むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説⑧

2019-04-14 14:17:50 | 小説

 太平洋戦争開戦のあらまし。日中戦争開戦後に、日本各地にあった文銭宿をとり壊したため、日本国内の公共施設は気まぐれで帰ってきた人殺しがたむろしてあふれかえっていた(中国側で人殺しは帰国させた)。一方米国では禁酒法時代の犯罪者が刑務所に収容しきれなくて野放しになっている状態。そこで両国が示し合わせて太平洋戦争開戦となる。サイパンの戦い一〇日目で、囚人トーチカの二〇〇人撃ちが炸裂(弾薬を補充しながら岩陰を移動して仕とめていると思われる)。


 一一日目朝。

 百合子が東側で待つ。トラック一五台と米軍医が来た。

米軍医 司令室で手続きを。

 司令室に着く。通行帯を造って、死体を回収する協定書にサイン。南雲忠一。

長野君 漢字の「造る」と、ひらがなで「つくる」と書く場合は。

「ありふれた物は造るや作るで他はひらがな。他の漢字も長野君にまかせるから必要なときは言って」被弾した戦車を解体してトラックに積んでいる。

 午後一時に最後の死体を乗せたトラックが基地へ帰った。

米軍医 ごきげんよう。

 どういう意味だ。

 飛行機がやってきてタッポーチョ山の目玉をナパーム弾で焼き払った。飛行場に戻って爆弾を積んで戻ってくる。所要時間一八分。小銃使いに退避を指示。一週間なにをやっていたんだ。

 西側の最前線に向かって戦車が進む。米軍将校が馬に乗っている。戦車を追い抜いた。水筒を持っている。前線の二〇〇m手前でとまって馬に水を飲ませた。戦車は五〇台。

 高射砲三台を海岸に設置している。弾薬が一五〇個。高射砲から見えるように軍服を置いた。五mそばに被弾したが人間なら岩の陰。

米囚人パイロット 人間に当たるだろ。

長野君 茶髪イギリス人で同時通訳ができます。

 タッポーチョの頂上で孫タイテンが合図している。生っ粋の米軍指揮官がカウボーイで奇数。突撃の恐れあり。今日が一だな。米囚人パイロットが休憩所でピーナッツを食べている。

 午後三時。分断面(後続部隊を遮断する作戦)は斬り込みと小銃部隊。タッポーチョ山の頂上に向けて曲射砲部隊を配置。今日はわかりやすい。ちびがわざとらしく動きまわっている。海岸に二〇〇人、最前線に二〇〇人、山側に二〇〇人、高射砲のそばに一〇〇人。
紫式部 ひんがしにイ。

米囚人パイロット その、三体ミックスの化け物はいつ出てくるんだ。ピーナッツなら食べほうだいだぜ。

 戦車が次々と被弾する。

長野君 分断面で遮断後に戦車を被弾させて記述は省略ですね。

 斜面の兵士を小銃で撃つ。曲射砲部隊が山の頂上で万歳三唱を始めた。

「静かに観戦しろ」

「高射砲のやつらは、なんのためにきてるんだ」なにか忘れた。砲撃するごとになか指を立ててなにか叫んでいる。

 斬り込みが投降兵を囲む。太っているやつの手もとをよく見ろ。高射砲の交替要員が両手を上げる。山を自由の女神に見立てて砲撃すると女神がなにかしゃべるんだな。小銃使いにうながされて米軍将校がタバコへ火をつけて、馬を返した。

M 死亡五二九名。捕虜二七一名っ。腰痛がなおった。指揮官の投降には立ち会った方がいいんじゃないか。

米軍医 水をお忘れなく。

 一二日目朝。

 宮川(三〇代後半の男。対戦車砲の名手。動いている戦車に命中させることが得意)に行かせる。宮川がスーツの男から、特級酒がいろいろ入った段ボール箱をもらってきた。

「水で薄めて曲射砲部隊に配って」

 調理場で曲射砲部隊が大鍋を三〇個並べて、水を沸騰させて、大豆をひとつかみずつほうり込んでいる。

「自ぶんが食べるだけにしろ」

 ちょんまげの男が大鍋ひとつひとつにつばを吐いていた。食用じゃないようだ。全員でつばを吐き始めた。

 マッピ山(島の北端にある)の対空砲を空爆している。小銃使いに対空砲で一〇機は撃ち落とされるはずだ。

「戦車一〇〇台。新兵二〇〇〇人。午後三時まで記念撮影」米軍将校二と目が合った。了解だな。

米軍医 流れ弾をよけてね。

 今朝は開始時間を協議してない。タッポーチョ山に新兵一〇〇〇人がやってきた。下で戦車の残骸を片づけている。

「頂上に向かってる部隊を西側面へ」頂上付近で撃ち合うと死体の片づけが大変だ。

H.スミス 私の指示だ。

 南側の斜面から西側へ移動させている。

 曲射砲部隊が大鍋に一セント銅貨をほうり込み始めた。

M なにかに使うんじゃなかったのか。

百合子 もう必要ないわ。

「長野君、なにをやってる」

長野君 小銃の連続撃ちして遊んでます。

 曲射砲部隊が軍刀で鍋をたたき始めた。くるみの樽を見つけて全部ひっくり返して奪い合っている。米軍将校二に合図した。

「妹がいるやつは南斜面へ」

米軍将校二 妹も「戦うように」と言っている。

長野君 文章が出てきました。

 

 アレックス・ロドリゲス少尉二五歳は太平洋戦争の、最前線の戦場に立っていた。ロドリゲスはアラバマ州の農村出身で、ロドリゲスの家族は、農機具の修理をして、生計を立てている。ロドリゲスには一〇歳年下の妹がいて、酪農家の息子が興味を抱いていた。ロドリゲスの祖父は南北戦争で、南軍で戦っていたが酪農家の先祖は北軍だ。酪農家には修理工がいて、ロドリゲス一家と交流はないが、酪農家の息子が妹につきまとっていた。ある日妹が酪農家の納屋で乱暴される。ロドリゲスは酪農家の家に押し入って息子をハンマーで殴り殺した。裁判は農機具を販売する目的で、妹が酪農家の息子を誘惑したとして、ロドリゲスは死刑の判決を受ける。当時二四歳だった。
 ロドリゲスは部下を五人連れてタッポーチョ山にある洞窟の入り口で、日本兵に投降を呼びかける任務だ。情状酌量の余地を求めてロドリゲス裁判は三回行われたが、妹が酪農家の修理工と結婚したためにくつがえることなく終了する。ロドリゲスは妹に裏切られた思いと異国の地で、第二の人生を迎えることに、希望を持っていた。呼びかけの文面は「日本兵のみなさん。このままでは食料が尽きて全員飢え死にをしてしまいます。投降すれば命は保証しましょう」だ。ロドリゲスはジャップを殺さなくても、東京を壊滅させれば自ぶんは自由の身になれると確信していた。スピーカーをセットして、文面を読み上げる。そのとき「有罪だ」と言う、叫び声とともに銃声がしてロドリゲスは胸を撃たれて即死した。

 

「全員だな」風上から発煙筒をたく。小銃使い二〇人が走り撃ち(走りながら横向きに小銃を発射する)で、ひとりで五〇人ぐらいを撃つ。

 昼すぎに別な新兵一〇〇〇人と戦車一〇〇台がやってきた。地図を持っているやつが多い。米囚人パイロットが昼寝をしている。

「巨大クラブで暴動。全員射殺」タオルかベルトかちびだ。

米軍医 紙を持ってるやつは大学生。

「さあ僕の目をよく見て。くり毛の巻き毛女を思い出すんだ。金髪でショートカットの田舎娘を思い出せ」

米軍医 大学生になにか言うと、未来形になるよ。

 西村がサインボードで大学名を聞いてる。

M 死亡一三二三名。捕虜八七七名っ。

米軍医 明日司令室まできて。

米軍医二 明日精鋭部隊が死体の回収に向かう。

 

   つづく