行くぞ!グラベル

オフロードバイク&釣り好きのイケイケブログ

昔からの大切な仕事仲間が旅立ちました。

2024-08-24 21:01:30 | 仕事関係

もう10年ほど前になるのだろうか
久しぶりに会ったその人は
向こう側が透けて見えるほど
生命感がなかった。

顔は笑ってはいたが
はじめての闘病生活の疲れが見てとれた。
今でもハッキリと覚えている。
映画のワンシーンみたいに
近所の歩道橋の上で待ち合わせたからか
夕方の強い西陽に照らされた
彼女の白いワンピースが光に溶け込んで
余計にそう見えたのかもしれない。


「あの時の君は向こう側が透けて見えた」
後から話したら、

「確かに弱ってた」と笑っていた。


あれからそれなりに長い時間が過ぎ、
元気だった彼女がまた入院すると聞いた。
彼女は検診の後、主治医に急に呼び出されて
不安だと話した。

忙しい仕事をこなしながら
入退院を繰り返した。
入院中のLINEでのやり取りでは
もう差し出す臓器はないと嘆いた。

入退院が繰り返されるたびに
病院に居る時間が延びていった。



そんな彼女が最近
急に仕事復帰すると聞いた。

前に話したのはいつだろう?
半年ほど前のLINEか。

あの時は
退院したと言うから
久しぶりに会えるかと返すと

「今は無理かな
いくつかのチューブで身動きできん」

「今回ばかりは詰んだ」と
珍しく弱音を吐いた。


しかし、
その時の会話とは違い
仕事復帰した彼女のSNSに踊る言葉は明るく元気だ。

好転したのかな?
SNSに張り付いていた画像を見て
私は思わず呟いた。

「ガリガリじゃねーか‥」


時間を掛けて考えたが
なんて話して良いのか分からず
とりあえずLINEで
「無理すんなって」送ってみた。

「行けるとこまで行ってみる」との返事。
自分でも分からないと。



「これまでも
転んでは起きて
転んでは起きてを繰り返して
来たもんな。

走れる場所があるなら
足が上がらなくなるまで
走り切らなな。
背中から応援したるわ
ガンバレーって」って送ると


「支えてくれるまわりの人たちに
また走れる場所を作って貰ったから走り切るつもり」

そう言って
「ありがとう」の
スタンプが送られてきた。


この先10年もまた
取り留めのない会話ができるよう
充実した毎日がおくれるよう
背中から応援してる。
ゆっくりでいいから
行けるとこまで
走り続けてください。


息が切れるまで
足が上がらなくなるまで。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

この記事を書いてから
およそ4カ月。
アップするタイミングを考えているうちに
彼女は旅立ってしまった。

「早すぎねーか、おい!」

あまりに急だった。
届かないのは分かっていたけど
行き場のない気持ちを吐きだそうと
LINEを送りかけて やめた。

既読が付かないのは
悲しすぎるから。

君が送ってくれた「ありがとう」のスタンプで
見送りたいと思ったから。





白いDSが流行った頃に
仕事終わりにいつものファミレスで
夜中まで皆で脳トレ繋いで一緒にやったよなぁ

見えるかい?
懐かしいな
もう20年近く前だよ。





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