自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

顔の無い被り物を作る パート05

2025-02-20 14:14:35 | 仕事

今日も朝から雪が降っています。

寒い日ですが、被り物の製作は続きます。

前回までで、表面の粘土塗りが終わり、乾燥したら研磨して再度形状を整えます。

この被り物は今までのものと違い、着物と一体化します。

被る人は両肩まで被ることになりますが、実際被ってみると、まだ少し肩の入る部分がきゅうくつな気がします。

この両側、

ここに肩がすっぽり入るのですが、私でもちょっときつい感じなのでもう少し広げたいと思います。

その後で、ウレタンを隙間に流し込んで固めて補強し、布を貼り付けて強度を出そうと思います。

被った時の視野は、口の部分なのですが、ちょっとだけ口角を上げて見たら、やはり視野が狭くなり、見にくくなりました。

もう少し開口部分を開いて視野を確保します。

鼻筋が、ちょっと曲がっていたので修正しました。

粘度が乾燥して来たので、試しに着物を被せて見ました。

これは、私が着ている「はんてん」ですが、このまま着ることも出来ます。

着物で体に密着するので、案外安定します。

ただ、両腕が上に上がりません。

腕の可動範囲が制限されますが、パレードで歩くには問題ないと思います。

どんどん日にちがなくなって来ているので、製作も急ぎます。

続く!


顔の無い被り物を作る パート03

2025-02-12 13:47:42 | 仕事

来る「水木しげる生誕祭」の妖怪パレード用被り物に製作ですが、最初の形を決める方法を書いていませんでした。

いつもなのですが、今まで作った妖怪の被り物を作り始める前に、そのキャラクターの原寸型紙を起こします。

これですが、

カレンダーの紙を使い、自分の肩の幅で幅を決めて、その大きさから頭の大きさを決めました。

この画像のバランスになる様に描き、それを原寸型紙として使用します。

実際の被り物に載せてみると、

この様に、ちょっと大きくして有ります。

着物の前を合わせた時、胸の部分が見えてしまいそうでしたので、スタイロフォームをちょっと長くしてカバーしました。

口の開口がまだちょっと小さいかもしれませんが、「のっぺらぼう」って、あまり大きな口では無いようです。

「おちょぼ口」の様なので、出来るだけ小さめに口を作り、それでも視野が取れる様に調整します。

型紙の裏には実際に被った時の人の顔の大きさを書き込んでいます。

口の位置が目の位置に来る様にして有ります。

この被り物は「のっぺらぼう」ですが、全く顔のディティールが無くなると面白く無いので、うっすらと、目や、鼻筋がわかる様に表面を削ってみようと思っています。

それに、肌は、ツルッとしているより、ちょっと荒い毛穴やちりめん肌にして皮膚感を表現してみようと思っています。

なにぶん、何も無い顔なので、そのままのっぺりと作ると全く面白味の無い物になりそうなので、ここは腕の見せ所でしょうか?

素人に細工とは違う所を見せたいと思います。

続く!


顔の無い被り物を作る パート02

2025-02-11 19:09:01 | 仕事

来月の3月には「水木しげる生誕祭」が開催されます。

それに参加される型のために、妖怪の被り物を製作中ですが、目も鼻も無い妖怪といえば「のっぺらぼう」ですね。

これを被り物にすると言うのが今回の課題です。

目がないのにどうやって前を見るの?

ですが、唯一の開口部分である口から覗く様に調整しています。

先ずはいつものスタイロフォームの50ミリ厚を貼り合わせて大きなブロックを作ります。

この塊をなめらかな丸みに削り出します。

大きめのカッターでザクザク削るのが一番早い様です。

熱線でカットしても良いのですがかなり時間がかかります。

やはりカッターが一番加工しやすい様です。

口の部分が被った人の目の位置に来る様に肩に乗っかる状態にして有ります。

 

これを被ると、

まだ太さがかなり太い様なのでもっと削ります。

もっとスリムにします。

大きさが仕上がったら、耳をつけて、口も整形します。

まだまだ手間がかかりますが、必ず生誕祭に間に合わせます。

続く!

 

 


クリニックの先生からの依頼 パート01

2025-01-30 12:38:14 | 仕事

昨日アップしたクリニックの先生から発注の建築模型ですが、先生のご実家の建物を製作という事でした。

このご実家はもう誰も住んでいないとの事で売りに出されました。

いずれ解体されて更地に成り、別な住宅が建ってしまうと、子供の頃から住んでいた家が無くなってしまうとの事で、その建物の形を模型で残したいという事です制作する事に成りました。

ただ、図面が数枚と、外観の写真しか無く、正確な形状がわかりませんでした。

敷地の図面も無く、建物とのバランスから想像で図面を起こし、それを元にアクリル、ポリスチレンの樹脂板で製作しました。

そして今回、新しい素材も使用しました。

これです。

瓦のテクスチャーです。

素材は薄いポリスチレン樹脂の板をヒートプレスした物だと思います。

非常に薄い、柔らかい素材です。

これを屋根のベース板に接着して加工します。

カールーフは手前だけ作りましたが、後々打ち合わせで奥の方まであったとの事なので、この後伸ばします。

まだ塗装前なので分解できます。

左の方には洋服の仕立てや販売をする店舗があった様です。

少しだけ内部を作りました。

この上に、2階部分を乗せます。

さらに、2階の屋根を乗せます。

芝犬がいたとの事だったので鉄道模型用のフィギュアを使いました。

犬小屋は1ミリのプラ板で製作しました。

まだここまでしか出来上がっていませんが、この後塗装をしながら仕上げてゆきます。

庭部分には植栽して、サクも取り付けます。

ここまで出来上がったところで一度先生に見ていただきましたら、車庫の通路の形状が違っている様なので修正します。

今回、瓦の素材を使いましたが、1/87というスケールの物ですが、1/100の模型に使えることも分かりました。

以前は瓦の素材は1/20とか、大きなスケールの物しか無かったので、1/100では使えなかったのですが、今回のこの素材のおかげで、この様な民家の瓦屋根の建物もリアルに製作できるように成りました。

今までは瓦屋根の建物は、プラ板に筋彫りで誤魔化していましたが、これからはリアルな瓦屋根を再現できます。

この模型の製作が進みましたら、また、仕上がりをアップします。

 


河童の造形 パート03

2025-01-19 08:06:32 | 仕事

連日アップの「河童」ですが、フィギュア本体が完成し、いよいよ現場に設置します。

墓所は鳥取県米子市の「鴨川」ですが、ここは、「米子城」の「外堀」です。

本来城の堀だったのですが、今現在はコンクリートで固められたただの川になっています。

周りには白壁の土蔵が有ったり、ちょっと古風な風景です。

ここの川には河童が住んでいたと言う話があり、モルタル造形の会社が設置したオリジナルの河童のモルタル造形がいくつか設置されています。

この河童の造形には私は関わっていません。

この河童はモルタルの塊でできているそうで、大変重いそうです。

2トンユニックで吊り下げる際、ユニックのワイヤーが切れてしまったと聞きました。

中までモルタルで出来ていると大変な重さになるようですね。

なので、今回に河童は中身を発泡スチロールで作り、モルタルの節約と軽量化を図りました。

この鴨川の片隅に私の造形した「水木しげる先生」の「河童」を仲間入りさせました。

これが御影石の台座です。

無垢の御影石です。

石の台座のテープが貼ってある部分がフィギュアのボルトを差し込む穴です。

大変な重さなので慎重に水平を出して設置します。

設置の後、フィギュアを取り付けます。

モルタル造形でも中身が発泡スチロールでなのでかなり軽く人の手で持ち上げられます。

三平の取り付けです。

これはテーブルですが、スイカの皮が乗っています。

これも同じ様に台座の穴にボルトを差し込んで接着です。

次は河童です。

同じ様に取り付けです。

こうして設置完了です。

背景に白壁の土蔵が見えます。

こんなレトロな雰囲気の場所に設置されました。

季節はちょうど桜の咲く頃でしたので、満開に咲いていました。

河童と三平のスイカを食べている所を造形しましたが、三平はスイカを持っていないんですね。

でも、持っている様な格好をしています。

デザイン画がそう言う物だったので、その通りにしました。

決してスイカを盗まれた訳では有りません。

こう言うデザインでした。

フィギュアの造形は私がしましたが、塗装はモルタル造形会社の方に任せました。

この仕上げがどうなのかわかりませんが、水彩画のイメージにはなっていると思います。

こうして完成しましたが、このモルタル造形をしている会社は、今現在モルタル造形をしていないそうです。

コロナ以降造形の仕事が無く、職人さんもやめてしまわれた様で、造形をやめてしまわれた様です。

せっかくの技術が勿体無いですね。

もっとモルタル造形をして欲しかったのですが、残念です。

こうして鴨川の「河童の三平」が出来上がりました。

何度も遠方の会社に出向き、作業しましたが、新たなマテリアルによる造形は面白かったですね。

これでまた新たな技術が身につきました。

またこんな仕事してみたいですね。