Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

66年製ジャズベースⅡ

2013-06-19 17:13:09 | BASS GUITARS

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ごく普通の1966年製フェンダージャズベース。知人のベーシストZ氏が10年以上前にロックバンドのライブでプレイ中ストラップが外れ落下し乾いたボディが一瞬で粉々に。落下と激しいロックの中で本人もエキサイトしたのが感じとられる残骸だった。

ネックはヘッドを残し指板ともに細かいピース状。ボディは3等分に割れPUガードでつながった状態。数日後、Z氏本人が大きい紙袋に入れてそれを持ってきた。ピックアップは生きていたため取り外し、数か所のリペアショップに持ち込んだがどこも部品取りにするかオブジェにしかならないとのこと。

何年かたって幻のリペアマスターS氏のところにダメもとでこの残骸を持参した。あっさりと「治るよ!でも今忙しいから急ぐなら無理だけどね」と簡単な返事。その裏には壊れてすぐに持ち込めば良かったのに1~2年経過していたので各残骸が変形してそのパーツを修正してからの復元で10年かかったのだろう。残骸の写真が無いので違いがはっきりしないがそれはもう奇跡の復元です。今はレリックとして認知されているが元々はビンテージ楽器をその姿を変えずにリペアするという技なのでボディの復元はどこが割れたかがわからないように傷が残されている。ネック裏は人に見えないから余計な加工はしませんというところが玄人の意見。当然レリック依頼があっても受けないといってました。

S氏曰く、出来るだけ現存している材用で直すのが鉄則らしく別の木材等を接ぎ木して直すのを最小限にするのが経年変化を抑えるポイントらしい。形有るものは全て直るという持論はまさにリペアマスター。その工房には安いフォークギターからチェロ、ビンテージチューブアンプからデジタル機材まで山と積まれてありました。

オーナーのZ氏はこの66年を壊した数年後、また全く同じ66年を購入。しかし壊れた66年が忘れられないと日々思っていた矢先に再会。現物に再会した瞬間、音・フィールは昔のままだと感激。行方が分からなくなって数十年たった友人や家族に再開できた感じに近いとコメント。その気持ちよくわかります。

オーナーZ氏は先妻、後妻とともに仲良く暮らすことになりました。

メデタシ。






2 コメント

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いやぁ、すごい!の一言です。 (後輩のベースマニアT)
2013-06-20 00:12:00
いやぁ、すごい!の一言です。
ここまで修復可能というところが職人さんの技術を反映させているという好例ですね。

これで66年JBは自分の所有器も含め身近に3台あるということになりますね~。
実は先日、偶然にも自分が所有している59年PBと非常にシリアルナンバーが近い同年式器を使用している方と知り合いました。
楽器にも「以心伝心」「類は友を呼ぶ」というようなことがあるのでしょうか??

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後輩のベースマニアT 様 (junglewah)
2013-06-20 11:42:37
後輩のベースマニアT 様
いつもありがとうございます。

66年が3本なんて爽快です。
59年PBとシリアルが近いものにめぐり会えるなんて!
友を呼ぶんですね。

楽器自体がそうですがリペアのクォリティー程
幅があるものはないです。一見きれいに直しても
時間の経過でどのように変化していくかはその場では
わかりません。特にベースのネックなんかはテンションや、
音にどれだけ影響があるかは経験がモノをいうんでしょうね。
「パテ埋めしてちょっとレリック塗装」がリペアの本質のように言っている
方が多いご時世ですから。

この職人は事情があってバラバラにたたき割った安い国産の
アコースティックギターも完全修復したらしいです。買ったほうが安いのに
持ち主の意向で。直すモノを選ばない正真正銘の修理屋なんですね。
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