むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説⑨

2019-04-15 16:20:11 | 小説


 一三日目朝。西村が捕虜八七七名を連れて待つ。

西村 毎日こんなことをやってたら気が狂うわ。

 捕虜が穴から出ると一斉に立ち小便をする。軍用車(ジープ)が来て、トラックが整備中だから全員歩くように指示した。司令室に着く。

米軍医 これが死体回収の協定書で、こっちが山頂の協定書。山頂は君のサインでいい。

 干し牛肉の缶をひと箱よこす。

米軍医 いらないのかい。

「金髪でショートカットの田舎娘だ。それもらって」食品会社のなにかだろう。

 西村が干し牛肉の箱を持って帰ってきた。

(不明な声)おれの、なれの果てに変なことすんなよ。

 なんの声だ。

三三二三の悪魔 ブロンドヘアーが出現。魂の総合体です。

北条政子 十字架に金細工をほどこした。

 曲射砲部隊がドラム缶で水を沸騰させて、焼けた石をほうり込んでいる。

「全部蒸発させろ。どこで売ってるんだ」

米軍将校三 戦闘開始は午後一時。訓練じゃない。

「新兵は、なん人」

米軍将校三 一〇〇〇人。

「精鋭部隊は」

米軍将校三 個人プレーがゲームを動かす。

 タッポーチョ山の頂上で、孫タイテンが囚人のサインを出している。精鋭部隊は別に五〇〇人。

M 指揮官が囚人なわけだ。

 午後一時。戦闘開始。戦車八〇台。そばに一二、三人ずつ。山では精鋭部隊が目玉を探している。タッポーチョ山で五〇〇人の半数が倒れている。衛兵がこない。

米軍医 さっき行った。戦車の前がランナーだ。

 小銃使いに、残りを片づけるように指示する。

長野君 陽動作戦のフレーズを発表します。

西村 あなた恋人はいるの。二人の結婚には難しい問題があるわ。あなたは短気で、向こう見ずであとのことを考えない。

小銃使い 米兵に言ってください。

「野球場で暴動。全員射殺だ」まずはピッチャー返し。

米軍医 ストライクゾーンが広いとどうなりますか。

 ワタシがキョかします。

 今朝の、金髪のショートカットだ。花柄模様のワンピースを着ている。

長野君 スローガンを以下省略ですね。

 小銃使いが忍びの手口(わざと足もとの小石などを撃って軍人かどうか確認する)で米軍将校三を撃つ。Mが袋頭巾を包帯で縛り上げる。

M 死亡一一六九名。捕虜四九一名っ。


    つづく


超IQ研究所 太平洋戦争概説⑧

2019-04-14 14:17:50 | 小説

 太平洋戦争開戦のあらまし。日中戦争開戦後に、日本各地にあった文銭宿をとり壊したため、日本国内の公共施設は気まぐれで帰ってきた人殺しがたむろしてあふれかえっていた(中国側で人殺しは帰国させた)。一方米国では禁酒法時代の犯罪者が刑務所に収容しきれなくて野放しになっている状態。そこで両国が示し合わせて太平洋戦争開戦となる。サイパンの戦い一〇日目で、囚人トーチカの二〇〇人撃ちが炸裂(弾薬を補充しながら岩陰を移動して仕とめていると思われる)。


 一一日目朝。

 百合子が東側で待つ。トラック一五台と米軍医が来た。

米軍医 司令室で手続きを。

 司令室に着く。通行帯を造って、死体を回収する協定書にサイン。南雲忠一。

長野君 漢字の「造る」と、ひらがなで「つくる」と書く場合は。

「ありふれた物は造るや作るで他はひらがな。他の漢字も長野君にまかせるから必要なときは言って」被弾した戦車を解体してトラックに積んでいる。

 午後一時に最後の死体を乗せたトラックが基地へ帰った。

米軍医 ごきげんよう。

 どういう意味だ。

 飛行機がやってきてタッポーチョ山の目玉をナパーム弾で焼き払った。飛行場に戻って爆弾を積んで戻ってくる。所要時間一八分。小銃使いに退避を指示。一週間なにをやっていたんだ。

 西側の最前線に向かって戦車が進む。米軍将校が馬に乗っている。戦車を追い抜いた。水筒を持っている。前線の二〇〇m手前でとまって馬に水を飲ませた。戦車は五〇台。

 高射砲三台を海岸に設置している。弾薬が一五〇個。高射砲から見えるように軍服を置いた。五mそばに被弾したが人間なら岩の陰。

米囚人パイロット 人間に当たるだろ。

長野君 茶髪イギリス人で同時通訳ができます。

 タッポーチョの頂上で孫タイテンが合図している。生っ粋の米軍指揮官がカウボーイで奇数。突撃の恐れあり。今日が一だな。米囚人パイロットが休憩所でピーナッツを食べている。

 午後三時。分断面(後続部隊を遮断する作戦)は斬り込みと小銃部隊。タッポーチョ山の頂上に向けて曲射砲部隊を配置。今日はわかりやすい。ちびがわざとらしく動きまわっている。海岸に二〇〇人、最前線に二〇〇人、山側に二〇〇人、高射砲のそばに一〇〇人。
紫式部 ひんがしにイ。

米囚人パイロット その、三体ミックスの化け物はいつ出てくるんだ。ピーナッツなら食べほうだいだぜ。

 戦車が次々と被弾する。

長野君 分断面で遮断後に戦車を被弾させて記述は省略ですね。

 斜面の兵士を小銃で撃つ。曲射砲部隊が山の頂上で万歳三唱を始めた。

「静かに観戦しろ」

「高射砲のやつらは、なんのためにきてるんだ」なにか忘れた。砲撃するごとになか指を立ててなにか叫んでいる。

 斬り込みが投降兵を囲む。太っているやつの手もとをよく見ろ。高射砲の交替要員が両手を上げる。山を自由の女神に見立てて砲撃すると女神がなにかしゃべるんだな。小銃使いにうながされて米軍将校がタバコへ火をつけて、馬を返した。

M 死亡五二九名。捕虜二七一名っ。腰痛がなおった。指揮官の投降には立ち会った方がいいんじゃないか。

米軍医 水をお忘れなく。

 一二日目朝。

 宮川(三〇代後半の男。対戦車砲の名手。動いている戦車に命中させることが得意)に行かせる。宮川がスーツの男から、特級酒がいろいろ入った段ボール箱をもらってきた。

「水で薄めて曲射砲部隊に配って」

 調理場で曲射砲部隊が大鍋を三〇個並べて、水を沸騰させて、大豆をひとつかみずつほうり込んでいる。

「自ぶんが食べるだけにしろ」

 ちょんまげの男が大鍋ひとつひとつにつばを吐いていた。食用じゃないようだ。全員でつばを吐き始めた。

 マッピ山(島の北端にある)の対空砲を空爆している。小銃使いに対空砲で一〇機は撃ち落とされるはずだ。

「戦車一〇〇台。新兵二〇〇〇人。午後三時まで記念撮影」米軍将校二と目が合った。了解だな。

米軍医 流れ弾をよけてね。

 今朝は開始時間を協議してない。タッポーチョ山に新兵一〇〇〇人がやってきた。下で戦車の残骸を片づけている。

「頂上に向かってる部隊を西側面へ」頂上付近で撃ち合うと死体の片づけが大変だ。

H.スミス 私の指示だ。

 南側の斜面から西側へ移動させている。

 曲射砲部隊が大鍋に一セント銅貨をほうり込み始めた。

M なにかに使うんじゃなかったのか。

百合子 もう必要ないわ。

「長野君、なにをやってる」

長野君 小銃の連続撃ちして遊んでます。

 曲射砲部隊が軍刀で鍋をたたき始めた。くるみの樽を見つけて全部ひっくり返して奪い合っている。米軍将校二に合図した。

「妹がいるやつは南斜面へ」

米軍将校二 妹も「戦うように」と言っている。

長野君 文章が出てきました。

 

 アレックス・ロドリゲス少尉二五歳は太平洋戦争の、最前線の戦場に立っていた。ロドリゲスはアラバマ州の農村出身で、ロドリゲスの家族は、農機具の修理をして、生計を立てている。ロドリゲスには一〇歳年下の妹がいて、酪農家の息子が興味を抱いていた。ロドリゲスの祖父は南北戦争で、南軍で戦っていたが酪農家の先祖は北軍だ。酪農家には修理工がいて、ロドリゲス一家と交流はないが、酪農家の息子が妹につきまとっていた。ある日妹が酪農家の納屋で乱暴される。ロドリゲスは酪農家の家に押し入って息子をハンマーで殴り殺した。裁判は農機具を販売する目的で、妹が酪農家の息子を誘惑したとして、ロドリゲスは死刑の判決を受ける。当時二四歳だった。
 ロドリゲスは部下を五人連れてタッポーチョ山にある洞窟の入り口で、日本兵に投降を呼びかける任務だ。情状酌量の余地を求めてロドリゲス裁判は三回行われたが、妹が酪農家の修理工と結婚したためにくつがえることなく終了する。ロドリゲスは妹に裏切られた思いと異国の地で、第二の人生を迎えることに、希望を持っていた。呼びかけの文面は「日本兵のみなさん。このままでは食料が尽きて全員飢え死にをしてしまいます。投降すれば命は保証しましょう」だ。ロドリゲスはジャップを殺さなくても、東京を壊滅させれば自ぶんは自由の身になれると確信していた。スピーカーをセットして、文面を読み上げる。そのとき「有罪だ」と言う、叫び声とともに銃声がしてロドリゲスは胸を撃たれて即死した。

 

「全員だな」風上から発煙筒をたく。小銃使い二〇人が走り撃ち(走りながら横向きに小銃を発射する)で、ひとりで五〇人ぐらいを撃つ。

 昼すぎに別な新兵一〇〇〇人と戦車一〇〇台がやってきた。地図を持っているやつが多い。米囚人パイロットが昼寝をしている。

「巨大クラブで暴動。全員射殺」タオルかベルトかちびだ。

米軍医 紙を持ってるやつは大学生。

「さあ僕の目をよく見て。くり毛の巻き毛女を思い出すんだ。金髪でショートカットの田舎娘を思い出せ」

米軍医 大学生になにか言うと、未来形になるよ。

 西村がサインボードで大学名を聞いてる。

M 死亡一三二三名。捕虜八七七名っ。

米軍医 明日司令室まできて。

米軍医二 明日精鋭部隊が死体の回収に向かう。

 

   つづく
 


超IQ研究所 太平洋戦争概説⑦

2019-04-13 14:22:42 | 小説

 前回までのあらすじ。サイパンの戦い九日目に、南雲がH.スミスと島の東側を、中立地帯にする協定を結んだためとりあえず海水蒸留装置の安全が確保された。


 一〇日目朝。

 竹田が東側で待つ。トラック六台と年配な方の米軍医が来た。

米軍医 海水蒸留装置がこの近くにあるんだろ(イギリス人カメラマンで同時通訳している)。

 曲射砲部隊の一番強いやつをみせた。

米軍医 午前九時まで死体回収。そのあと非正規傭兵。

 米軍医から長さ二mの室内用水道管をもらった。なにか書いてある。タラワ、クワゼリン、ニューギニア。(タラワとクワゼリンは日本軍が玉砕した島でニューギニアは不明)。

 洞窟内でカメラの前に曲射砲部隊が集まってVサインをしている。

長野君 百合子(七三一部隊からきている女性特務兵)の写真を撮ろうとした軍神一名が突然死しました。

M 貴重品は三番トーチカ(暗号)だ(霊体を物に置きかえる)。

 午前九時。タッポーチョ山に猛獣のような兵士たちが上がってきた。おとりがすばしこく動いて銃口を探す。精鋭部隊だ。正面に一〇〇人、西側面に二〇〇人。東側は中立地帯だ。

「正面に曲射砲部隊。西側面に小銃部隊っ」

米軍医 午後から新兵の訓練。

M ちびがどっちか確認するんだ。

 小銃使いが精鋭部隊を撃つ。

「出身国と組織名を聞くんだ」山の側面と正面が片づいた。もうひとりの高年な陸軍将校が大砲を目玉に運んでいる。

「戦車が通過したあとの通行帯を砲撃して。被弾した部分が機銃陣地に見える。それとあそこの平らな場所を穴だらけにすれば近づけない」

長野君 上板と下板間の仕切り岩には、穴が複数あって有利に戦えます。

「今朝の水道管をポイントM付近に立てて」

長野君 西側はタッポーチョ山から北に向かって、M~M五の区画にわかれててコンクリートポールが建ってます。文章が出てきました。

 

 昭和一九年六月。アメリカ軍のトーマス・ジュライド少尉二二歳はサイパン島で戦っていた。その日はハワイ向けに「軍部がクーデターを起こして、内乱が発生してることを日本人のせいにしてる」と放送している電波発信施設を破壊する任務だ。トーマスは四名の破壊工作部隊を率いて、海岸付近のコンクリートポールに電線などがついてないか調べていた。トーマスは一〇代の頃に、イタリアマフィアにあこがれて、支配下の組織に入る。移民を相手に「英語がぺらぺらとしゃべれるようになる薬だ」と言って、麻薬を密売していた。二〇歳のときにトーマスが密売した麻薬で、死者が出たために逮捕されて死刑判決を受ける。獄中でトーマスは古代ローマの、弁論家の必殺わざに「アーアーアー」があるかをいつも考えていた。相手の真剣な語りに対して「そんなことばを聞く必要は、ない」と念じながら、「アー」と叫ぶ。そういう弁論家が存在していたと感じながら勝率を想像した。戦争が始まって軍に招集されたトーマスは、ジャップを撃ち殺せば自ぶんが戦死したことになって、自由の身になれると考える。山に立てこもるジャップはいずれ食料が尽きて、投降者が続出してそれを撃てばよいと考えていた。日本軍が構築していた高さ三mほどの白いコンクリートポールは全部で五か所確認される。最初のコンクリートポールからは電波が発信されておらず、トーマスの部隊は二つ目に向かう。海岸付近は平坦な地形であったが、ジャップが潜んでいる可能性は無数にあった。ジャップの攻撃を回避する方法はただひとつ「停止しないこと」である(停止すると威嚇するように撃ってくる)。ゆっくりでも動いているときは撃ってこないことが知られていた。二つ目のコンクリートポールは、中央から二本のケーブルが地面につながっている。トーマスはポールの反対側をゆっくりと見た。そこには黒いペンキで「AーAーAー」と書いてある。トーマスは古代ローマの弁論家と、ジャップとの関係を考えて立ちどまった。そのとき銃声がして、日本兵の小銃使いが、撃った弾がトーマスの頭部を貫通する。

 

 新兵一五〇〇人と戦車一〇〇台がきている。午後三時。太陽が西に傾いてきた。戦車が全部被弾。機銃を持った囚人トーチカが、弾薬の箱を片手に持って歩いていった。小銃使いと陸軍の特殊衛生兵Mが出ていく。

「ギャングの銃撃戦に軍隊が出動。全員射殺」死んだらどうする。

「密造酒の売人を撃つんだ。自由の女神を、悪く言うやつを撃て。おれのことを、ちびって言ったやつを撃つんだ」

「生存率二わり。ちびがいる集団。他八わりは死亡」

囚人トーチカが「了解」と言う。

長野君 文章が出てきました。

 

 昭和一九年六月。アメリカ海兵隊ナット・コールマン中尉三七歳はサイパン島で戦っていた。ナットは身長が一五〇㎝で「ちびおじさん」と呼ばれている。ナットは志願兵だが、囚人兵が別人のふりをして、帰国する方法があることを不安に感じていた。囚人兵はいつも自ぶんと体型が似ている志願兵を探して、死に神(米国の死に神は赤ん坊)を観察しているようだ。ナットは志願兵二〇名を連れて日本軍の陣地に向かっていた。後衛の囚人兵二〇名(別部隊)を誘導してから、志願兵は日本軍の捕虜になるためである。日本兵とのサインは、「ちびがいる集団」のためナットを先頭にして、極端に密集しながら進軍していた。やがて日本兵との合流地点まで二〇〇mほどに、近づくと囚人兵たちが囲むように合流してくる。腕をまくって、さそりの入れ墨を見せている男が「誰かと待ち合わせをしてるのか」とナットに話しかけてきた。ナットは立ちどまって小銃を構えながら「ジャップとだ」と、言うとナットの死に神が、「シューティング。ジャップ」と叫ぶ。ナットの部隊は走り出した。囚人兵たちは停止したままだ。岩陰から出てきた日本兵の小銃使い数名がすれ違いに、囚人兵に向かって走っていく姿が見えた。不規則な銃声が人数ぶん聞こえる。しばらく走ると英語のサインボードを持った日本人女性が立っていた。ナットの部隊は全員捕虜になる。

四七四三の悪魔 「米国の死に神」は東京大空襲で出てくるわ。

 

 囚人トーチカ五人で二〇〇人ずつ片づけた。定量の倍。しかも斬り込み装備なし。

長野君 囚人トーチカの保険が切れました。以後斬り込みと小銃使いだけ記述します。

M 死亡一五五一名、捕虜四四九名。二〇人腰痛になった。少なくしてくれ。

米軍医 明日東側で。

   つづく

 解説。米国本土は一九二〇年~一九三三年まで施行された禁酒法によって、密売などを原因とした犯罪が多発。禁酒法がなぜ施行されたかは、「未来が見える鏡」の噂が広まって、政府が調査するために導入されたと考えられる。

   

 


超IQ研究所 太平洋戦争概説⑥

2019-04-12 13:17:49 | 小説

 前回までのあらすじ。南雲は航空爆撃を防ぐために、米兵の死体を刀で固定して生きているように見せた。

 

 八日目朝。

 竹田に行かせた。立てひざのやつをみせるんだ。米軍司令官はおもむろに地雷探査係が斧で一家五人を、惨殺した事件を説明する。

米軍医 検死書類を書けない。

「進軍を片側だけにして」

米軍医 地雷探査係二〇〇人。
 午前九時。西側にだけ部隊がきた。

長野君 西側は海側の下板、山側の上板(高台になっている)にわかれてます。

「一枚板に変換できるね」

長野君 はい。変換しました。

米軍医 倫理協定。午後五時に三一人。明日代表一名。

「僕がか」

 午後五時。東側に米兵を乗せたトラックが来た。斬り込み(鋼鉄線の全身よろい兵士かよろい)で近づくとすぐに投降。

「来たは目の前に来たときだけ漢字」

M 死亡二〇〇名。捕虜三一名っ。


 九日目朝。

 僕が捕虜三一名を連れて司令室に行く。軍医二人とH.スミス(米国海兵隊中将)がいる。

「他に捕虜や負傷兵はいないのか」と孫タイテンが問いかけてきた。

「同時通訳できる茶髪イギリス人カメラマンが曲射砲部隊の写真を撮ってる」と答えた。H.スミスが

「フイルムの残りが少ないだろう」と言う。捕虜の受けとり証とタクシーチケットをくれた。明日から東側にタクシートラックがくるようだ(解放された捕虜の受けとり用)。東海岸の先に海水蒸留装置がある。海水蒸留装置を破壊されると終わりだから助かった。今日から東側は中立地帯。スーツを着た男からフイルムと、細いベルトを受けとって帰る。

「長野君、イギリス人の解説して」

長野君 茶髪イギリス人は日本の映画会社で働いていて日本語字幕を考えながら、写真を撮るそうです。細いベルトがタオルですね。

 タッポーチョの頂上で孫タイテンが手を振っている。サインボードの束を下に置いて去った。
「今日は、なにをやるんだ」

米軍医 新兵の訓練。

 

 昭和一九年六月。アメリカ海兵隊ラスク・ドナルド中尉三〇歳はサイパン島で戦っていた。その日ラスクは、志願兵二〇名と囚人兵二〇名の混成部隊を率いて、前線を突破して二〇〇m進軍して、草を焼いてから捕虜になる任務だ。日本兵とのサインは「細いベルト」で囚人兵に、見抜かれないように、直前まで上着をズボンの外へ出すように指示していた。ラスクの混成部隊は前線を超えて二〇〇m地点に着く。囚人兵三人が火炎放射器で草を焼き始める。しかし囚人兵も上着をズボンの外に出していて見わけがつかない状態だった。するとよろい装備の日本兵が小走りに近づいてくる。五〇mぐらいに近づくと、ぶら下げるように持っていた軽機銃で火炎放射器の三人を続けて撃った。ラスクは全員に武器を、捨てるように指示する。日本兵は後ろ向きで三〇mくらい歩きながらついてくるように合図していた。ラスクと三七名が高さ二mぐらいの穴までついていくと、入り口に日本兵が立っている。入り口の日本兵はベルトを確認すると、囚人兵に一〇ドル紙幣を渡して「チェンジャー」と言って、もうひとつの穴へ行くように指示していた。ラスクが一番後ろで見ていたらもうひとつの、穴の前で、別な日本兵がなにかの値段を書いたボードで説明している。最後の囚人兵がそこへ向かうと、穴から軽機銃を持った日本兵が出てきて囚人兵は全員射殺された。

 

 斬り込みが新兵を機銃で撃つ。

「わざわざ二人で一人を撃つな」

「入社式の会場で暴動。全員射殺だ」戦車のなかになん人いるんだ。

「負傷兵は射殺して」海岸で高年の陸軍将校が、ピストルで負傷兵の頭を撃ち抜いている。

M 死亡一二三名。捕虜一七三名っ。

米軍医 水を一杯やって。

   つづく

   
 


超IQ研究所 太平洋戦争概説⑤

2019-04-11 13:27:09 | 小説

  サイパンの戦い


 七日目朝。
「西村。米軍医と話ができるようにしてきて」ショートパンツにロングブーツ。おかっぱ頭。

M もうひとりの小柄で年配な軍医がなにか言ってる。
「聖徳太子の詔(持っている扇子みたいな物)だ。ボードに書かせろ」筆談ができるな。

長野君 「見える」と「みえる」の違いですけど。
「目で見る場合は見える。他はみえるだ」
「長野君、聖徳太子の解説して」

長野君 聖徳太子は倭人の総合体で読み書きができて、倭人の能力で筆談ができます。

 前線を後退させたことで満足したのか、東側の海岸で米兵が記念撮影をしている。

米軍医 (筆談で)そのとおり。

「テント設営係は」

米軍医 装備をよく見て。

 タッポーチョ(中央の山)を高射砲で砲撃している。イギリス軍の応援部隊だ。二発同時に被弾するとわくわくする。終わったら帰ることだ。西村が帰ってきた。

西村 このままじゃおんぼろ戦艦みたいに沈没するわ。


 西側の平地に二〇〇人ほどやってきた。東側に小部隊が散開している。
「長野君、段落のつけ方を説明して」

長野君 時節の節目と、同一段落だとわかりづらい部ぶんに使用します。
「撃ちながら説明した方が、命中率が高いよ」
長野君 読点は頻出助詞「が」「で」「と」「に」「の」「は」「を」が、ひとつの文で連続しないようにつけますが絶対じゃありません。

「小銃使いを配置」弾をセットして撃つまでに一秒かからない。

「海水浴場で暴動。全員射殺だ」売店の場所をわからないようにしろ。

長野君 戦場では戦闘クライマックスに日がわりのスローガンを提唱します。タオルを持ってるやつは捕虜ですね。文章が出てきました。

 

 昭和一九年六月。アメリカ海兵隊カーク・カウマン中尉三四歳はサイパン島で戦っていた。カウマンの、今日の任務は、戦闘を見届けてから日本兵の捕虜になることだ。この島に飛行場を建設すれば、東京への直接爆撃が可能になるため、囚人兵どもは躍起になっている。カウマンは二〇人の部隊を率いて前線へ向かった。日本兵とのサインは腰にぶら下げたタオルだけで、自ぶん以外は囚人兵だ。誤認されると全員機銃で撃たれる恐れがある。太ったやつが「中尉さん。そのタオルは、なんだよ」と聞いてきた。「応急処置用のタオルだ」と答える。太ったやつが「応急処置ならおれがやるぜ」と言う。カウマンが「停止するとジャップが撃ってくるから、おれがやる」と言ったら、相手は「おれは神戸へ旅行に行ったことがあるんだ」とわけがわからないことを言い出す。そのとき前方に機銃を持った日本兵(恐らく名前が神戸)が立っていた。一、二、三、四、五秒。カウマン以外の二〇人が機銃で撃たれて死んだ。もうひとり日本兵の小銃使いが出てきてカウマンに「ごくろうさん」と言う。そのあと捕虜になって、日本軍の洞窟に連れていかれたがなにをしていたかは覚えてない。

 

「アーケード商店街で暴動。全員射殺」商品は女じゃなくて現金と引きかえだ。
長野君 「引きかえ」は「引き換え」と「引き替え」のどちらか不明な場合が多いことから一部ひらがなです。

紫式部 それはむらやさんがア。
「文字づかいを言うとそれが出てくる」

長野君 紫式部は急所を外す作戦の関係で出現したと考えられますが、進行との関係は不明です。

 東側の部隊を撃つ。死体を生きているように見せる。

 死体の首を固定して、海岸を見ている姿勢にした。

 死体が岩陰から山を見ている姿勢にする。

 ナイフのギブスで腕組みしている姿勢にした。

 立てひざの姿勢は刀を四本使う。
「まだ生きてる。空爆したらだめだ」

M 死亡二〇〇名。捕虜七一名っ。

  つづく
 


超IQ研究所 太平洋戦争概説④

2019-04-10 11:12:32 | 小説


 サイパンの戦い

 

三三二三の悪魔 この章では、ある総合体の成り立ちがテーマです。
四七四三の悪魔 日本が米国の植民地じゃないことを、証明するそれの存在がIQ一三〇ぐらいだけど、医療関係者が占領していて高い感じがない。先に説明すると死んだ米国囚人兵の総合体をつくったわけよ。これがあれば幽霊と対話してもからだがかたまらないわ。

 

 昭和一九年六月一六日未明。サイパンにて。以下は南雲のつぶやき。海水蒸留装置の場所をわからないように、するために普通のパイロットを特攻艇でロタ島(近くにある)へ送った(島民は本土側の別な島に避難している)。
「ナビケート作戦成功」
「積み荷は世界のくそ野郎どもだな」
「相手の痛みを感じるんだ」山から遠い南側に上陸しろ。
 捕虜五名確保。国際刑事機構のテント設営係。
「さっき死んだやつの罪状は」

刑事(米国にいる) 武器ブローカーが車で無実な人間をひき殺した。

「日本兵を撃つと減刑されるんだな」 

西村(四〇代の女性兵士) あなたたちは大日本帝国の物になりました。その衛兵(M)が持ってる石、それがあなたたちです。

 二日目。
「戦車砲(対戦車砲)を撃てるやつは三人」一台を一分だ。山の表面に洞窟陣地をくまなく造ってある。
「囚人トーチカ(機銃の射手。帝国刑務訓練生の略称)一人で一〇〇人死傷が定量。無理はするな」
「ノズル(火炎放射器か装備した米軍兵士)の噴射距離は約二〇m」
「捕虜一三名。国際凶悪窃盗団追跡機構のテント設営係。さっき死んだやつは」

設営係 駄菓子屋の老女を殺害した。
「発砲してこないとわからない」

 三日目。早朝に捕虜を解放。
「ナパーム弾(重油が炸裂する航空爆弾)で対空砲がほとんどやられた。弾切れだった三台だけ使用可能」
「天井から家に入ってきたやつは全員射殺だ」
 僕が最前線に出て捕虜を獲得、するのを忘れた。米軍の衛兵が死体を運んでいる。

 四日目朝。通訳の孫タイテン(台湾人)を投降させた。日本語と英語を少し話せる原住民だ。米軍司令室のテントに行け。

長野君(長野県出身の青年将校。二〇代で長髪。武器のとり扱いが上手) 漢字の「行く」と、ひらがなで「いく」と書く場合の違いは。
「動作がわかりやすくなる場合は漢字で、他は『いく』」

曲射砲部隊が中央の坑道で軍刀片手に勝ちどきをあげている。
「長野君。曲射砲部隊の解説して」

長野君 曲射砲部隊は人斬り人形とイコール。全員カウント一〇〇以上の軍神です。

 五日目。

M 普通の弾じゃ急所(頭か胸)を外したときに、射手がダメージを受けるようだ。ダメージの症状はからだに重圧感が蓄積されて、やがて腰痛になる。弾を全部ジグソー弾(魔石で先端に丸い傷をつけた弾)にするから手伝ってくれ。

長野君 ジグソー弾は痛みの連鎖を防止する他、魂の総合体を合成すると予想されます。

北条政子(幽霊か時空を越えた五〇歳前後の女) 北条家のやぶさめ場に十字架を並べるがよい。

M 捕虜一三名。

「航空爆撃をどうにかしないとな」

長野君 航空爆撃を防ぐために、急所を、外す作戦を実行しますが省略します(パイロットに痛みが連鎖すると爆撃できなくなる)。


 六日目朝。捕虜を連れて竹田(対戦車砲の名手。四〇代の男でやや長髪)固定した座標へ正確に砲撃するのが得意)に行かせた。MP(戦場監視員)腕章をした身長一九五㎝ぐらいの男が、捕虜の受けとり証にサイン。
「それ軍医だろ。テント(志願兵)のサインを聞き出せ」
 空爆が激しくなった。小銃部隊が最初はわざと外してからノズルを仕とめる。忍びの手口だ。袋頭巾(捕虜にかぶせる布かか捕虜がかぶった状態)一一名確保。
「長野君、東側に囚人トーチカを配置して。近いのは目玉(横穴)から撃っていいよ」
「なにもかもよこあながわるいのでございましょう、ひとがうまれるんはよこあなのせい、ひとがしぬんはよこあなのせい」
「長野君、死に神の特性を説明して」

長野君 戦場では無線機等を使用しなくても、死に神の回線で会話ができます。

M 死亡総計二〇〇名。捕虜三一名っ。
 

   つづく


超IQ研究所 太平洋戦争概説③

2019-04-10 09:20:13 | 小説

 マリアナ沖海戦

 昭和一九年六月未明。米軍艦隊がサイパン周辺へ向かっている。日本軍は太平洋の島々で敗戦を重ねて、絶対国防圏のサイパンに迎撃陣地を構築して、南雲(有名な南雲中将がいたかは不明)の指揮で迎え撃つ作戦。小沢艦隊はビアク島(ニューギニアの戦場)奪回作戦に向かっている。
「作戦コード、ナビケーター。周辺じゃなくてサイパンに誘導しろ」
「偵察機が戻ってきた。空母の後方に輸送船が多数」
「潜水艦ノ乗組員ヨリ人員ガ多イ艦ヲ撃沈スルト、構造的ナ問題ガ生ジル恐レアリ」
「うちの宇宙人を使いやがったな」一番前のやつだ。
「先頭の小型船を狙うんだ。幽霊がしゃべってる」
「囚人パイロットが戻ってきた。空母三隻撃沈。総数一五」
「あと一回だけ爆撃しろ」
「人間がいる部ぶんを狙っても命中しない。船の、タイプ別の船内構造を透視しろ」
「無傷の空母が一〇隻」
「普通のパイロット全機出撃。高度を上げて空中戦。正面からドッグファイトを挑みサイパンまで追いかけさせてから、被弾したふりをしながら着水。輸送船に近づくな!(囚人兵が乗っている)」
「三回目の爆撃は中止。囚人パイロットは小沢とともにビアク島へ」

   つづく


超IQ研究所 太平洋戦争概説②

2019-04-09 20:08:56 | 小説

 仮想通貨の注意点がわかった。IQが平均以下になると幽霊(死んだ人間の、生前の声)の声を少し聞いただけでからだが動かなくなることだ。金融機関の人間はIQを高めてお客様へ、死んだ人間のお金を出さないようにしている。

 

 アッツ島の戦い

 昭和一六年未明。アッツ島(千島北東にあるキスカ島と近接した島)にて。地熱発電所を建設中。自称内科医で、本当は外科医の伊藤とおれで医療レセプトをやっている。伊藤の口ぐせは
「読み書きができないと知能指数は平均の一〇〇を超えない」だ。作業員はいくつなのか伊藤に聞くと、
「九〇ぐらいだ」と答えて、
「ダイナマイトを使うときは、一〇〇を超えなければならない」と言う。おれは作業員の、女の声を毎日記録して、爆破作業のときに、一〇〇を超えるように、書類をつくる。作業員は朝鮮からの労働者が多くて戦争で勝った場合の報奨金を、大きな声で計算している者が数名いた。坑道を掘っていると魔石(模様のある硬い石で砥石に使えて、映画のシーンみたいに大陸をかいま見ることができる)がよく出てくる。疲れるなと思ったら色違いの石が出てきた。おれは特にきれいな石の表面を毎日磨く。
 一二月に入ると坑道の枝道を突き抜けて銃座が置かれる。山崎大佐(アッツ島の指揮官)がやってきた。米国と戦争が始まったようだ。山崎大佐に、キスカ島の仕事をしてくるように言われた。山の斜面をくりぬいて、洞窟型の飛行場を造っている。ボール紙でできた海岸砲を米軍の偵察機に、見えるように前へ出す。声の大きいサル(血液型がO型の将兵)が、巨大な海岸砲の図面を広げて、構造や性能を読み上げる。
 昭和一八年未明。キスカの飛行場が完成して今度はアッツ島で飛行場を造り始めた。

 五月未明。幌延基地(日本軍の前線基地)から連絡が入り
「米軍空母二隻、戦艦八隻がそっちへ向かってる」と言う。
「対空砲の照準を聞き出せ」南雲(有名な南雲忠一中将とは別人で南雲を名乗る三〇代前半の指揮官)の電撃指令だ。アッツ島に艦隊がやってきた。囚人パイロットが航空母艦を撃沈させる。旋回速度がまるで違う。二隻目の航空母艦は舵が故障して浮いているだけだ。電撃指令に誘導された囚人パイロット五機で戦艦を全部投降させた。全員上陸させてから投降書類をつくる。伊藤に南雲のIQはいくつか聞くと、
「一五〇以上必要だ」と言う。明け方に捕虜のレセプトが終了。輸送船が到着するまで仮眠だ。
 早朝に飛行機がこっちへ向かって飛んでくる。真上で旋回してから二〇mほどの舗装した部ぶんに、すご腕の囚人パイロットが着陸させた。後部に南雲が乗っている。黒々とした長髪でさんまのくさった目をしていた。彼は山崎大佐とぶっきらぼうに会話してから米兵の埋葬を手伝っている。
「ミッドウェーの穴埋めだ」ミッドウェーの説明が必要かな。
「ハワイ奇襲やミッドウェー大敗を知らないやつは日本人じゃない」キスカのサルと二人で、囚人パイロットが操縦していた飛行機の向きを変えた。南雲は宇宙人と一体化していてIQが二〇〇ぐらいあるようだ。
 家に帰ると、柔道の道場が捕虜収容所になった。みやげが捕虜三〇名とアッツ桜の切り株だ。捷号作戦の召集令状をもらった。集合場所はサイパン(グアム、テニアンに近接したマリアナ諸島の島)。

  つづく

 


超IQ研究所 フィリピンの米軍

2019-04-08 17:40:22 | 小説

 昭和二三年四月一日。マニラにある新築ホテルのロビーで、台湾人の資産家が、なに者かに剣で首を斬られて死ぬという事件が起きる。目撃者は「体格のいい米国人と言い争ってた台湾人が斬られた」と言う。台湾から公安(中国の警察)が現地に行く。公安が目撃者から事情を聞くと犯人は米軍の兵士みたいだ。公安はマニラの米軍にかけ合った。米軍の広報に事情を説明すると、広報は「その男は、ジャイロ・エアーの選手だ」と言う。ジャイロ・エアーとは直径一mぐらいで高さ五mほどの、コンクリートポールのてっぺんにロープをつなげる回転体が二つあって、二本のロープをつないで、腰にそのロープをつけた男が二人で、剣でロープを切り合う競技だ。もちろん観客を動員して、審判がついてかけをする。米軍の広報は「試合に出てるときはうちと関係ないので逮捕してかまわない」と言う。公安が試合日を聞くと、「明日だ」と言った。公安は犯人の資料をもらう。かけの倍率が一.五倍前後で、対戦相手の倍率が三倍を超える強豪だ。公安は犯人が資産家と配当金のわけ前で、トラブルになったと考えた。公安はジャイロ・エアーの試合を観戦する。両腕に入れ墨を入れた米国人二人が対戦していた。どちらも両足をポールにつけて斜めの姿勢で、頭上のロープを切られないように、剣をぶつけている。倍率の高い方が、ロープを振り子のようにして跳び始めた。もう一人がロープを切られないように、ロープをポールにつける。跳んでいる男が、つながれているロープをつかんで、相手より高い位置を跳びながら、ロープを切ろうとして剣がポールに当たって、「ごきん。ごきんっ」と音が響く。古代ローマの、剣闘士の試合で劣勢な方が、優勢な相手が、形成が逆転するほど不用意な手加減をするように、ひたすら祈るような歴史的まなざしを彷彿させる。ロープをポールにつけていた男が、跳んでいる男にキックすると、空中で後ろ向きになった。キックした男がすばやくロープを切って、跳んでいた男が地面に落ちる。公安は前の席にいる主催者らしき、老人に事情を説明した。明日犯人と対戦する相手は倍率が四倍を超えている。公安は契約書にサインして、明日犯人と対戦することになった。公安は病院を見学する。病院の一階ロビーで、必須アミノ酸のぶん解データをパネル展示していた。アミノ酸の上に「アメリカ」と落書きがされている。病院の前で、政治団体の女性が拡声器を使って、なにかを叫んでいた。
 翌朝公安はバナナの箱詰め作業を見る。一〇代の若者が働いていた。女性が多い。公安は試合場へ向かう。ポールの前で犯人が先に待っていた。犯人が「おれが勝つとなにもなかったことになる」と言う。両者が脚立の上で準備をする。試合開始。犯人が公安の顔に向けて、剣を横に振る。公安が剣ではじき返す。犯人が「この国じゃ、おれの方が大統領よりえらいんだ」と言いながら剣を突いてきた。公安がロープを振り子にして跳んでよける。公安が「おまえが殺したんだな」と、聞いたら犯人はロープをポールにつけながら「そうだ」と答えた。犯人が公安にキックをする。公安が回転しないように空中で姿勢を保つと、ロープがポールの反対側へ回転した。公安はポールづたいに、犯人の反対側に出る。犯人は剣を横に振ってからキックしてきた。公安はすばやく剣を口にくわえて、両手で足をつかんだ。犯人が片足でバランスをとりながら、剣を振りまわしたが公安まで届かない。犯人がもう片方の足で跳んだ瞬間に、公安がつかんでいた足を押すと、犯人が空中で後ろ向きになった。公安が犯人のロープを切って、犯人が地面に落ちる。犯人が剣を持ったまま逃げ出した。公安は自ぶんのロープを切って追いかける。犯人は米軍基地に向かって走っていた。公安が一五mぐらいまで近づくと、犯人が走ることをやめて振り返って、剣を振りまわしながら「おれは自由の国、アメリカの象徴だぜ」と叫ぶ。公安が少し大きい石を拾って犯人に投げつけると、犯人の頭に命中して、犯人がよろけるように倒れる。公安は犯人を逮捕した。犯人は香港に移送されてイギリス人の殺人犯と同じ扱いを受ける。公安は米軍の資料室で「欠日日記」という資料を読んだ。そこには日本が米国の、植民地じゃないということが書かれていた。在日米軍は太平洋戦争における米兵の捕虜と、同じだと書いてある。日米の戦闘記録は、影法師の虚構だ。実際の戦闘は「サイパンとグアムで米国囚人兵の大半を、日本軍の精鋭部隊が処刑」となっていて、フィリピンにいる米軍は囚人兵の残存部隊だった。資料に日本軍の、精鋭部隊の名簿がある。付箋がついていて「核兵器の使用も含めて、終戦末期の民族浄化活動は若者に著しく感化を促す物で好ましくない」と書いてあった。

   おわり


超IQ研究所 太平洋戦争概説

2019-04-07 15:13:51 | 小説

 主人公は血液型ABで柔道七段の特殊衛生兵M(祖父)。この物語は戯曲風に進行する。まず気になるのはお金。日本国内で流通しているお金のほとんどが借金したお金だ。しかしヨーロッパの国々では、借金したお金の他に仮想通貨を分配している。わかりやすく言うと印刷しただけのお金だけど、これがどうも死んだ人間のお金と同じになるようだ。ヨーロッパは第一次大戦後にベビーブームとなって増えすぎた人口をナチスが暗殺形式で殺害した。そしてそれを記録として公開しないで、仮想通貨を発行するときに、簡素な文章を再現していると考えられる。仮想通貨の原型は、パチンコ屋で景品と交換する前のパチンコ玉やメダルだ。でもこれは台の奪い合いなど古代ゲーム的要素が大きい。現代ではポイントゲームなどで高得点を獲得すると多くもらえる。これは知能の高い幽霊が、幽霊の代表となって高得点に貢献しているとも言えるだろう。さて。戦争の話だから幽霊がたくさん出てくる。古本を一部参考にしながら祖父が書いた米軍宣伝ビラと生命保険会社の人に聞いた話をつなぎ合わせて構成。ではどうぞ。


 昭和七年未明。柔道整復士の研修で、満州のハルピンに行った。呂という名前の中国人で複製人間をつくっているようだ。人間の細胞標本が並んだ部屋で小窓をあけると、烏帽子をかぶった男が女と交わっている。ばかばかしい。からだに金銀を、埋め込む生体実験を見せてもらう。金製の胸骨を埋め込んだ縫合あとが、なまなましい実験台をまのあたりにしたとき、おれは思考を停止させた。実験技師が銀製だと、なん人つくれるかべらべらとしゃべっている。砲弾の起爆実験から金本位制に落とし穴をつくる研究へ発展したそうだ。くだらない。
 あれから七年。華南(中国の河南)にて。日中戦争で多くの日本人が堕落していた。人斬り人形(軍刀で通行人を無差別に斬り殺す日本兵)が重慶を除く中国全域で活動している。狂った旭日マークの旗が占領地でたなびく。人斬り人形が通行人をにらみつけている。あっ。こっちを見た。笑っている。そばに長髪で和装した浪人の亡霊みたいなやつがいて指示していた。コーチだな。
「ヒジカタトシゾウギフケン。マタヒトリキリマシタ」宇宙人のようなラジオ実況が一日じゅう鳴り響いている。大日本帝国戦場速報。道ばたに死体が転がっていた。片づけようとした中国人がぶった斬られる。
「禁断の果実を食え」乃木(日露戦争の将軍)のまごが叫んでいる。
「なにもかもおかねがわるいのでございましょう、ひとがうまれるんはおかねのせい、ひとがしぬんはおかねのせい」死に神様から五時の時報だ。
 毎日マージャンをやっている傷病兵に、医療レセプト(書類づくりなど)を行っている。腰痛だ。人を殺すと羽振りがよくなって治療にこなくなる。ある日えらい人に旅順へ呼ばれた。集合場所はバルチック艦隊撃沈記念館。入り口にカウント(殺したかず)一〇〇ぐらいの人斬り人形が立っていた。阿片の使いすぎで煤けた感じがする。子供が別々に、一〇人以上いる将兵がいた。そいつの子供を育てている中国人女性がなん人かかいま見える。うるさい。えらい人が説明する。その将兵は半ぶん日本人で半ぶん中国人だそうだ。

四七四三の悪魔 死に神のIQは、現在は九九.五ぐらいだけど、これは死に神のIQが一三〇~二六〇ぐらいあった時代よ。死に神が「それはわたしのぜんせいきのはなしで」とかしゃべるけど、ガスやくさった食品にいくらでも入っていて、別にめずしくないわ。


 ドイツが開戦した。軍属が歓喜している。日本軍の囚人パイロット(爆撃の精度が高いパイロット)は、通常は飛行訓練生で人間を爆撃することができない。少しでも当たると正確な爆撃ができなくなるそうだ。囚人パイロットは普通のパイロットと指揮官が違っている。
「ドイツの動きに注目しよう」この声だ。海軍の将校だな。

 つづく

 


超IQ研究所 「月星人」抜粋⑦

2019-04-03 10:47:14 | 小説


 夢で先祖が「超能力者に、なるようにしたよ」と言う。朝起きるとからだが一瞬空中に浮いた。おれの脳裏に都合よく調節する方法が浮かぶ。宇宙空間で宇宙船のなかが無重力になる現象は、宇宙船の加速によって発生している。つまり地球の自転速度を時速一六〇〇㎞とした場合に、一六〇〇㎞ぶんの加速があるわけだ。そこでもっと大きな加速を考える。まず太陽系が回転しているだろう。これは時速一万六千㎞ぐらいだ。まだある。銀河系の回転だな。これは時速一六万㎞ほどあるはずだ。この回転に精神を集中させると、無重力状態になる。おれは屋外で試した。しかし屋外では、なかなか集中できない。一〇分くらい粘って三〇㎝ほど空中に浮いたけど風が吹いて、集中力が切れてすぐ地面に落ちた。屋外じゃ自動車の音が、集中力の妨げになる。おれはこの能力がなにに使えるか考えた。物体に念じても変化は、ない。手品として公開してもさほどもうからないだろう。それに観客がいると失敗する可能性もある。おれは念じ方を文章に、することにした。まず銀河系の絵だ。宇宙図鑑の、銀河系の絵がある部ぶんを広げる。太陽系はやや外側だ。こいつが時速一六万㎞で回転しておれ以外の人間や物体はそれに気づかない。そしておれのからだが宙に浮く。宇宙船内の写真がある。これを少し想像してだ。おれは屋外で空中浮遊の練習をする。推進力をつけて、飛びまわることを考えないようにしているとすぐ浮く。しかしゆるやかに着地することができない。おれは落下傘を買った。浮き上がる寸前に地面を蹴ることができる。二〇〇mぐらい浮き上がって落下傘を使えばいい。そしておれが思ったとおりになった。落下傘が安全に開く高度まで集中力を維持させる。なんmくらいの高さになっただろうか。なにかが頭に軽くぶつかった。俵のような物が、顔の前にある。原子爆弾だな。原子爆弾の落下傘がおれにからみつく。おれは空中浮遊の集中力を維持しながら、原子爆弾を引き上げる。足もとに昭和二〇年代と思われる町並みがあった。おれは昭和二〇年八月六日の広島か、八月九日の長崎に時空移動したみたいだ。爆弾の信管をはずして、着地してから再投下の前に走って逃げれば助かる。いや。中止になれば、おれが英雄になるかも知れない。信管はどれだろう。それらしい物がたくさんついている。なんのためだ。だめだ間に合わない。原子爆弾が炸裂した。

  おわり

 


超IQ研究所 「月星人」抜粋⑥

2019-04-02 12:37:21 | 小説

 おれはある鉱石を薄く研磨して光に当てると、宇宙光線になることを発見した。だいだい色の光線だ。宇宙光線を物体へ照射した場合に、物体の重量が半ぶんになって、すぐ横に同じ物体が出現する。最初は発光半導体の特許を調べようと思っていた。しかし金属を腐食させる効果があるような、気がして銅貨に照射してみると、二枚になっている。おれは地球と金星が同じぐらいの大きさであることから、古代の太陽に、この、鉱石のかたまりが衝突して、古代の地球へ宇宙光線を照射したために金星ができたと思った。鉱石に光を当てると実際は、光線というよりは色つきの透明包装紙に、光を当てたような状態になる。きっとまだらな光でも効果があるのだろう。二枚になった銅貨は光の反射が、黒っぽくなったような感じがする。固さは同じようだが金属原子の水準で、半ぶんの密度になっているようだな。ある鉱石は海岸で拾った黒っぽい変成岩だ。見つけたときは火打ち石かと思ったが、かなづちでたたくと不自然に乾いた音がする。半導体部品の、原料になる未発見の物みたいな雰囲気があっておれは研削盤で削って研磨した。おれは鉱石の使い道を考える。安い腕時計で試して同じ物が、出現したがどちらも動かなくなっていた。一万円札じゃ半紙みたいになるだろう。金貨なら別物だ。おれは「鉱石は隕石なのかも知れない」と思いながら二枚の銅貨をもういちど計りで量る。半ぶんじゃない。やった。もとの重量で二枚ある。一時間くらいでもとの重量になるわけだ。おれは古銭店で十万円金貨を買ってきて五〇枚ほどつくる。五秒ぐらいでもうひとつ出現するから、今日じゅうにあと千枚つくって明日あちこちの銀行で両替しよう。おれは作業をやりながら、金星のことを考えた。金星が古代の地球と同じなら、地球人のような人間がいるかも知れない。地球よりも科学が発達していて地球から観測できないように有色気体の雲を発生させている可能性もある。そのとき「それ私のよ」と言う声が聞こえた。しばらくして「こちらは時空警察です。ゾロマイト鉱石で金貨を増やしてませんか」と言う声がする。おれは時空警察なら地球人だから心配ないと思った。しかし金星人と目が合う。目が「そちらに出現した物体と同じ物体がこっちで消失してます」と言っている。金星人が瞬間移動してきて左手で、鉱石をつかんで消えた。あとには光源と十万円金貨が一枚だけある。


超IQ研究所 「月星人」抜粋⑤

2019-04-01 15:47:29 | 小説

 おれは火星にあるRE出版の編集長だ。前回の宇宙で、地球の別な自転要素を考えよう。こんどは太陽電池の原理だ。太陽の光が当たる部ぶんは光を反射して、当たらない部ぶんは光を吸収する。太陽の光が、大気圏の、すぐ外側にある時空の谷間を、通過する時間差を七分としよう。そうすると夕陽は地球の、公転方向の外側に向かって七分長く照らして、日の出は七分遅れることになる。つまり大陸や海面による反射と吸収で地球が少しずつ自転する構造だ。地球の中心はどちらかと、いうと軽い方で自転に関係ない。この地球は夕陽がアジア大陸に当たり始めると、自転速度が速くなる。ちなみに日本の午前九時ぐらいは、米国東部が日の入りで、日本時間の午後から、日の入りに入る境界線が太平洋を横断するわけだ。もしかすると日本の午後は一時間で三~五分くらい長くなっているかも知れない。そこでこういう議論になる。「海面に日が当たると強く反射するのだ」「いや。アラスカの切れ目で自転がとまりそうになるほど遅い」という二つの意見が出るだろう。そして意見は二つ出てもこの、自転方法のときに、「長くなった時間ぶんなにを考えれば最善か」という問題になる。地球上の時間は同じだから、宇宙のことを考えよう。太陽電池方式は一〇万種類ぐらいある地球の、自転要素のひとつである。それでは時空の谷間について考えよう。時空の谷間では粉(ふん)塵(じん)が結晶化して、大きくなることがある。木星の、重力の谷間に小惑星群があることは有名だ。結晶化した粉塵はそれほど大きくなる前に、地球か月に落下する。そこで前回の超能力だ。結晶化した粉塵は地球の大気圏で燃えつきるがそこを「太陽で燃えつきる」にねじ曲げよう。太陽は渦巻く水流のように粉塵を吸収して燃焼させていた。われわれは地球の読み書きがままならぬやつに、この宇宙を推奨している。人間の果てしない潜在能力みたいな物を感じるだろう。逆を言えば地球で有識者の多くが、読み書きがままならぬやつと同じ宇宙を共有している。重力の境界から結晶化した粉塵が、太陽に落下するのも確かだが、落下しないで高速回転する物やどんどん大きくなる物があることも事実だ。そして最大の神隠しと、言える「太陽は誰が燃焼させ始めたか」という問題は「哺(ほ)乳(にゅう)動物たちの超能力で燃焼してる」でいいだろう。宇宙空間は果てしなく無限で未知数な人間の超能力が渦巻いているに違いない。

 


超IQ研究所 「月星人」抜粋④

2019-04-01 10:15:20 | 小説

 おれは火星にある出版社の編集長だ。別な地球の自転要素を考えよう。こんどは天然で動物的な自転方法だ。金属棒を球形の立体格子に、組み込んだ屋外遊具の外側にぶら下がって体重移動させると少し回転するだろう。そこで地球の中心が、天然の磁石をちりばめた球体になっていて少しずつ動く構造だ。それは磁気を帯びた溶岩でもよい。地球の表面で生物が動く。表面の小さな体重移動が中心付近では大きく作用する。そして地球が時計の、秒針のように少し動く。それが公転方向の外側に、向けてわずかに回転して、地球の自転になる。地球の表面で生物が動くときに同時は、ない。いろいろな生物の微妙な動きで少しずつ地球が自転している。この原理なら、見かけの観測記録から、火星の人口がわり出せるかも知れないな。そして月は生物がほとんどいないので、月は自転してない。「みんなの地球」と言うこともできるが、くじらや象が人間のなん倍も、地球の自転に作用して、時間の進行に影響をおよぼしているわけだ。火星の国会では不明な答弁をした議員が、「地球の、巨大まぐろの回遊について考えてました。失礼しましたっ」などと弁明することがときどきある。火星人は地球における鳥の空気振動までも計算しているよ。鳥と言えば鳩だ。日本の高額面記念金貨にある微細な手変わりは、火星の囚人が刻まれている。金貨についている熱気と負荷の説明はできないが、肉眼で見わけられない小さな手変わりが原因だ。火星で、十万円金貨で直接買える油絵を描いて売っている地球人画家の千文字小説特集がよく売れている。地球人が高額面金貨で直接買い物をしようとする思考は、火星人が聞きとって本にしているよ。他に相場師の話なども人気がある。さて。太陽が燃えつき始めたらどうしよう。よし。地球人だけ超能力があることにしよう。念動力によって宇宙空間のごみを、公転軌道の中心に集めて燃焼させる能力だ。ついでにごみみたいな思考も、宇宙空間のごみに変えて、太陽に集積しよう。超能力は宇宙空間で作用する。地球人は知らず知らずのうちに念動力を使って、宇宙ごみを燃焼させていた。

 補足 続き年号の終わりのコインは持っていると胸に負荷が当たる。平成三十一年銘のコインがないと終わりのコインが大量に出回ることになるが・・。