Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

スモールペダルボード Ver2

2018-06-11 18:27:05 | PEDALS

最近、癖になっている小さなペダルボードの新作。サックスプレーヤーからの依頼でファンクに特化した内容です。ギタリストやベーシストは人より一歩ヒネリを利かせたがりますが、歴史のある管楽器は世界定番のBOSSで統一。弦楽器マンには馴染みのないヴォーカルプロフェッサーVE-20と黒さの代名詞ダイナミックワウの2本立てがシンプルで実用的。小型ボードですがスペースが取れるのとXLRキャノンジャックの為、しっかりハンダするトラッドなジャックを使用します。

パッチケーブルはジョージエルスレッドとベルデン88760。プラグはスイッチクラフト、G&H、Amphenol等。BOSSのVE-20と同じ赤のケーブルがポイントです。ジャンクションボックスはいつものスイッチクラフトジャック、アウトプットの位置をアレンジしたカスタムバージョンでトップのみセミ鏡面仕上げ。VE-20を底上げし電源ケーブルを中に仕込む形にしたのでより赤いケーブルが目立ちます。電源アダプターをボードに固定するとアダプターからのDCケーブルの接触不良の軽減になりますがコンパクトタップを上からかぶせるやり方に満足しないボードのオーナーは珍しいL字の変換ソケットを入手していました。

ギタリスト仕様ではありませんがコンパクトで素敵な感じに仕上がりました。しかし、BOSSの安定感には恐れ入ります。


MOOER Footswitch Hat & MARINCO 8215 Plug

2018-05-15 10:20:48 | PEDALS

 コンパクトで手軽なボードなのですがやり過ぎるのが悪い癖。後輩のベーシストからの提案でもあるフットスイッチのカバーを早速装着。単体だと何かの蓋にしか見えませんがペダルのスイッチの踏込み面積を増やすアイデアグッツ。高額なステンレス削り出しのようなモノもありますがリーズナブルなのが今回の小型ワウのMOOERでリリースしている「フットスイッチハット」。昭和オジサンのほとんどがイメージする缶入りドロップなルックス。お部屋で素足で使うにも非常に塩梅がいい代物ですが力を入れすぎるとSWを破損してしまう恐れもあります。どちらにしても優しく触れるように踏むのが鉄則のようです。踏み心地は全くの別物に変化し、スイッチャーのような同じ形状だとペダルの色をイメージするカラーに変えるとミスも軽減されそうです。コルグのチューナーには少し加工が必要ですがほとんどの同形状のスイッチに対応していて愛想の無いペダルボードを楽しく演出。しかし、いまだに変化しないのがスイッチ本体です。形状、耐久性から昔からのスタンダードですがコストから判断してもこれに勝るものはありませんが、あるとするとBOSS。これも40年以上に渡って変化なし。

パワーサプライの電源プラグもマリンコのホスピタルグレードに交換。とかくオーディオの世界ではオカルト分野ナンバー1ですが楽器機材分野でも熱い話題になります。この手の電源ケーブルはしっかりした作りに越したことはありません。実際の多様な現場や環境での使用が想定されるペダルボードなら頑丈なつくりは不可欠なのですがそこに販売のキャッチコピーが加わると論議の的になってしまいます。「100Vから125Vに昇圧したような音質、太いゲインなどに変化」する等が実際に電気を専門にしている方の反感を買うネタになります。ACを良くしてもとペダルボード内のDCに影響しない等夢の無いご意見が殺到します。しかし、楽器の機材は最終的にスピーカーを鳴らして聴感上どうかというのを追及するものですので理論的な話も重要ですがその感覚がポイントなのです。AC電源部分を強化するとノイズの軽減になり固定して使用するオーディオより様々な現場が想定されるペダル周りは接触不良やプラグ抜けを防ぐ医療用がマッチするのです。オーバースペック承知ですがいろいろなケーブルをチョイスできて組み立ても簡単で頑丈、メリットは多い。ケーブルの安定性のため特性のステンレスクランプを配置。

業務用の電源プラグとカラフルなフットスイッチハットのミスマッチが微妙なバランス。

 


スモールペダルボードチューン

2018-05-07 22:29:03 | PEDALS

最上段中心にある写真は約2年前に作製したスイッチャーを使用しないコンパクトでシンプルなペダルボード。手軽な分出動回数も多く1年前にはその右側の写真にあるようにコーラスを追加。コンパクトなボードなのでワウはJOYOのオートワウでしたがやはり足で踏みたくなり最小ペダルワウのMOOERを配置。スペースを作るのに一苦労しますがノイズ、音痩せを最小限にしたボードにリニューアル。

一番スペースを取るのが意外とパワーサプライだったりします。最近の出力電源が高くケーブルがいくつも繋げるハイエンドパワーサプライが主流ですが電源アダプターが結局別に必要になるためそれをボード内部に配置するとギリギリになってしまいます。現行品でのトランス内蔵で直接電源コードがあるパワーサプライは巨大な業務用がスタンダード。小型を探すとどうしても昔の名機グヤトーンのAC105になってしまいます。AC102は所有していますが最大出力電流が80mAと今になってはかなりの非力。このMOOERのワウペダルはセンサースイッチのため1台で50mA消費しますのでゆとりの出力電流500mAのAC105を入手。電源ケーブルが時代を感じる細い平行線なので少し太く柔らかいケーブルとパナソニックのタフキャップ。ホームセンターで入手できる流行りの安心のメイドインジャパン。

これだけ小さいスペースに詰め込むと奥に配置したペダルのスイッチが踏みづらいので硬質ゴムとスチールステイで底上げし全体を2段構えに。久々ホームセンターで悩みながら買い物をしているオジサンと一緒に楽しいひと時です。DCケーブルはプラグ部分が小さいEXpro。パッチケーブルは定番のLAVAケーブル単線のタイトロープとジョージエルスに最近のお気に入りの「日の出光機製作所」L111SL。これもメイドインジャパン。このブラス仕様もあってバリエーションが豊富になっています。アースとケーブル固定のネジの精度は抜群で製作時間が一瞬で完了するのが最高です。

ここにきてRAT2の歪のレンジが広く傑作ペダルなのを再確認します。ディストーションとフィルターのバランスが肝ですがアンプのミドルを強調したストラトキャスターはフィルターを開放していくとミッドハイがブーストされて表情がつきやすくなりますが雑なトーンにも変貌します。フィルターを絞る大人のセッティングがストラトを太くしていきますね。オンにしたときのノイズが一番大きいのがRATですけど歪のワビサビが堪能できます。昔は皆さんそうでしたが今あえて全て直列配線してもギターから直接アンプに繋ぐのと音量の差やトレブルの減衰ほとんどありません。音の劣化が無いのはパッチケーブルと電源回りの影響か定かでないですがパッチの結線としっかりしたペダルの固定にヒントがあります。そこにポイントを置くと高額なハイエンドペダルでそろえるのと同じトーンが出てきます。定番スタンダードペダルとアジアのニューウェーブがこれまた面白い。


MOOER The Wahter

2018-05-01 17:12:19 | PEDALS

FUZZに次ぐ最古のエフェクターと言ってもいいくらいのペダルがワウ。現在のニューモデルの99%が1960年代につくられたデザインのそのままというのも凄い話です。普通のペダルのスイッチングは切り替える一瞬の動作ですが、ワウペダルの場合は表現している間中ずっと踏み続けないとならないフィジカルなモノで靴と同じくらいの寸法がお約束。ギタリストのほとんどがこのサイズじゃないと安心できないので基板やパーツなどのちょっとしたアレンジで付加価値を付けた新製品しかリリースできないジレンマもあります。また最近の小型高性能ペダルの登場で多機能ペダルボードのコンパクト化になっていますがそれをひたすら邪魔をするのがこのワウペダルなのです。しかし、踏み続けるペダルなので安定感を出す為、大きさや重さが必需というのも悩ましいところでした。ワウの基板自体はファズのようにシンプルで小型にすることは簡単。ペダルボードの中で固定が出来るとなりここ数年で一気にコンパクトワウのリリースラッシュがやってきました。

往年のスタンダードワウを送り出してきたブランドもハーフサイズにダウンサイジングしたモデルも出しましたが今までのワウペダルの概念を覆したのがこの「MOOER The Wahter」。足で踏むワウでは最小サイズ。ミニタイプペダルの大きさで既存のケースを使用せず全くのオリジナル。オンオフSWは踏込みではなくタッチ式のセンサースイッチ。足を載せた瞬間にワウが作動し離すと解除という実践向けのモードと2タップでオリジナルワウのようなスイッチモード、その両方が出来るパターンと全部で3モードの設定が可能。突飛なスタイリングですが使用してみると足のアタリ感が違うだけで違和感はありません。ペダル上面リングの出し方で踏む感じも変化しますが靴の底の形状に合わせる感じでしょうか。SWがセンサー式なので裸足での使用には不具合が発生します。外見のインパクトが先走りしますがクラシックワウをモチーフにしたミッドレンジに集中した力強い太目なトーン。可変幅もあるファンクなクリーンカッティングからブースト的なリードトーンまでオイシイところに合わせています。ギタリストのほとんどが良しとするワウの感じですね。この大きさでRAT2より重く感じる重厚なボディは安定感がありコンパクト化を追及するボード内では高いパフォーマンスを発揮します。

近年の中国メーカーの勢いは凄まじいものがあります。西欧や日本のメーカーのコピーから始まりましたが現在はどこよりもコストパフォーマンスが高く、コンパクトペダルの中ではダントツのシェアを占めています。実際にモノを生産している国の底力とでも言いましょうか機材関係のほとんどがアジア製。こだわりのハンドメイドのUSAや日本製であっても現実離れした価格やそれほど変わらないオカルトチックな実際のトーンは既に時代遅れな雰囲気もしてきます。今あえてメイドインジャパンシリーズとして2倍にもなる販売価格を設定してリリースした日本の某メーカーに購買欲を持つユーザーは一部の昭和オジサンだけなのでしょう。

主観ですがこれほど革新的なオリジナルで作り込んだワウペダルなのですが「The Wahter」のロゴがカッコ悪いのが安心感を引き起こします。

 


JOYO Future Chorus

2017-04-30 22:49:30 | PEDALS

スイッチャーを使用しないJOYOと定番ペダルで作った小型ボードに新しいアイテムの追加です。小さくて簡易的ですが90年代始めの懐かしいトーンは健在なので出番も多いこのボード。しかし、何か加えるとしてもこのスペースですからJOYOしか選択の余地が無いのが玉にキズ。最近BOSSのCE-2W導入後、今まで無縁だったコーラスがやたらと気になり今回導入したのがJOYOのフューチャーコーラス。コンパクトでタフな作りのアイアンマンシリーズは小型高品質に拘った完全なオリジナルケース。中身は往年の名機のフルコピーで変な味付けが無いところが使いやすいです。このフューチャーコーラスはまさにBOSSのCE-2をフルコピー。可変幅は少な目ですがおいしいゾーンに特化した設定。コーラスのデプスとレイト以外にかかり具合を最終的にミックスするマスターボリューム的なレベルノブがかゆいところに手が届きます。シングルノートを揺れなく太くするディレイ的な効果も。

ペダルのスイッチが手前一列に並ばない為、コーラスだけを底上げして段差加工しました。ケーブルはLAVAのタイトロープですがコーラスのアウトからディレイのインプットまでは最近癖になりつつある日の出光機製作所のL111SL。もちろんソルダーレスプラグでケーブルはジョージエルスのレッド。プラグにケーブルを挿してネジで固定するだけという驚きの作業時間。このボードだけすべてこのプラグにしたくなります。

面白いことにこれらのペダルの中で一番ノイズの多いのがRATです。2000年頃のUSAメイドの最終バージョンですがレシピも80年代からのモノなので現行のペダルがいかに技術革新しているか。BOSSのBD-2のクォリティの高さは承知の通りですが現在のアジア製オリジナルエフェクトがこのBOSSからキッチリと学んでいるのがよくわかります。それからみると素晴らしいのがRATの大味なところ。しかし、エアー感のない雑な歪はバンドの中で一番タフに聞こえてくるんですね。メタルからジャズまでカバーする許容範囲の広いディストーションは傑作です。アンプライクなハイエンドの歪もいいですが時代を創った名機の絶対的な存在感は多少ノイジーでも外すことは出来ません。

やはりこのレイアウトだとどうしてもハイラム。