自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

河童の造形 パート03

2025-01-19 08:06:32 | 仕事

連日アップの「河童」ですが、フィギュア本体が完成し、いよいよ現場に設置します。

墓所は鳥取県米子市の「鴨川」ですが、ここは、「米子城」の「外堀」です。

本来城の堀だったのですが、今現在はコンクリートで固められたただの川になっています。

周りには白壁の土蔵が有ったり、ちょっと古風な風景です。

ここの川には河童が住んでいたと言う話があり、モルタル造形の会社が設置したオリジナルの河童のモルタル造形がいくつか設置されています。

この河童の造形には私は関わっていません。

この河童はモルタルの塊でできているそうで、大変重いそうです。

2トンユニックで吊り下げる際、ユニックのワイヤーが切れてしまったと聞きました。

中までモルタルで出来ていると大変な重さになるようですね。

なので、今回に河童は中身を発泡スチロールで作り、モルタルの節約と軽量化を図りました。

この鴨川の片隅に私の造形した「水木しげる先生」の「河童」を仲間入りさせました。

これが御影石の台座です。

無垢の御影石です。

石の台座のテープが貼ってある部分がフィギュアのボルトを差し込む穴です。

大変な重さなので慎重に水平を出して設置します。

設置の後、フィギュアを取り付けます。

モルタル造形でも中身が発泡スチロールでなのでかなり軽く人の手で持ち上げられます。

三平の取り付けです。

これはテーブルですが、スイカの皮が乗っています。

これも同じ様に台座の穴にボルトを差し込んで接着です。

次は河童です。

同じ様に取り付けです。

こうして設置完了です。

背景に白壁の土蔵が見えます。

こんなレトロな雰囲気の場所に設置されました。

季節はちょうど桜の咲く頃でしたので、満開に咲いていました。

河童と三平のスイカを食べている所を造形しましたが、三平はスイカを持っていないんですね。

でも、持っている様な格好をしています。

デザイン画がそう言う物だったので、その通りにしました。

決してスイカを盗まれた訳では有りません。

こう言うデザインでした。

フィギュアの造形は私がしましたが、塗装はモルタル造形会社の方に任せました。

この仕上げがどうなのかわかりませんが、水彩画のイメージにはなっていると思います。

こうして完成しましたが、このモルタル造形をしている会社は、今現在モルタル造形をしていないそうです。

コロナ以降造形の仕事が無く、職人さんもやめてしまわれた様で、造形をやめてしまわれた様です。

せっかくの技術が勿体無いですね。

もっとモルタル造形をして欲しかったのですが、残念です。

こうして鴨川の「河童の三平」が出来上がりました。

何度も遠方の会社に出向き、作業しましたが、新たなマテリアルによる造形は面白かったですね。

これでまた新たな技術が身につきました。

またこんな仕事してみたいですね。

 

 

 

 

 

 


河童の造形 パート02

2025-01-18 07:59:19 | 仕事

昨日からアップしている「河童」の造形ですが、いよいよ造形用モルタルの盛り付けと、造形に入ります。

これは、

この手前の鉄板を仕込んだテーブルの芯材です。

これは、モルタル造形の会社の方でモルタルを塗って造形していただきました。

私は「河童」と「三平」の造形をしました。

先ず、「三平」の方を造形しました。

体の造形は特に問題はなくモルタルを手で盛って、歯ブラシや粘土ヘラで整形しました。

造形会社の方は、服のシワなどどうやって造形するのか心配されていたようですが、歯ブラシの柄の部分を押し当てて形状を作りました。

シワにはパターンが有って、そのパターンに従って歯ブラシの柄を押し当てて造形しました。

造形会社の方は、何も見ずにシワを造形していくのを見て「迷いが無いですね」と言われてましたが、この程度はもう頭に中にシワのパターンが有るので簡単です。

足もくるぶしや指の配列等、人間の足で作れば問題ありません。

造形用モルタルは、泥の硬い物の様な感触で、指で摘んで乗っけるという感じです。

乗っけたモルタルをヘラでならして造形します。

ちょっと柔らかい粘土の感触です。

ただ、必ず手袋をしないとモルタルで手の油が吸い取られるので手がガサガサになります。

それにやわらかすぎて造形しにくいというのも有りました。

ま〜慣れれば問題なくなりましたが。

それより、髪の毛の造形をどう表現するか?

水木しげる先生の絵ではギザギザの平面的な表現しか無いので、どう表現するか?

色々考えて、円錐形のパーツをたくさん頭に乗っけるという方法で行きました。

造形しながら「これでいいのかな〜」と不安を感じながら仕上げましたが、出来上がったら「ま〜こんなもんか」という感じでした。

モルタル造形会社は、我が家から1時間30分くらい離れた所に有るので毎日通うことができないので一体造形するのを1日で仕上げました。

あと、一体、問題の「河童」の造形です。

これは案外簡単でした。

水木しげる先生の絵を参考に髪の毛も「三平」の髪の毛と同じ方法で仕上げました。

一度モルタルをいじっているので、2体目は割とスムーズに造形できました。

河童の造形が出来て、写真を撮りましたが、ちょっと不思議な事が起きました。

その不思議な写真ですが、これです。

河童の周りに、オーブの様な丸い物がたくさん出てます。

三平の写真には全く写らなかったのに、河童の造形が終わった途端こんな写真に成りました。

最初はレンズの汚れかと思いましたが、前後の「三平」の写真には写っていませんでした。

連続して写しているにも関わらず、「河童」の写真にだけ「オーブ」が写ったのです。

この仕事の後、このモルタル造形会社は、かなり忙しく成り、テレビにも登場したり有名に成りました。

この「オーブ」は、「座敷童」の様な物だったのかもしれませんね。

この「河童」も1日で造形し、塗装はモルタル造形会社の方にお任せしました。

そうして、モルタルフィギュアが完成し、いよいよ米子の「鴨川」に設置する日が来ました。

大きな石の台座を2トンユニックで運び設置しました。

その様子は次回に、

続く!


河童の造形 パート01

2025-01-17 16:01:15 | 仕事

今、某会社からの発注のフィギュア原型の修正しています。

今年開催される大阪万博の「土産物」として販売される物の原型なのですが、その会社から以前「河童」の造形が出来るか?と言う問い合わせが有りました。

モルタル造形で作らなければならないと言うことで、全部モルタルの塊にするとかなりの重量になるので、芯を発泡スチロールで造形し、鉄骨の骨を入れ、ボルト止めできる様に提案しました。

その河童がこれです。

米子市内の鴨川に設置してある「水木しげる先生」の「河童の三平」です。

これは、水木先生の方からの予算で製作された物です。

これは造形用のモルタルで出来ていますが、これを作った時、モルタルの造形というのはやったことが無く、全てが新鮮でした。

これをどうやって作ったか?

それをアップして行きます。

先ず、設計です。

このフィギュアの内部には上の様な鉄角パイプで作った骨材が入っています。

その鉄骨から出ているボルトを台座の石に差し込んで接着して固定します。

図面を鐵工所に発注し、作ってもらいました。

手前の物はテーブル用です。

この短い鉄パイプは腕のパーツです。

こんな風にボルトで繋ぎます。

これに発泡スチロールを取り付け、フィギュアの形状を削り出します。

顔部分は削りやすいスタイロフォームを使用しました。

手にはスイカを持っていますので河童の方です。

この状態で、モルタル造形をする会社に渡して、モルタルを食いつかせるラス網を巻いてもらいました。

ここからモルタルの塗り付けと仕上げに入ります。

この作業中に不思議な事も起きました。

それは次回に、

続く!

 

 

 

 


猿のフィギュアの製作 パート02

2025-01-16 07:53:10 | 模型

昨日からアップしている「猿のフィギュア」ですが、目を作ります。

使用したのは、アクリルの8ミリ透明の物です。

アクリルを丸く切り出し、半分レンズ状に削り出します。

裏面は真っ平の状態です。

アクリルのレンズをはめ込んでみました。

アクリルはレンズ状にヤスリで削ったらサンドペーパーの240〜1200番まで変えながら磨き上げ、最終的にアクリルの研磨剤でピカピカになるまで磨きます。

磨けたら、裏面から黒で瞳を塗ったらその輪郭をダークイエローで塗ります。

次に、手芸店から買ってきたファーの生地を発泡スチロール用の接着剤で貼り付けて行きます。

途中経過の写真を撮っていなかったのでいきなり完成しています。

ファーの生地をシワにならない様に引っ張りながら貼り付けて行きます。

顔は、毛の生えた部分と顔の部分が別パーツに作ってあったので、顔を外してファーの生地を貼り付けてから顔を取り付けました。

腕や足は間接部分を多少シワが寄る様に緩く貼り付けました。

関節は多少ですが可動します。

顔に嵌め込んだアクリルの目ですが、面白い効果が出ました。

コレですが、

目の黒い部分がレンズ状のアクリルの裏に描かれているので、どの角度から見ても、見た人の方向に目線が向いている様に見えます。

これを部屋に置いていると、いつも目線がこちらに向いている様になります。

ちょっと気持ち悪いかも。

後ろ姿。

横から。

正面。

着ているベストは紅白の生地を接着剤で貼り合わせ、ボタンを縫い付けました。

歯は、白の水性塗料で塗り分けました。

手や足、顔は、エアーブラシで陰影を描いています。

これで完成です。

発泡スチロールで出来ているので非常に軽くなりました。

間接にはアルミ線が入れてあるので、ある程度曲がりますが、あまり頻繁に曲げ伸ばしするとアルミ線が切れるかもしれません。

ま〜子供みたいに持って遊ぶ訳では無いのでこれで大丈夫でしょう。

今までこんな「ぬいぐるみ」みたいな物は作ったことが無かったのですが、何とか形に成りました。

また一つ作れる物のジャンルが広がりました。

 


猿のフィギュアの製作 パート01

2025-01-15 12:07:25 | 模型

毎日欠かさずブログの更新しようと決めたので、一日も休まず更新しています。

去年の4月3日から毎日更新していますが、さすがにネタが尽きそうになって来ました。

今回からアップするフィギュアは、写真を貰い、このフィギュアと同じ物を作ってくれと製作依頼を受けた物で、何のキャラクターか知らない物です。

なんか、アメリカのアニメ?かな?何か分からず作った物です。

それがコレですが、

ぬいぐるみっぽい感じに仕上げてと言う注文だったので、関節部分で分割して、アルミ線を間接に仕込んで曲がる様にしてあります。

なのでこんなふうに座らせられます。

体は発泡スチロールで、強度の必要な手、足はスタイロフォームを使用しました。

やはりスタイロフォームの方が固くて加工がしやすいですね。

表面はいつもの「ウッディー粘土」を薄く塗り、磨いてあります。

大きさは、割と大きな物で、子供が抱きしめられるぬいぐるみ的な大きさで、70センチくらいの身長です。

独特の顔立ちで、見ようによっては不気味です。

発注主の方は30代位の男性でしたが、こう言う物が好きなのでしょうか?

決して可愛くないキャラクターですが。

目の部分にはアクリルをレンズ状に削り出して磨き上げ裏面から黒目を描き込みます。

すると面白い現象が起きました。

それは次回に。

続く!