Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

Flying V

2014-06-17 19:20:02 | GUITARS

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この歳になって無性にVが弾きたくなりギブソンを探してもこの58年バージョンは現行では製造していないことが判明。回りまわって最近何かとお世話になっているエピフォンの58年コリーナです。

フライングVといえばマイケルシャンカーの白黒やハードな方たちの定番アイテムですがやはりアルバートキングのナチュラル白ピックガードを追い求めない手はありません。Jガイルズも。しかし、エピフォンですらこのモデルは現在手に入らないので結局中古市場やオークションでしか入手できないことに。

そしてやってきたのがこの2002年の韓国製。3ピースマホガニーボディの上にまた両面センター2ピースのマホガニーをプライ。メイプルネックで全くオリジナル58年コリーナをモディファイしていないのが楽しいですね。作りも丁寧でオリジナルでも十分いいですがそこはやはりアジアメイド。電装アッセンブリーは家電的なのでお決まりのピックアップ交換とワイヤリングのチューンナップ。

ピックアップはニューアイテムのセイモアダンカンの「Whole lotta humbucker」。ネーミングと商品説明にこの世代はヤラレてしまいます。いつもは迷わず59ですが今回はこれでアヤをつけてみたくなりました。最近良くあるオールドPAFに一味加えたハンドメイドピックアップの質感があり価格は1/4。素晴らしいですね。59程のコンプレッションはありませんがクランチによく咬みついてくる感じでクリーンはムーディー。レスポールに乗せるともっと重心が低くなるんでしょうがこの軽量マホガニーには明るくファンキーに鳴ります。MIXポジションもクリスピー。

結局ハムバッキングピックアップはビンテージPAF系かディストーション系ハイパワーの2タイプしかネタが無く、あとは素材にこだわった手工メーカーかシグネーチャー、限定品くらいしかないところ、商品に物語性を加える離れ業のセイモアさん流石です。1970年前後のロンドンのシーンを出されて興味を示さないギターオジサンはいません。ケースのジャケットも今までには無く斬新。

配線材はいつものウェスタンエレクトリックの単線でアウトプットまではブラックエナメル。コンデンサーはヒューマンギアオリジナルのオレンジドロップの0.02。通常は0.022なのにコダワリの0.02。何かあります。案の定、トーン最小でも音圧が下がりません。ウーマントーンでブーストする感じはこのPUとベストマッチ。

アジアメイドのギターでよくBカーブをポットに使いますがヴォリュームコントロールを頻繁にするならCTS500KのAカーブは必需です。またエピフォンはPUエスカッションがちょっと大きい。なぜそれなのかは不明ですがルックスが変わってしまうと思うのは私だけか?正規のサイズを取り付けるとネジ穴変更や変色したボディ部分が出てしまうのが厄介です。

ということでゴキゲンなギターになりましたが書斎で弾く時は太ももでウィングを挟む定番フォーム。左足のカカトを上げ気味で弾くので普段病まない部分が痛みます。このVのおかげで先日の朝方、いきなりの「こむら返り」で目覚めました。


1977年ラージヘッド

2014-05-26 19:31:06 | GUITARS

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新加入のギタリストI医院長が長年探していた70年代のラージヘッドがついにやってきた。思いを抱いていれば叶うんですね。

出会ったときはかなり弾き込まれていて、レリックよりリアルなダメージ具合がその年月を彷彿させていました。それをI医院長がひたすら魂込めて磨き上げこんなに美人に。楽器は磨き上げないと弾き手の分身にはなりません。発見された時とは別物になりました。

さてこのラージヘッドのコンディションは大変なものでアッセンブリーは素人のハンダとインチキな配線。ピックアップが3個とも生きていたことに感謝しながらPU以外すべて交換。ボディは艶消しマッド状態でシールの跡も多数。金属パーツは錆でブリッジサドルのネジはすべて交換。

ピックアップデイトは76年でしっかりとロウ浸けされていて直流抵抗は3個とも5.8前後。出力が低いのに現行テキサススペシャルよりデカいヴォリューム感は不思議です。オリジナルのセラミックコンデンサーは使用不能で新しく手持ちのサークルDのセラミックを取り付けましたがこれが実にいい感じでトーンを絞っても音量が下がらずウーマントーンで咬みつきます。配線材はギターに限りなく近い76年製ノーザンエレクトリック社の単線でワイヤリングしましたが、WEと違いアタックが太くいい感じ。もちろんアウトプットまではしっかりブレイデット。

元々、ホワイトピックガードでブラックメイプルとそれ以外ないというようなベストマッチングでしたがそこはI医院長、少しヒネリを加えてデイブギルモアモデルの質感を取り入れるというワザを使い男のストラトに変貌させました。

フレットがフレットレスワンダーで12フレット以上はありません。メイプル指板と相まって弾きずらいのなんのって。しかし、音が太く最高なんですね。リフレットして音がブライトになってしまうならこれに慣れたほうがいいくらいです。3ボルトのマイクロティルトはブリッジとテンションと弦高を最高な位置に持っていけるのでゴキゲン。様々なサイトでこの3ボルトやネック角度のシムに関して論争がありますが全く音には関係ありませんね。ヴァンヘイレンのファーストアルバムの頃に使用していたコンポーネントストラト「フランケン」はフロイドローズの取り付け上、ネックポケットにへヴィーのピックを挟んでいたという伝説もあります。それであの音なら逆にシムを入れたくなります。

ワイヤリングをしながらBGMはリッチーブラックモアズレインボーのアナログレコード。「銀嶺の覇者」から「ダウントゥーアース」までじっくりと。考えてみると私のストラトキャスターサウンドの原点はこれだと再確認した充実のひと時でした。ありがとう医院長!

そんなわけで復活した77年製ストラトキャスターは70年代のロックサウンドがそのまま出るギターになりました。リアPUの鈴鳴り感、ハリのあるセンターとフロント、I医院長所有の70年代のシルバーパネルのデラックスリバーブで鳴らすハーフトーン。うーん至福の時とはこれですか。やっぱりラージヘッドは外せませんね。

末永く供に。

 


ストラトキャスターとブラックエナメル

2014-02-28 21:26:59 | GUITARS

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ストラトキャスターのチューンナップ第2弾。ブリッジをカラハムに交換していい感じでしたがセレクターSWやヴォリュームポットにガリが出てきていたので22年目にして電装系の入れ替えです。現行のCTSポット、スイッチクラフトのセレクターSW等すべて交換。今回のメインは1940年代のウエスタンエレクトリックのブラックエナメル単線。当時の音声信号伝達の最先端、電話機に使用されていたといわれる代物。エフェクター製作家のT氏がストラトにはこれしかないといわれていたので早速実行です。

ブラックエナメル線はエナメルコーティング部分をカッターの刃で剥がしてから使用するので普通の線よりかなり手間がかかります。ポットからアウトプットまではしっかりブレイデットしますが線材のボリュームがあるのでピックガードを収めた時のクリアランスを考えワイヤーの長さを決めないといけません。キャパシターはデンマーク製オイルコンデンサーのジャンセン。ハンダはもちろんアルミット。

ストラトにはセラミックと相場が決まっていますがあえてビンテージでもなく現行のオイルコンデンサーでモダンにいってみます。ストラトには50年代の0.1、60年代の0.05といわれますが0.05以上はトーンを絞ると音圧も下がってしまいます。ハムバッカーにベストといわれる0.022をストラトに使ってみましたがいいです。トーンを絞ると音量は下がらずミッドが多少盛り上がる感じに。甘いアタックはムーディーにメローな質感。

しかし、驚きはブラックエナメルです。膜2枚を取り払ったような鈴鳴り感はカラハムブリッジでモダンになったトーンをよりブリリアントなストラトらしい音に変化させました。ミッドハイの濃厚なコード感、クリーンの中に倍音豊富なザラつきがあってブライトでもシングルノートは細くなりません。ブリッジのフローティングの度合いと弦高がマッチしてくるとスプリングの鳴りと調和してストラト感が満載になります。こんなにも配線材で劇的な変化が起きたことはないですね。フェンダー系のギターにはこれしかないくらいのチューンナップです。これならストラトだけじゃなくハムバッキング系のギターやワウにもベストマッチでしょう。

こんな素晴らしいケーブルをオーディオマニアの中だけにしておくのはもったいないですがギターに使用するのを内緒にしたい程。

現在は作られていないこのブラックエナメル線。現存しているビンテージを買うしかないですが線材1m足らずでこんなにも変化するならたくさんストックしておかなきゃなりません。

これにマスターボリューム無のシルバーパネルツインリバーブがあればより最高。

 


1955年製ストラトキャスター ネックメンテナンス

2014-01-17 22:09:27 | GUITARS

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メンテナンス前の酷使された状態。この雰囲気もいいのですが弾いていると上塗りした古いラッカーがぺリぺリと剥がれてくる始末。常に汗を吸っているんでしょうね。

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もうすぐ還暦を迎えるストラトキャスター。自分より10年先輩だから大事にしてあげないといけません。入手してから10年経ちますがまだまだ現役で鳴ってくれるタフな道具。一度もメンテナンス無しで来ましたが、それ以前からかなり使い込まれて幾度となく修理を施されてきたようでそろそろ限界にきました。常にレベルの高いメンテナンスをされてきているなら問題はないのですが過去の素人作業も見受けられ、そこからダメージが広がってきています。道具としての修正ならいいのですがいつごろからかレリックというような外見上の化粧が重宝され本物の経年変化を無視した作業がより悪化を加速させ始めたようです。

過去のリフレットは5、6回はしているようでオーバーラッカーも数知れず。メイプル指板もかなり掘り起こされ、それをカバーするためにジャンボフレットが打たれていましたが今回は古いラッカーをそぎ落としオリジナルの状態に近づけるのが目標。トラスロッド調整のネジの上下から亀裂が入っていてそこに接着剤を適当に流し込んでいるような修理。結局、亀裂が開いている状態に接着剤を流しているのでネックエンドが少し開き気味の状態で数十年いたことに。

約半年前にリペアの重鎮S氏に長期療養入院させ、つい先日退院いたしました。診察結果は古い接着剤を取り出しヒーターとクランプで再度亀裂を圧着させ、指板もフラットに。以前はすり減った指板をそのままで何回もリフレットしていたようでライトなスキャロプト化していました。ビンテージの風合いを重視するあまりなのか素人なメンテなのかわからない状態。この1955年6月から1956年の日付のネックはストラト至上一番極太なネックで後にも先にもこの太さを再現した時期はありません。1955年製でも3月ころまではタデオゴメスのサインがあるのもありますから1954年製独特な太くまろやかなネックだったと推測されます。今回のネックメンテナンスで多少1954年製タデオゴメスグリップに近づいたような気が。この年代のサイドポジションマークは結構エッジ上部ギリギリに打ってあるので研磨後指板ギリギリ。それでもレスポール位のグリップ感です。

しかし、トラスロッドはほとんどネジが落ちない程度にしか締めていなくても全くフラットなまま。ネックポケットはこの年代特有の塗装が乗った汚い仕上げです。ボディとネックが1カ月違い。まだアメリカンな手作り感覚で適当さ加減がよくわかります。

先日、悪い先輩のT氏が某有名店で本物の58年ギブソンレスポールを弾いたときに自分の持っているヒストリックの58年レスポールと同じだったというメールが来ました。それだけ大の大人のオタクが精巧にレプリカしていると思うとそれもかなりの価値があるように思えます。本物はお家が買えそうな値段と仰っていました。

ストラトキャスターを弾き始めた時がフェンダーが復活しカスタムショップ製が出回り始めた時期。いくらビンテージモデルといってもプリCBSのストラトとは明らかに音や質感が違っていました。しかし、最近は現存しているビンテージと違いがわからないほどの雰囲気や音を出すギターたくさんあって驚きです。以前ならそうは言っても本物とレプリカの違いはある!と思っていましたが本物は楽器と言えない価格になってしまった今日どのくらいの違いがあるのかが疑問になってきます。アンティークコレクションだというのなら聞こえはいいですがエレキギターですからね。それも当時工場で大量生産したものです。

最近の大御所ギタリストはみなキッチリ調整された新しいフェンダーやギブソンでいい音を出しています。たぶんレイヴォーンも生きていたら新品のいろんなシグネイチャーストラトを弾きまくっていたんだろうな。自分を含め年代やスペックだけで楽器の価値を語っていた時期もありましたが70年代中期の良いストラトなんかに出会うと、実は自分のイメージのストラトトーンだったりします。

楽器は鳴らしてイジッテなんぼです。やっと55年も遠慮なく弾ける還暦ギターと相成りました。


DUO SONIC チューン

2013-10-28 00:39:56 | GUITARS

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コストパフォーマンスの高いチャイナ・スクワイヤDUO SONIC。手軽で度々弾いていましたがやはりシングルノートの押しが弱くて不完全燃焼してしまいます。このクラスでそれを求めるのも何ですが本体の状態がいいのでピックアップとサーキット交換でどう変化するかやってみます。

オリジナルDUO-SONICを現代風にアレンジしてあるクラシックヴァイブシリーズですがリアピックアップの位置が若干センター寄りで華奢なピックアップでもファット気味にする設計です。ミックスポジションでテレキャスターのようなクリスピーさが今一つなのでPU交換でよくなるか?。

オリジナルを見てみると大きく座繰って真ん中に木材を貼り付けているところは大味でパーツも最低限なグレード。PUは直流抵抗6.0前後でビンテージスタイルなので間違いじゃありませんがもっとファットな高出力を搭載します。そして選んだのがダンカンカスタムSSL6。2倍の音量で太くミニハムに近いトーン。それでいてシングルコイルのタッチが味わえるので軽いバスウッドボディにはいいかもしれません。定番のポットはCTSの250kとスイッチクラフトのトグルSWとジャック。配線材はビンテージ・ウエスタンエレクトリックの単線と現行のコットンジャケットの単線とハンダはアルミット。コンデンサーはオレンジドロップの0.033。ノブはドームタイプに交換。想定通りファットテレキャスターサウンドでフロントPUがかなりいいですね。元々のビンテージ臭さを求めるならこのチューンナップは別方向ですが歪ませるにはもってこいになります。

しかし、ダンカンのPUはリーズナブルで完成度高くバリエーションも豊富。どんなチューンにも対応できるのがありがたい。昔はEMGもそうですがみんな高価なPUでしたが今はいい時代です。これもアジアのオカゲですかね。