油断していたら面白いピックがたくさんリリースされていました。ここ最近はチキンピックオンリーでしたがJAZZⅢスタイルのニューカマーが盛りだくさん。ウルテムや樹脂系新素材等ひと昔前だとありえなかったくらい種類も豊富です。ネタも尽きたところで石や硬い木材、骨、角等の自然素材を用いたモノまで登場する始末。これらも一見ワイルドですが考えられたエッジカットで大変滑らかで弾きやすくトーンも最高。
ピックの真ん中がくぼんだ黒いのがイタリア製EssetipicksというピックのZIRIYAB 、EASY、HEARTの3種類。防弾チョッキに使われる軽量で硬いケブラー繊維というもので作られていて、弾き込んだようなサイドエッジの削れ方は弦に対してアングルの付いたピッキングをしても平行にヒットするような工夫がされています。スタンダード角度とレフティ又は逆アングル用の2パターンをチェックしないと使えないピックになってしまうのが要注意。ピッキングスピードは出ますが様々なピッキングスタイルを瞬時に変えたりするギタリストには難しいかもしれません。おいしいポイントを探るには時間がかかるタイプの代物でしょう。
今まであったようでなかったアクリル素材のピックですがそれをメジャーにしたのがVピック。常識外の形状のイメージを覆す自然な弾き心地は病みつきになりますが同じアクリルを使ってスタンダードな形状で作ったのがグラビティです。最近は同じくダダリオからも1.5mmアクリルのAcryluxシリーズが出たりとアクリル素材が熱いですね。アクリルは硬くメリハリがあるブライトなトーンでタッチによるトーン調整もスムースです。アクリルでいうスタンダードな厚さの1.5mmはグラビティ、ダダリオの両ブランドから出ていますが若干グラビティのほうが厚みがあり、JAZZⅢでも形状が違います。ジムダンロップのJAZZⅢ愛好者は形状は良いですが少し柔らかいナイロン素材に満足できないギタリストが待ち望んだようなのがグラビティ003シリーズ。レッドが1.5mm、ブルーが2mm、オレンジ3mmと見やすく色分けされています。厚いピックにありがちな硬いアタック音が少なく厚くなるにしたがって丸いトーンになっていきます。ピックの弦にあてる角度を同じでも弾き心地が変わらないのはピックサイドの研磨角度が素晴らしい証拠です。
そんなグラビティピックもアクリル素材に飽き足らずゴールドシリーズという3年にわたって開発した新素材を使ったモデルまで出してしまいました。価格もアクリルの5倍のハイエンド。その割にルックスはよろしくないロゴマークとカフェオレのようなカラー。弾き心地、トーンはアクリルとチキンピックの中間の立ち位置ですがタッチが柔らかいのに音がスピーディーに立ち上がる不思議な感覚。どんな握りでも馴染むエッジ処理はハイエンドを納得させるレベルにあります。厚い2.5mのほうがマイルドなトーンでピッキングにかかる質感は1.5mmと違いが無いという不思議な感覚。このゴールドシリーズ・003Miniの形状は忠実に元祖ジムダンロップのJAZZⅢを再現しています。この形状もJAZZⅢスタンダードとエリックジョンソンモデルとは微妙に形状が違い弾き心地は全く違い、ウルテム素材のJAZZⅢは全てエリックジョンソンモデルの形状を元にしています。最近ジムダンロップで出したプライムトーンはオリジナルJAZZⅢのスタイルにハンドメイドでエッジ加工されてこれも素晴らしいモデル。
小振りなJAZZⅢスタイルは厚さが0.01mm違いで雰囲気がガラッと変化します。同じ素材のナイロンでも色によって違いがあったり素材で硬さが変わるのでいろいろと試さないと選ぶことが難しいのが小さいピックですね。流行りのウルテムもいいですがスタンダードのJAZZⅢの厚いセルロイドがありません。最古のピック素材セルロイドは意外とフラットなトーンで好きなのですが厚い小振りなセルロイドとなるとダンドレアPro PlecのJAZZモデルしか見当たりません。丸みのあるカットでスタンダード1.5mmをラフな感じで握り込むJAZZスタイルのピッキングにマッチしそうです。老舗フェンダーからもウルテム素材でJAZZスタイルも出していますが薄くちょっとハズレ感あり。個人的にはやはりフェンダーはセルロイドで作ってほしいものです。
Pick Boyのハンドメイド
のエボニーもしくは牛骨でできた300円のものです
https://www.digimart.net/cat14/shop4773/DS04459760/