自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

幕末のリボルバー ル・フォーショーを作る Part02

2024-04-05 08:47:07 | Gun

昨日から製作記事を書いている「ル・フォーショーリボルバー」ですが、私も作った事の無い分野の造形で、どう作るか分からない部分だらけでした。

幸い、中学の頃からモデルガンやエアーガンをいじっていたので、銃の構造やパーツ割等はよく知っていましたので、全体を一気に仕上げるのではなく、パーツごとに一つ一つ正確に作って行けばリアルな形状が作れるのでは無いか?

と言う事で、先ずは銃身部分を作り始めました。

次は一番面倒な「シリンダー」(弾倉)です。

リボルバー(回転式)と呼ばれる拳銃は、「レンコン」の様な弾倉が特徴で、6箇所の穴に各々装填した薬莢が回転して次々に銃身の後ろ側に回り込み、撃鉄で叩かれて火薬が発火、銃弾が発射されると言う物です。

この「ピンファイアリボルバー」と言うのは、薬莢の横にピンが飛び出していて、それを撃鉄が叩いて発火させると言う物です。

弾倉から横に飛び出している薬莢のピンが、まるでカニの目の様に見えることから「カニ目撃ち」と呼ばれていたそうです。

幕末の日本にこの銃は沢山輸入された様なのですが、「自称ガンマニア」と言う人でもこの銃の事は知りませんでした。

「ル・フォーショー」と言う名前から設計はフランスですが、ヨーロッパの各地で生産された様です。

ちなみに今回製作した物は「ベルギー製」でした。

坂本龍馬は河田佐久馬以外にもこの銃を配っていた様で、あの「人斬り以蔵」もこの銃を持っていたそうで、どこかの博物館に展示されているそうです。

ただ、使用した形跡がなかったそうです。

やはり、重くて、発砲音が派手すぎるので、昔の侍には持て余したようです。

話がそれましたので製作の方に戻します。

リボルバーのシリンダーは、レンコンのように6個の穴が有ります。

その穴に弾を装填するのですが、今回は貫通した状態にはしません。

銃刀法が有るので完全に塞がれた状態で作ります。

上の写真は5ミリのアクリルにマスキングテープを貼って、弾倉の穴の位置を正確に書き込んだところです。

これを通称「ミシン鋸」で切り抜きます。

レーザーとかで切り抜くと言う選択肢も有りますが、お金がかかるので自分でカットします。

上の写真が切り抜いたアクリルです。

アクリルは電動のこでカットするとすぐに溶けて焼きつくのでそれを防ぐためマスキングテープやクラフトテープを貼ります。

そうすると、テープのロウなのかノリなのか分かりませんが、焼き付かずに綺麗にカットできます。

これにプラ板を巻き付けて円筒形にします。

真ん中の物が弾倉(シリンダー)です。

右側にすでにグリップフレームが形になっています。

これもアクリルとプラ板の積層で、ミシンのこでカットした物です。

厚み調整でプラ板も挟み込んで接着しています。

まだ微妙な面取りや角の丸めが出来ていないシャープな斬りっぱなし状態です。

これを仮組すると、

グレーの部分はエポキシパテで、柔らかいうちに塗りつけて形を整えます。

銃口は後でもう少しへこませますが、開口はしません。

銃口を見た時詰まっているのが見える状態にします。

こんな大きさの拳銃です。

銃身も多分6インチ有り、非常にバランスの良いカッコの良い銃と思います。

しかし、坂本龍馬は他人にこの銃を押し付けてたにも関わらず、自分はアメリカ製の「スミスアンドウェッソン」の「No.2」と言うリムファイアリボルバーを使っていました。

なぜ、坂本龍馬が、この「ピンファイアリボルバー」を使わなかったのか?

はっきりとした事は分かりませんが、ピンファイアリボルバーの安全性に不安が有ったからでは無いのでしょうか?

実際に形にして持ってみると、バランスや撃ちやすさだけ見ると断然ル・フォーショーの方が上と思いますが、このピンファイアのカートリッジ(弾)が落としただけで発火したり、銃のシリンダーから飛び出した発火用のピンに何か当たったら暴発するかも?

それに、銃に弾を装填した状態で銃本体を落としても暴発しそうですので、これを懐に入れて持ち歩くと言うのはかなり怖いですね。

この安全面で問題が有りそうなので、せっかく仕入れたル・フォーショーを他人に押し付けたのでは無いのでしょうか?

これは私の勝手な想像なので信じないで下さい。

この安全面がクリア出来れば非常に良い銃だと思います。

照準も大きく狙いやすいし、銃のバランスが良い。

グリップの角度もいい感じです。

これからまだまだ細かい造作が続きます。

続く!

 


幕末のリボルバー ル・フォーショーを作る Part01

2024-04-04 14:40:51 | Gun

今から9年ほど前になりますが、鳥取県日野郡にある「泉龍寺」の住職さんから「河田佐久馬の拳銃のレプリカを作ってくれないか?」という依頼を受けました。

この「河田佐久馬」は、幕末の因幡藩の侍です。

この「河田佐久馬」は幕末に京都で謀反を起こし、その懲罰として、「泉龍寺」に幽閉されたそうです。

その時、河田は坂本龍馬からもらったベルキー製の拳銃、「ル・フォーショー」のピンファイアダブルアクションリボルバーを持っていました。

しかし、その当時の侍にとって、拳銃と言うのはあまり必要としていなかったようで、河田が泉龍寺を離れる時、その拳銃は置き去りにしたようです。

これが、ベルギー製の「ル・フォーショーピンファイアリボルバー」です。

錆だらけの方が実銃、グレーの物が私が作ったレプリカ用の原型です。

泉龍寺に置かれていた拳銃は、黒坂署に古式銃として登録され合法的に所持されています。

と言っても住職が子供の頃、その銃を持って遊んでいたこともある様ですが、もう時効ですね。

泉龍寺では、因幡二十士の慰霊碑を作るに、河田佐久間の拳銃をモニュメントに取り付けたいということで、実銃から採寸して製作したレプリカからブロンズで鋳造した拳銃を製作しました。

実銃があるので、ノギスで採寸し、写真を撮り、沢山資料を作りました。

一番役に立ったのが写真です。

真横、真上、真下、正面、背面とありとあらゆる角度から写真を撮り、採寸した寸法にプリントして、それを図面としてパーツを製作しました。

使用した材料はアクリルとプラ板です。

それほど大きくは無いので、箱組するのではなく、アクリルの板を貼り合わせ、ムクの状態で形を作りました。

アクリルの2ミリとか、3ミリとかを組み合わせると、5ミリ、6ミリとキチッとした寸法になるので都合が良かったのです。

1ミリ単位の寸法調整はプラ板をかませて寸法の調整して実銃の寸法にしています。

写真は銃身部分ですが、実銃の分解した時のパーツ割になる様に作っています。

ただ、発砲機能や実弾発射の際の強度等持たない安全な構造で製作します。

所詮樹脂なので、しかも銃身には穴が有りません。

撃鉄も引き金も動きません。

樹脂の塊です。

しかし、完成したら本物に見えるくらいの仕上げにします。

これからどんな方法で形になるか紹介してゆきます。

続く!

 

 

 


SF銃コレクション Part2

2023-10-11 11:11:22 | Gun

前回からSF銃の記事として、映画「エイリアン2」に登場する「M41Aパルスライフル」を紹介していますが、今回から塗装してイメージを換える作業を紹介します。

先ず、この「パルスライフル」ですが、海外製(スノーウルフ製)のエアーソフトガンです。

材質はほとんどプラスチックで、一部、亜鉛ダイキャストが使われているので重量が3キロ位あります。

手にしてみるとずっしりとしていい感じです。

剛性も有り、あまり「ギシギシ」鳴りません。

でも、映画の中で使用されたのが、オリーブドラブのカラーの物だったのですが、この色が売り切れで入手出来なかったので、ブラックモデルを購入しました。

現物を見ると、やはりイメージが違う。

やはりオリーブドラブのフレームのほうがエイリアンらしい感じなので、分解して塗り替えることにしました。

 

この銃を購入して手に持った時に、どこのネジか分からない小さな皿ネジが銃から出てきました。

しかも2個。

表面にこの様なネジは使われていないので、内部の何処かと思いました。

ま〜どうせ分解するのだからその時にわかるさ〜。ということで、アチコチのネジを抜き、フレームを一つ一つバラして行きました。

銃身にBB弾をカウントするセンサーの配線や電動ガンなのでバッテリーからの電気の供給ケーブル等、フレームの中は配線で結構複雑でした。

しかも配線がグルーガンで仮付してありむやみに引っ張ると断線しそうです。

慎重に分解して行くうちに謎のネジの正体も分かりました。

そのネジは、伸縮するストックのガイドのネジでした。

ネジ締めが緩すぎて、運搬の振動で外れたのでしょう。

これは簡単に修復出来ました。

早速、フレームの油等、アルコールで拭き掃除し、フレームの塗装をしました。

使用した塗料は、ホームセンターで販売しているウレタンスプレーの「ディープグリーン」です。

綺麗につや消し仕上げになったのですが、なんかイメージと違う!

劇中で使用されたプロップガンは、もっとダークグリーンっぽい色合いだったので、かなり茶色っぽい感じになりました。

映画の中で、主人公の「リプリー」が海兵隊の「ヒックス」から銃の取り扱いを教えてもらっているシーンの画像を見ると、部屋の照明のせいかもしれませんが、かなりグリーンっぽい。

なので、せっかく塗装しましたが、完全に乾燥するのを待ってもう一度塗装をすることにしました。

その間に、他の部分も塗装します。

黒い部分のパーツですが、ここはつや消しの黒のラッカースプレーで塗りました。

このパーツは乾燥後ある仕上げを施します。

この仕上げによって、劇的に質感が変わります。

しかも簡単な方法で。

そのテクニックは次回に。


SF銃コレクション

2023-10-06 18:57:46 | Gun

前回と前々回、映画ブレードランナーに登場した「ブラスター」を紹介しましたが、ついでにと言っては何ですが、今回こんなのも紹介します。

これは、映画「エイリアン2」で、宇宙海兵隊が持っていた「パルスライフル」です。

この銃は「エアーソフトガン」で、6ミリのBB弾を発射出来るトイガンですが、側面の残弾カウンターがちゃんと発射したBB弾をカウントして表示します。

銃身にセンサーが取り付けられていて、BB弾が通過する際、恐らく赤外線だと思いますが、遮られる事で一発づつカウントしているようです。

外観もよく出来ていて、金属製のストックも伸縮します。

私が入手した物はブラックモデルだったので、グリーンに塗り直しました。

銃を支えているバックパネルは、コンクリートっぽく見えるようにスタイロフォームから作りました。

この銃の改造、塗装の工程をこの後紹介しようと思います。

続く。


ブレードランナー ブラスター その2

2023-10-04 11:06:01 | Gun

前回、映画「ブレードランナー」の主人公「デッカード」が持っている「ブラスター」と呼ばれる拳銃の水鉄砲を紹介しましたが、よく出来ている水鉄砲に一箇所残念なところが有ると書きました。

今日はその点について書きます。

先ずデッカードのブラスターですが、

一番上の物が「留之助商店」の製作したブラスターですが、これは「スタントモデル」ということで、無可動組み立てガレージキットを仮組みしたものです。

実際に可動するモデルも持っていますが、それの紹介はまた後日に。

真ん中の物が新バージョンの水鉄砲、一番下の物が旧バージョンの水鉄砲です。

ということで、一箇所残念なところがあるのですが、この部分です。

これが、新バージョンの水鉄砲ですが、銃身の下の斜めの部分、実物は、

こんな風にまっすぐになっていてステアー社のマークと製造年月日が彫刻されているようです。

これだけ細かい部分を改良しているのに、この部分が旧バージョンのままというのが残念です。

金型のコストを考えるとここは目立たない部分だから割愛!ということだったのでしょうか?

マニアとしてはもう少しコストが上がってもここも修正して欲しかった。

ま〜あまり気にならないと言えば気になりませんが。

 

ま〜とにかく、新しく発売されたブラスター水鉄砲は非常に良く出来ています。

部分的につや消しの黒に塗り替えたり、擦り切れてシルバーになっていたりする部分を塗装で表現したら非常に良い物になると思います。

ブレードランナーファンとしては一丁と言わず何丁か手に入れて塗装のバリエーションを作りたい所です。

それと別に、留之助商店のブラスタースタントモデル(組みたてガレージキット)の紹介もしたいと思います。

このスタントモデルは留之助ブラスターをシリコンで型取り、黒い樹脂で複製したものです。

アチコチにバリ等有るので、組み立てには技術が必要ですが、これまた非常に良く出来ています。

本家の留之助ブラスターがあるのに、何故か他の物も欲しくなるんですね。

ブレランファンとしてはどうしようもありませんね。