃を防ぐために、急所を、外す作戦を実行しますが省略します(パイロットに痛みが連鎖すると爆撃できなくなる)。
六日目朝。捕虜を連れて竹田(対戦車砲の名手。四〇代の男でやや長髪)固定した座標へ正確に砲撃するのが得意)に行かせた。MP(戦場監視員)腕章をした身長一九五㎝ぐらいの男が、捕虜の受けとり証にサイン。
「それ軍医だろ。テント(志願兵)のサインを聞き出せ」
空爆が激しくなった。小銃部隊が最初はわざと外してからノズルを仕とめる。忍びの手口だ。袋頭巾(捕虜にかぶせる布かか捕虜がかぶった状態)一一名確保。
「長野君、東側に囚人トーチカを配置して。近いのは目玉(横穴)から撃っていいよ」
「なにもかもよこあながわるいのでございましょう、ひとがうまれるんはよこあなのせい、ひとがしぬんはよこあなのせい」
「長野君、死に神の特性を説明して」
長野君 戦場では無線機等を使用しなくても、死に神の回線で会話ができます。
M 死亡総計二〇〇名。捕虜三一名っ。
つづく