自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

物体Xを作る パート03

2024-07-31 08:48:23 | 模型

大型のガレージキットの製作は良く有るのですが、今回の「スパイダーヘッド」はかなり苦労しました。

単に製作するだけならどうって事ないのですが、これを梱包して送り出さないといけないというのが常に有ります。

組んだままでは到底送り出せないし、説明書を付けて組み立て式にするのですが、発注主様に開梱して組み立て頂かないと行けないのが申し訳ないのですが、いきなり畳一畳の大きさの箱が届いても困るだろうし、完成品にする前に、どう梱包して、どう組み立てるか?と言うことを常に考えます。

今回のこの実物大の化け物も散々考えて段ボール箱に梱包して送り出したのですが、製作よりも頭を使いました。

どうにかこうにか無事届いたようですが、まだもう一つ同じ大きさの物が有るのでまた悩みそうです。

今回のこの「スパイダーヘッド」は、足の部分と頭部の部分に分けて製作しました。

先ず、足のパーツですが、

トゲの部分が欠けています。

ここに、UVレジンを垂らし、

爪楊枝でレジンを引っ張りながら紫外線ライトで硬化させます。

硬化したら、サンドペーパーで磨き、形状を整えます。

これで1箇所出来上がり。

これを数えきれないほど繰り返します。

次に、足を差し込む頭部の差し込み口を補強します。

キャストの頭部ですが、細長い足を差し込んだり外したりしたら、すぐにゆるゆるになると思ったので、真鍮のパイプを埋め込みました。

このままだとパイプが緩むと思ったのでエポキシパテで補強しました。

このように、左右にぶれないよう補強しました。

表から見ると、

このような形です。

この穴に、真鍮棒を固定した足を差し込みます。

この加工を6っ箇所施し、いよいよ下地塗装です。

使用したのは車用のラッカーサーフェーサーです。

脚部も同じく塗装します。

乾燥後、仕上がりをチェックして、

ラッカーのベージュを缶スプレーで吹き付けます。

これが下地の色になります。

ここから影を、エアーブラシで書き込みます。

大雑把にこんな感じになりました。

使用したのは、タミヤのアクリル塗料です。

肌色に焦茶色、黒、を混ぜて調色したものです。

ここから一気に変わります。

続く!

 

 

 

 

 


物体Xを作る パート02

2024-07-30 08:44:11 | 模型

昨日からアップしている「物体X」の製作ですが、想像以上に大変でした。

何せ物が大きい。

思いの外重い。

更に樹脂が硬い。

汗だくになりながらの製作になりました。

製作は、先ず足の組み立てをし、頭に仮付けして見ました。

こんな感じで、かなり場所を取ります。

写真のテーブルは1メートル20センチX90センチの大きさですが、ギリギリいっぱいです。

これを完成させたら、広島まで送り出さないといけないので、足は差し込みますだけで接着はしません。

分解式にします。

脚部の接続は、単に差し込みです。

このように指定の場所に穴を開けて差し込めるように調整します。

次に、入れ歯の固定です。

入れ歯の下顎のパーツは、舌がくっついているのですが、奥行きの長さがちょっと短い感じがしたので、いつもの「エポキシパテ」を盛って延長しました。

上顎の方も頭部内側に固定できるよう、縁を付けました。

これの組み込みに意外なほど手こずりましたが、なんとか仕上げました。

取り付けにはパーツや突起が全く無いのでスタイロフォームを削って差し込み、エポキシ接着剤で固定しました。

こんな感じで歯が見えます。

頭部のてっぺんに開口部分があるので、そこから手を突っ込んで加工します。

内部はこんな形に補強しています。

更に、口から覗くと頬と歯の間にスタイロが見えるのでそこもエポキシパテで塞ぎます。

そうやってなんとか入れ歯を固定しました。

これで難関を一つクリアしました。

まだまだ苦難は続きます。

続く!


物体Xを作る パート01

2024-07-29 08:44:28 | 模型

ハルシオンの実物大フェイスハガーの製作記事をアップしましたが、今日からまた、実物大の「化け物」を製作した時の記事をアップします。

今回の「化け物」は、広島のFさんから製作依頼を受けて製作した物です。

映画「遊星からの物体X」に登場する「スパイダーヘッド」と呼ばれる有名な「化け物」です。

今回製作の「スパイダーヘッド」は、「ハワードスタジオ」が製作した実物大の物で、かなり大型になります。

日本国内でも数個しか無いという品物だそうです。

材質は、キャストで、日本のキャストとはちょっと成分が違うような気がします。

これが全パーツです。

足がたくさんついていますが、まさにカニです。

歯は、まるで入れ歯です。

なぜか、下の歯が2個付いていました。

整形不良という事で予備でしょうか?

ただ、頭部のパーツに、口の穴がないので、内側からモーターツールで開口して、入れ歯を組み込みます。

写真を見て分かりますが、毛穴っぽい感じや顔のシワ等、非常にリアルにできています。

面倒なのが、足です。

こんな状態の物が6セット有ります。

トゲが随所に有るのですが、これに気泡があり、尖った部分がかなり欠けてしまっています。

シリコン型に樹脂を流し込んだ時、トゲの先部分に空気が残っていたのでしょう。

ほとんどのトゲが欠けた状態でした。

これも全て尖った状態に直します。

足パーツは一本につき3分割されているので、真鍮棒を差し込んで補強して接続します。

何故か?足パーツの色が違います。

樹脂が足りなくなったのか?
海外製なので、こんな事普通です。

実はこの実物大ヘッドは、もう一つ有ります。

右の物はソフビ製の物で、同じ発注主様の物です。

ソフビの方よりキャストの方を先に製作して欲しいとの事だったので、ソフビは後回しにします。

先ず、このキットの頭部を立った状態にします。

木製のスタンドを作り、頭部に差し込みます。

まだ、固定はしてません。

入れ歯が付いていないので。

この口の内側から「入れ歯」を取り付けますが、取り付けるための突起とかパーツは全く有りません。

自分で取り付け方法を考えて取り付けます。

スタンドを仮止めし、足パーツを仮に付けて見ました。

げにおぞましい姿が見えてきました。

なにぶん、キャストが硬いのと、大きいので製作はかなり疲れます。

単純に加工に力が要ります。

重さもそこそこ有り、長時間持っていると腕がダルくなります。

休憩しながら少しずつ製作を進めます。

続く!

 

 

 


掩体壕の模型を作りました。

2024-07-28 07:03:02 | 模型

私は、毎月、第一、第三日曜日の午後2時から2時間、米子市内、「コムコムスクエア」の「プラモ・フィギュア・ジオラマ熱中造形塾」という講座で、プラモはもちろん、ガレージキット、ソフビ、建築模型、などの製作を指導しています。

6月から新入生が加わりました。

その新入生が、「アオシマ1/72紫電」を製作されています。

エアーブラシも使った事がないという事で、前回初めてエアーブラシによる塗装を経験して頂きました。

せっかく太平洋戦争当時の戦闘機を製作されるのなら、ジオラマにしてはどうか?と提案しました。

でも、飛行機のジオラマって、空中のジオラマ?という訳にはならないので、「掩体壕」を作って、その中に収納された場面をジオラマにしては?と提案しました。

私も過去に「掩体壕」の模型を作った事があるので、次回から指導して製作して頂こうかと思っています。

しかし、「掩体壕」って何?と思われる方も多いと思いますが、太平洋戦争当時に戦闘機を収納しておくコンクリート製の倉庫?です。

かまぼこ型のコンクリート製の建物ですが、ここ米子市の空港近くにいまだに複数の掩体壕の実物が残っています。

このような物なのですが、この中に戦闘機を隠して保護していたようです。

これを、スタイロフォームで作って戦闘機の模型を入れてジオラマにすれば面白いのではと思いました。

1/72のフィギュアも発売されているようですし、講座で色々指導して作って頂こうと思います。

以前に製作した掩体壕は、

こんな模型です。

スタイロフォームを削って形状にし、粘土を盛って筋彫りし、草は「水苔」を使いました。

この水苔は、エアーブラシでグリーンに塗装すれば、

こんな感じになります。

スケールは1/32ですので結構大きなものになりました。

飛行機は、「ニチモ」の零式艦上戦闘機です。

スケールが大きめなので、細かく塗り分けができました。

パネルラインで細かくエアーブラシ吹きし、塗装のムラを出しました。

日の丸はデカールを貼るのではなく、塗装しました。

この零戦は、特撮用に作ったので、旧日本軍の零戦が現在に残っていたらと言う設定で作ったので、塗装もボロボロになったという仕上げにしています。

掩体壕の中に隠して、メンテナンスしていつでも出撃できる状態だった。という設定です。

ここまでボロボロにシルバーを書き込みました。

これは緑色が剥がれたのではなく、シルバーを後から書き込んできます。

このキットを完成させた後、屋外の日の光で撮影しました。

結構本物っぽく写ったと思いますがどうでしょか?

これを紫電を作っている生徒さんに作ってもらおうかと思います。

どんな物になったかはまた出来上がってからアップします。

 

 

 


ハルシオン エイリアンフェイスハガーの製作パート05

2024-07-27 08:23:52 | 模型

ハルシオン エイリアンフェイスハガーの製作もいよいよ終わります。

ダミーヘッドも出来、フェイスハガーも取り付け、ほぼ完成になりましたが、、最後の仕上げをします。

最終の仕上げですが、これを使います。

液体ののラテックスです。

水性のゴムですね。

これを薄く塗って、あることをすると、こんな形になります。

これは絵の具のボトルに塗って、爪楊枝で引っ掻いた物です。

映画の「エイリアン」の卵の表面にこんな網目が付いていましたが、水性のラテックスを塗って乾いたら、爪楊枝や、ピンセットで引っ掻くとこんな感じになります。

薄いゴムの膜に傷が付くと、引っ張り合っているため、こんな形に縮みます。

いかにもエイリアンのようです。

この方法をダミーヘッドに施します。

ダミーヘッドには名札もつけました。

アクリル製です。

一気にエイリアンっぽくなりました。

ただ、この網目、耐久性が有りません。

せいぜい2週間くらいが寿命です。

空気中の湿気を吸って、ねばついたり、ボロボロになります。

輪ゴムが古くなるとボロボロになるのと同じ事が起きます。

それを少しでも持たせるため、木工ボンドを薄く満遍なく塗ります。

空気との接触を防ぐためです。

木工ボンドは乾くと透明になるし、ちょっとテカリが付くのでたっぷりと塗っても問題は無さそうです。

これを全体に施し、網目が朽ち果てないようにしましたが、やはり何年か経つとボロボロになるようです。

今現在、この網目を修復するため、発注主様から送り返して頂きました。

もう一度網目を剥がして再度同じ網目を作ります。

次は、しっかりと木工ボンドを塗り込み、劣化しないようにしてみます。

実験した所、木工ボンドをしっかりと塗った部分は劣化せずそのままの形状を保っているようです。

作例を製作された「韮澤靖さん」も「2週間くらいしかもたない」と言われてました。

なにぶん誰もやってない事なので、実験してみるしか有りません。

取り敢えず、自分用に作ったフェイスハガーの網目も劣化が進んでいますが、木工ボンドをしっかり塗った部分は劣化していないのが分かりましたので、考え方は間違っていないようですが、もう一つ大問題があるのです。

昔のソフビキットはエンビの可塑剤として「フタル酸エステル」という「発癌性物質」を使っていたそうで、それが、年月と共に染み出してネバネバの状態になります。

これは何をしてもどうしようもなく、洗剤で洗ったら一時的にネバつきは取れますが、また同じネバネバのになるようです。

古いソフビの宿命のようです。

手の施し用が無いようです。

でも何か方法がないか、日々研究しています。

取り敢えず、フェイスハガーに製作はここまでです。

ラテックスの劣化防止方法と、ソフビのネバつきの改良方法は日々研究です。

まだ回答は出ませんが、研究してみます。