Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

GEORGE L'S メンテナンス

2016-09-13 10:53:11 | CABLES

20年以上前に突如登場したソルダーレスケーブル。ソルダーレスという馴染みがない言葉に戸惑ったのを覚えていますが今では完全なスタンダードに。切り売りが出来たり数種類の専用プラグでマイナスドライバー一つで製作できるなど強烈なインパクトはありました。古いタイプのギタリストは驚くほど細かったりハンダしないことを受け入れられず遠くから見ていた状態でしたが。しかし、サウンドはアタックの反応が早くゲインが上がったような印象は一瞬で病みつきに。

そんなジョージエルスが最近輸入代理店での取り扱い中止というニュースが蔓延しています。ここ数年、ハイエンドケーブルやペダルボード内の配線を想定したソルダーレスプラグが多数リリースされていて影が薄くなっていた雰囲気がありましたがなんたって元祖。コンプ感が無くフラットでダイレクトのところが豊富なゲインがあるような錯覚を誘導します。実は大変ナチュラルなことが数年使って再認識できました。素晴らしいケーブルやプラグは他にもたくさんありますがコンプ感が強かったりトーンに着色されているようなものや、ルックスはハイエンドですが音は普通だったりとこればかりは使ってみないとわかりません。また、通常のギターからアンプでの使用がベストだったりペダルボード内でのパッチで力を発揮するものもあったりで複雑。最近のジョージエルスの販売スタイルはパッチケーブルに焦点を絞っているような感じもありますが在庫がなくなり次第終了なんていうのもあって寂しい限りです。

さてこのジョージエルスの売りの一つでもあるブラス削りだしプラグは重厚な音のイメージがありますがいたってフラット。定番のメンテナンスフリーのニッケルのほうがトレブルの伝達性は優れています。このブラス削りだしプラグは使用していると酸化してきて真鍮のいい雰囲気が出てビンテージテイストに仕上がってきますがこれが接触不良を起こしガサガサとノイズの原因になります。常に使用した後のカラ拭きやコンパウンドでの磨きが必要です。(写真のきれいに光っているのはメンテ後)このひと手間が愛着を生むのかもしれませんね。しかし、ネジ留めだけの為、扱いは丁寧にしないと事故に発生する場合があるので激しいステージングをしない大人のギタリスト向きでしょう。激しいロックはスタンダードなベルデン&スイッチクラフトと相場は決まっています。

先日、ライブで使用しましたが裏切らないトーンには脱帽です。ストラトキャスターにはやはりいいですね。アクションの無い大人バンドなもので。

 


マリンコ&CAROL&ベルデン

2015-07-07 17:14:39 | CABLES

ピーターソンアンプ専用の電源ケーブルを新調しました。専用といっても他のアンプでも使用できますがマリンコのホスピタルグレードのプラグと柔らかく使いやすいCAROLのケーブルで作ります。オーディオの世界ではケーブルを替えると「音の曇りが取れた!」とかのお決まりのフレーズが聞こえてきますがギターアンプに関しては昇圧トランスで電圧を上げた時ほどのインパクトはありません。ギターアンプで重要なのはスタジオやライブステージでコネクターがしっかりしているか、ノイズを拾わないかという基本的な機能がちゃんとしているかということです。トーンが変わるとかのお話は気持ちの問題も大きいので省きますが電源部分は最重要部分なのでいつもチェックが必要です。

先日のライブ会場でもリハーサル時にノイズを発生させているほとんどが鍵盤楽器でした。デジタル楽器ですから微妙なトーンを論議するギター業界と違いワイルドにツマミを動かしたほうが問題も解決します。そんなワイルドなのが鍵盤奏者ですからキーボードを複数台つなげるパッチやミキサーからDIのケーブルになんて気を使っている暇はありません。案の定、電圧が落ちているタップや複雑な取り回しでプラグの接点不良によるノイズが出てしまっていました。大体がケーブルを替えると復活します。

ギタリストの環境もノイズゼロはEMG以外ありえませんが気になるノイズの裏にはトラブルが必ず潜んでいます。いいラインを弾いた後にノイズで沈没なんていう経験は必ずギタリストにはありますね。ノイズの究明から配線のレイアウトの見直し、個々のペダルの確認、そして電源ケーブルになっていきます。マリンコのプラグは重厚でかなり太い線材まで使用できます。「医療用」というのが絶対的な安心感。しかし、スタジオやライブ会場のタップやコンセントは劣化でユルユル。プラグとケーブルが重厚な為、その部分も悩ましくなりますが。

一緒に入手したベルデンのプラグ付ケーブルも味があります。最初から樹脂で形成されたプラグは古いローズピアノやツインリバーブの純正のような佇まいで硬質。取り回しが悪いですが書斎やホームスタジオではこれで十分。


GEORGE L'S 225

2015-01-05 17:09:04 | CABLES

最近はもっぱら細いケーブル。ベルデン8259を使って更に細いケーブルにハマりました。ジョージエルス155はベルデン8412と同じくケーブルの基準として使用していますがそこでダークホースの225をしっかり検証します。115より一回りファットな分材質が硬く癖がつきやすいですが音はゲインが高く太く派手に出ます。材質的にパッチには使用しにくいですが存在感はあります。近年はソルダーレスプラグの種類は増えましたがこのジョージエルスのブラスのストレッチプラグのデザインは素晴らしい。音質的にはニッケルのほうがブライトですがこのブラスのミッドレンジのブースト感を和らげる感じと、たまに磨いてやらないと曇って接触不良を起こすところのヒューマンな感じが好きですね。

今回は定番レッドとブラックの2種類を作りましたがブラックに赤のジャケットのセンスは少々問題ありです。やはり115より225はゲインが高くトーンのレンジも広いですが同じ同軸ケーブルのミッド中心の密度は濃い。ハイファイな2~4芯のマイクロフォンケーブルよりギターやベースに特化した感じがありクランチの食いつきはいい気がします。しかし、この楽器用ケーブル業界もプレミアムな商品をリリースし続けますが過剰なノイズ対策や特殊ジャケットに包まれているものも音質は意外と普通な感じが多く難しいところ。この細いジョージエルスがのほうがマジックを感じる気がしますね。

しかし、いつも話題のケーブルの色で変わる音質の件ですが、メーカーサイトで皆同じと言っているのに違いを感じてしまうギタリストは多い。この225に関しては赤も黒も同じ感じを受けますが、違いを見出した方は想像力が豊かで感受性も強いギタリストでしょうね。そのあたりも長い間の定番の証。

 

 


Thin Cable

2014-08-27 13:51:39 | CABLES

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最近、細いケーブルが気になります。先日、後輩のベースマニアさんと焼き鳥屋で会合。その際、お土産にケーブルをプレゼントしてくれました。一見ジョージエルスと思いきや実はベルデン。ベースマニアさんはいつも何かフックを効かせてきます。いつも使っているジョージエルス155と最近お気に入りの225の中間の太さです。今はあまり手に入らない「ベルデン8259」という同軸ケーブルです。プラグはジョージエルスのニッケルがベストマッチのルックス。

音を出してみると驚きです。ゲインが高い!キンキンしていないミッドハイがさく裂します。初めてジョージエルス155を使った時のインパクトに近いですがゲインがそれより高い。ゲインでいうと最近よく使っている225と同じ質感が感じ取られますが恐ろしきベルデン。これはギターのクランチやベースのスラップに最適ですね。

そして一番下の写真は御存知ベルデン88760。ライン用ケーブルで硬めの真っ赤なテフロン系FEPの被服をまとった派手なヤツ。これは鍵盤奏者のK氏用に作ったやつですがこれをギターで使うとこれまた爆音。といってもバランスよくゲインが高い。しかし、タッチノイズも爆音。ハイインピーダンスのギターPUだとどうしても避けては通れないのでレコーディングやお部屋用とするとかなりハイレベル。ローインピーのステージピアノからPAにダイレクトインだとタッチノイズは全く無く太いピアノサウンドになります。ノイトリックプラグもマッチしています。

LAVAケーブルのような専用のハイエンドモノはきれいにトーンが調整されて使いやすいですがこれらはまた用途が違うのもありミスマッチの雰囲気が着色無しのダイレクト感になっています。使ったことが無いケーブルはまだまだたくさんありますね。

気がついたらみんな細いケーブル。


ケーブル考察  LAVA CABLE The Lava Soar

2014-07-11 23:57:45 | CABLES

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LAVA CABLEの第2弾、恐ろしき単線のギターケーブルThe Lava Soar。2芯でしっかり22AWGの単線です。普通のケーブルより確かに硬いですが取り回しが出来ない硬さではありません。プラグはお気に入りG&H。単線なのでキッチリと中心のHOT接合部に巻きつけてハンダをのせます。もちろんハンダはアルミットの鉛入りKR-19。

音は素晴らしいですね。不純物を取り払ったシグナルそのままが出力されます。解像度もよくこちらもいいチューブアンプ直結でいきたい代物です。ここまで来るとギターやアンプはもちろんですがケーブルのトーンを楽しむなんていう世界です。ライブでガッツあるプレイよりもじっくりレコーディングや書斎でお酒を呑みながら小音量で爪弾くときに最高です。

単線のボリューム感やクリスピーなトーンはギターの内部配線でわかっていましたがケーブルまで単線だとは。ストラトキャスターの各ピックアップのトーンニュアンスが露骨に出てきますがゲインに惑わされ無くいたって音楽的。こういうのがハイエンドなのかと確認できるケーブルです。

ちょっと地味なコットンジャケットが殿方用。